清宮幸太郎の「高校通算100本塁打」への疑問

清宮幸太郎の「高校通算100本塁打」への疑問

早稲田実業学校高等部の清宮幸太郎選手(写真:BFP/アフロ)

 今夏の甲子園の最大の目玉といえば、早稲田実業学校高等部の清宮幸太郎だ。1年生のときから甲子園を沸かせた“スーパー高校生”も、いよいよ最後の夏を迎え、清宮フィーバーは過熱するばかり。4月に行われた春季東京都大会決勝の日本大学第三高校戦は18対17という前代未聞の乱打戦となったが、清宮はその試合でも2本塁打を放ち、おおいに存在感を示した。

 その後も本塁打数を伸ばした清宮は、6月4日の享栄高校との招待試合で高校通算100号を放った。しかし、高校野球でしばしば用いられる「高校通算○○本」という数字にはカラクリがあるという。スポーツライターが語る。

「高校野球中継やドラフト会議などでよく耳にする“高校通算”という表現が出てきたのは、清原和博(PL学園高校→1985年に西武ライオンズ入り)か鈴木健(浦和学院高校→87年に西武入り)からだと思います。その後の松井秀喜(星稜高校→92年に読売ジャイアンツ入り)あたりまでは、このキャッチフレーズも有効だったのですが、その後はだんだん怪しくなってきました」(スポーツライター)

 この「高校通算」という数字には、当時からさまざまな解釈があり、「公式戦のみなのか」「練習試合も含むのか」は解釈が分かれるところだ。そして、現在では練習試合も含めてカウントするのが一般化しているため、その内容が疑問視されているという。

「強豪校となれば、週末は全国を股にかけて練習試合を行います。早実も夏の甲子園予選まで週末は練習試合でびっちり。6月半ばには香川まで遠征して、1日2試合ずつこなす予定です。試合数が増えれば、当然ホームランのチャンスも増えますし、なかにはレベルの低い相手も混ざっています」(同)

 どんなにレベルの低い相手から打っても本塁打は本塁打だが、もうひとつのカラクリがあるという。

「現在“公式”で最高記録とされているのは、2013年に神港学園高校を卒業した山本大貴の107本ですが、神港学園のグラウンドはセンターが105m、ライトが90mという狭さ。それゆえ、歴代ベスト10には同校の選手が3人もランクインしています」(同)

 ランキング上位には中田翔(87本/大阪桐蔭高校→07年に北海道日本ハムファイターズ入り)や中村剛也(83本/大阪桐蔭→01年に西武入り)など、日本を代表するスラッガーが名を連ねる一方で、前述の山本を筆頭にプロ入りさえしなかった選手も少なくない。

 清宮の素質が一級品なことは甲子園での数字(1年夏:2本塁打、打率.474、3年春:打率.333)が証明済みだが、「高校通算○○本」という実績は、そのままプロでの活躍を約束するものではないようだ。
(文=編集部)

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