定年制は見直しへ?

定年制は見直しへ?

60歳定年はもう無理があるのでは?

定年制に関して私見を述べたい。
医者という職業の有り難みか、僕自身はあまり定年を意識せずにここまで来てしまった。
大学教授でも一応勤務医なので、65歳という定年はやってくるが、関連病院の院長とか、関連団体の顧問とか、いよいよとなれば開業という手もあるので、大学をクビになるまで真剣にその後の行き先など考えないで定年を迎えてしまった。
"とりあえずは居場所がないとご不便でしょう"と、開業した弟子の一人がクリニックの中に部屋を提供してくれて、蔵書を持ち込んで仕事場とさせてもらった。
現役の終わり頃は創傷治癒の研究や美容外科に関わっていたので、関連企業や、エステティック業界とも繋がりがあり、顧問的な仕事も舞い込んでくるようになった。
このような境遇は医学部のクラスメートは皆似たり寄ったりである。

サラリーマンだとこうはいかないのかもしれない。
ほとんどの企業は60歳が定年。役職に就いたり、子会社に出向すれば多少は延長されるが、多くの場合はこれで一旦打ち切り。完全に引退して悠々自適の生活に入る。また、僅かだが、新たに起業して第二の人生を始める方もある。
だがこれには多少の無理があるのでは、というのが最近の考えのようだ。そもそもこの年齢制限は、明治の頃、日本人の平均寿命が50歳の時に定められたので、平均寿命が80歳になった現状にはそぐわないのではなかろうか。
端的に言えば働く意欲のある方からその機会を奪うことになるのでは。
また少子高齢化が進めば現実問題として、労働力の不足も生じる。
そこで定年制度の見直しが必要となってきた。

具体的には次の3パターンが考えられる。
@ 定年撤廃:アメリカでは憲法により、年齢差別は違憲とされ、撤廃されたと聞いている。わが国でこれをすぐ実行するのはあまり現実的とは思えない。
A 定年延長:すでに少しずつ始まっている。
B 雇用条件の変更:一旦は雇用契約を打ち切り、希望者は新たな条件で再雇用する。
@とAが組み合わせが現状と言えるのではなかろうか。

僕はこの際、発想を変えて抜本的に勤務体制を組み替えたらいかがと考えている。
高齢者の活用は必要としても、体力、機能の衰えは否定できないからである。
つまり、一日8時間、週5かという勤務時間を分解し、3〜4時間毎のモデュールにすれば、高齢者の組み込みが可能になるからだ。
乱暴なと言われるかもしれないし、仕事の内容、職種によっては難しいかもしれないが、これは高齢者のためだけではない。現実にはIT化で、オフィスに縛られる必要は減ってきているし、また、女性の出産育児の時期、若者のフリーター的な働き方にも馴染むのでは、と考えている。
つまり歳を取っても働く意欲のあるものは、その意欲と経験が生かされた方が社会のために役立つのでは?

医師・専門家が監修「Aging Style」

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