「学会へ行こう!」もひとつのアンチエイジング

「学会へ行こう!」もひとつのアンチエイジング

アンチ+アンチ−アンチ+アンチエイジング=?

地元横浜で開催されたアンチエイジングの学会が終わった。日本抗加齢医学会の19回目となる年次総会。充実した3日間だった。

初日には学会初となる功労賞をいただいた。抗加齢医学における「見た目」、すなわち美容医学・医療という領域の発展に貢献したということでの受賞。設立当初から学会に関わり、2008年に立ち上げた「見た目のアンチエイジング研究会」という分科会で10年余り奮闘してきた身としては嬉しい限りだ。それを学会内外で支えて下さった方々には感謝の念が尽きない。

日本抗加齢医学会が研究会として発足した初年度、2001年の会員数はわずか20名。お世辞にも「抗加齢」や「アンチエイジング」に関して確固たる信念や共通認識があるとは言えない集まりだったが、皆、当時アメリカで急速に発展していたアンチエイジング医学に対する興味に加え、日本でも一丸となって取り組まねばという意識は高かった。

2年後には数百名の組織となり学会へ昇格。以後は回を重ねるごとに学際化、つまり診療科や臓器ごとに縦割りにされたさまざまな専門分野が絡み合いながら統合医学・医療の色合いも帯びて発展し、今や会員数は8千数百名。この18年あまりで飛躍的な成長を遂げた。

発足当時69歳だった僕は87歳。折しも今回の総会会長で「幸福寿命」という概念の提唱者でもある慶應大学・伊藤裕教授の講演では人間の限界寿命が115歳前後という説があるという話も出たが、幸い学会や大学・企業には限界寿命がない。1900年前後に発足した日本消化器病学会や日本内科学会を仮に脂の乗った中年の大人にたとえるなら日本抗加齢医学会はようやく中学生になったくらいだろうか。

近年は学会が細分化して増え過ぎたという声も聞かれるが、学会もある意味で生き物。限界寿命こそないものの、健康状態が悪くなったり治療が必要になることはある。解散や統合という形で寿命を終える学会の話も時折耳にする。臨床系の学会の場合は研究成果の発表や論議の場としての質だけでなく、専門医制度の質や専門医資格の価値なども学会としての存在意義や魅力を左右する。ただ、専門医制度が厳格になると質は上がっても会員獲得の難度が増すというジレンマもあることは悩ましい。

僕は海外の学会こそ参加しなくなって久しいが、国内では日本形成外科学会や日本美容外科学会(JSAPS)、日本創傷治癒学会、日本熱傷学会など、今でもいろいろな学会に所属しており、今回のような学術集会には可能な限り参加するようにしている。第一線にいた頃に比べると学会で講演する機会は少なくなったが、学会にもアンチエイジング、若返りは必要だ。

近年の医学や医療の進歩は目覚ましく、特に僕の専門外のさまざまな分野が絡み合うアンチエイジング領域では継続的な知識の更新が欠かせない。これが実に楽しい。健康的な食生活も運動も大の苦手な僕が幸いにも今のところ健康寿命、幸福寿命ともに良好でいられるのは学会など好奇心を満たす機会が多く存在するからなのかもしれない。

[執筆/編集長 塩谷信幸 北里大学名誉教授、DAA(アンチエイジング医師団)代表]

医師・専門家が監修「Aging Style」

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