脂肪肝悪化の原因は「ルビコン」? 阪大研究グループにより解明進む

脂肪肝悪化の原因は「ルビコン」? 阪大研究グループにより解明進む

脂肪肝を防ぐためにも食事はバランスを大切に(画像は大阪大学プレスリリースより)

脂肪肝を悪化させているのは、脂肪そのものではなく、高脂肪食を食べることで発生するたんぱく質によるもの――大阪大学大学院・医学系研究科の竹原徹郎教授や吉森保教授らの研究グループによって、脂肪肝の新たな事実が明らかになった。

「脂肪肝」は、飲酒や運動不足、肥満状態の持続、高脂肪食の大量摂取によって、肝臓に中性脂肪が蓄積された状態。

脂肪肝の一部は、「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」を経て、重症化すると肝硬変、肝がんへと進行するため、脂肪肝の時点で治療することが不可欠。現時点で脂肪肝の治療薬は存在しておらず、病態を解明し、治療法を開発する必要がある。

これまでの研究で、脂肪肝では細胞内の不要物を分解する仕組み、「オートファジー」の活動が抑制されていることがわかっていたが、オートファジーの活動低下は遺伝子の突然変異でしか確認されておらず、なぜ脂肪肝で生じているのかはわかっていなかった。

研究グループは、高脂肪食(32%の脂肪を含むエサ)を4か月間与え、脂肪肝になったマウスの肝臓を調査したところ、「ルビコン」というたんぱく質が大量に存在していることを確認した。

そこで、ルビコンが発現しないよう遺伝子操作したマウスで同様の実験をおこなったところ、オートファジーが正常に機能し、肝臓の脂肪蓄積が減少したという。

すでに、同大の臨床部門の協力によってNASH患者の肝臓内でもルビコンが増加していることを確認している。

竹原教授は、今まで有効な薬物治療が存在しなかった脂肪肝に対して、ルビコンを標的とすることで肝内脂肪を減少させ、肝障害を軽減させる治療薬の開発が期待でき、NASHや肝がんの発症を抑制にもつなげられるのではないかとコメントしている。

発表は2016年9月16日、米国肝臓学会誌「Hepatology」オンライン版に掲載された。

参考論文
Rubicon inhibits autophagy and accelerates hepatocyte apoptosis and lipid accumulation in nonalcoholic fatty liver disease.
DOI: 10.1002/hep.28820 PMID:27637015

(Aging Style)

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