「見た目」とアンチエイジング 日本抗加齢医学会2017レポート(1)

「見た目」とアンチエイジング 日本抗加齢医学会2017レポート(1)

3日間で抗加齢医学に関わるシンポジウムなどのプログラムが36セッション企画された

顔だちや立ち居振る舞いなどの「見た目」は、アンチエイジングを考えるうえで重要なポイントになる。

2017年6月2日〜4日に東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開かれた第17回日本抗加齢学会総会のシンポジウムで、心理学や認知症の専門家らがそれぞれの視点から「見た目」をキーワードに講演をした。

見た目と病気リスクに関する研究が進んでいる

最近ではエイジングのあり方について様々な分野から考えられていて、心理学もそのひとつ。

魅力と脳・認知機能の関係を研究している慶應義塾大学文学部心理学研究室の川畑秀明准教授は、
「自分が美的であるとか、魅力的であるといったことは、私たちにとって『投資』の対象なのです。女性のほうが自分の容姿に対して否定的な評価をする傾向が強いため、とくに美容医療の診察などでは、性別による自分の容貌の感じ方の違いが生じるのです。美容医療においても、心を媒介とした身体の在り方について考えていく必要があります」と述べた。

では、他人の見た目についてはどうか。20年以上、魅力的だと脳が判断する顔は左右対称だったり、特徴の少ない平均的な顔だったりすることが重要だといわれてきた。

最近では、研究が進み、体内の酸化ストレスや体の免疫機能が顔の左右対称性に現れるなど、魅力的な見た目と体の健康との関わりも明らかになった。

「米国や中国では、3次元で測定した顔の形態と病気リスクの研究が進められています。顔の情報を科学的に分析することによって、医学的なリスクが予測できるようになりつつあるのです」

認知症の特徴と見分け方

日本の認知症患者は2025年には約700万人になり、65歳以上では約5人に1人が認知症を発症するといわれている(厚生労働省2015年1月発表)。

鳥取大学医学部保健学科生体制御学講座の浦上克哉教授は、「軽度認知症は見た目にどうなってくるか?ではどうすればよいか?」と題し、認知症の代表的な4つの疾患「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」について見た目の特徴を解説した。

まず、認知症の中でも約70%の人がかかる「アルツハイマー型」は、もの忘れから始まると思われがちだが、実は臭いニオイがわからなくなるなどの嗅覚機能から症状が表れることが多い。

患者は普通に会話ができるため診察時はわかりにくいが、さっき聞いたことを忘れる、よく後ろを振り向くなどの特徴がある。

「脳血管性認知症」は、暗い表情の患者が多く、両足を大きく開いて不安定な歩き方をする。

「レビー小体型認知症」は幻覚や妄想が起こる。右手が震えたり、小刻みに歩いたりもする。「前頭側頭型認知症」は周囲の状況に構わず本能のおもむくまま行動する。突然診察室を出ていくなど立ち去り行動が特徴だ。

「軽度認知障害(MCI)の段階で医療者が介入できれば、5割の患者は進行を防げる可能性があります」と浦上教授。

いちはやく認知症の症状に気づき、重症化させないことは抗加齢の一助になる。そのためにも「見た目」は重要な指標だ。

第17回日本抗加齢医学会総会
シンポジウム22「見た目からのアプローチ」
※敬称略
座長:
山田秀和(近畿大学医学部奈良病院皮膚科、近畿大学アンチエイジングセンター)
西村栄美(東京医科歯科大学難治疾患研究所幹細胞医学分野)

演者:
「見た目は『なぜ』『どのように』重要か?心理学・認知科学の立場から」川畑秀明(慶應義塾大学文学部心理学研究室)
「軽度認知症は見た目にどうなってくるか?ではどうすればよいか?」浦上克哉(鳥取大学医学部保健学科生体制御学講座)
「骨粗鬆症からみた体型変化と対策」宮腰尚久(秋田大学大学院医学系研究科整形外科学講座)
「見た目から毛髪や皮膚の老化を考える」西村栄美(東京医科歯科大学難治疾患研究所幹細胞医学分野)

医師・専門家が監修「Aging Style」

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