粗食は本当に健康食? 男性ホルモンアップの方法は? 日本抗加齢医学会2017レポート(3)

粗食は本当に健康食? 男性ホルモンアップの方法は? 日本抗加齢医学会2017レポート(3)

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いくつになっても生涯現役で元気に美しく、人生を楽しむにはどうすればいいか―。2017年6月4日に東京国際フォーラムで日本抗加齢医学会総会の市民講座「家庭画報ビューティウェルネス講座」(共催:家庭画報、日本抗加齢協会)が開かれ、いま話題のゆるやかな糖質制限食と男性の更年期について医師らが講演した。

「粗食=健康食」ではない

最初に北里大学北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟氏が、ゆるやかな糖質制限食「ロカボ」について紹介した。ロカボとは、1食にとる糖質を20〜40グラムまでにし、これに10グラムまでのおやつを入れて、1日の糖質摂取量を130グラムまでに抑える食事法のこと。糖質は甘いお菓子だけでなく、白米やパン、麺類などの炭水化物やサツマイモ、カボチャ、トウモロコシなどの野菜にも含まれる。

元気で美しくいるために、なぜゆるやかな糖質制限が必要なのか。例えば、顔に刻まれるシワは見た目を老けさせる要因のひとつだが、シワの深さと糖には関わりがあるという。

「糖質をたくさん摂って血糖値が高い状態が続くと、肌のハリや弾力を保つコラーゲンのしなやかさが失われるとともに分断されてシワが深くなります」(山田氏)

また、研究では糖質の摂取量が多く、食後の血糖値が急上昇する人ほど認知機能が低い傾向にあるという結果も出ている。ロカボ食で食後の高血糖を抑えることは、将来の健康のためにも大切なのだ。

「もともと日本人は1食に90〜100グラムの糖質を摂ってきました。『粗食こそが健康食』という昔からの言い伝えは違っているということがこの10年間でわかってきたのです。白米なら1食半膳くらいが目安になります。その代わり、肉や魚、大豆製品、糖質の多くない野菜類をお腹いっぱい食べられます」(山田氏)

山田氏は家族でロカボ食を始めたところ、太り気味だった自分は体重が減る一方で、痩せ気味だった妻は体重が増えたという。「ロカボ食は、ダイエット目的だけではなく、その人に合った健康的な体重へと導いてくれるものだと思います」

おしっこの時間が21秒超えたら要注意

男性にも更年期症状が現れることは広く知られるようになった。日本抗加齢医学会理事長で、順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学教授の堀江重郎氏が解説した。

「男性更年期はテストステロンというホルモンが減ることで起こります。誰でも年をとればテストステロン値は減る一方だと思われてきましたが、最近の研究で社会活動を積極的に行っている方はそれほど減らないなど、新しいことも分かってきました」

男性ホルモン値をアップさせるポイントは、@脳への刺激、Aストレッチや筋トレなど運動をする、B誰かにほめられること。

「夫婦で腕を組んだり手をつないだりして歩く、息子とキャッチボールをするというのも効果的です。また、食事は何を食べるかよりも誰と食べるかが重要で、バーベキューや鍋で仕切り役をすると、テストステロン値はアップします」(堀江氏)

また多くの男性は、年をとると夜中におしっこの回数が増えたり、キレが悪くなったりする。

「多くの哺乳類は満タンになった膀胱が空になるまで21秒かかるといわれています。人間も調べてみると健康な40代男性では同じくらいでした。年ととると前立腺が肥大したり、膀胱やお尻の筋肉が衰えたりするなどして、尿が出にくくなったり、少量でも時間がかかったりすることがあります。おしっこの時間が21秒を超えるようなら治療が必要かもしれません」

さらに、夜中にトイレのために起きる回数が3回以上の人のうち、3分の1は5年間以内に死亡するという研究データもあるという。

「死亡の原因はさまざまですが、前立腺の問題だけでなく、心臓や腎臓などに病気が隠れているケースもあります。トイレの回数が気になる方は、一度、泌尿器科を受診してください」(堀江氏)

日本抗加齢医学会総会 市民講座
2017年6月4日「家庭画報ビューティウェルネス講座」
(共催:家庭画報、日本抗加齢協会)
市民講座は、一般の人が参加でき、医師や専門家らが健康に役立つ情報をわかりやすく講演する(事前申込みが必要な場合もある)。

医師・専門家が監修「Aging Style」

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