巨人、30億円補強でも歴史的低迷でGM更迭…獲得選手は期待外れ、放出した大田は大活躍

巨人、30億円補強でも歴史的低迷でGM更迭…獲得選手は期待外れ、放出した大田は大活躍

第1回WBCで日本代表の投手コーチを務めた鹿取義隆氏(アフロ)

 プロ野球の盟主・読売ジャイアンツ(巨人)が激しく揺れている。6月13日現在、セントラル・リーグ5位に低迷し、今日にも自力優勝の可能性は消滅する。現在行われている日本生命セ・パ交流戦においても、12試合を終わった時点で1勝11敗の最下位だ。6月9日の北海道日本ハム戦に勝ち、球団史上ワースト記録となる13連敗を抜け出したと安堵したのも束の間、翌9日から再び連敗。13日からは、交流戦首位の福岡ソフトバンクホークスとの対戦が控えており、さらに負けが込む可能性すらある。

 そんな巨人の事業会社である読売巨人軍は13日、株主総会と取締役会を開き、久保博代表取締役社長が代表取締役会長となり、代表取締役社長には新たに読売新聞東京本社の石井一夫取締役事業局長となる人事案を決議した。

 スポーツ新聞記者によると、会長と社長の人事は特に低迷の責任を取るといった意味合いではないという。

「巨人の場合、他球団と違って名誉職的な役職が多くあります。会長や社長はまさにそれで、球団に対して特に権限はありません。したがって、球団の成績が悪いからといって、責任を取らされることもありません。球団運営に対して権限を持つのは、球団代表とゼネラルマネジャー(GM)です」(スポーツ新聞記者)

 そのGMである堤辰佳氏が成績低迷の責任を取って辞任した。巨人は伝統的に監督がシーズン途中で解任されることはない(1947年に、中島治康選手兼任監督がシーズン途中で監督を解除し、選手に専念した事例が一度あるのみ)。そこで、高橋由伸監督の責任を問う声も上がるなか、堤氏が自らの腹を切ったかたちだ。辞任とはいえ、事実上の解任とみられている。

 GMは、チーム編成の責任者だ。十分な戦力を整えることができなければ、その責任を取るのは当然といえる。巨人は今季、陽岱鋼、山口俊、森福允彦をフリーエージェント(FA9で獲得したほか、アークイメデス・カミネロ、ケーシー・マギーらで戦力を補強した。その総額は30億円といわれ、さらに吉川光夫、石川慎吾も日本ハムからトレードで得た。

「史上最大の大型補強」といわれたが、FAで獲得した3人は開幕時に誰も一軍に入れなかった。陽と山口に至っては、故障で出遅れ6月に入ってようやく一軍に合流。カミネロ、マギーの助っ人外国人も期待外れの感は否めない。

一方、トレードで放出した大田泰示は日本ハムで開眼し、巨人で8年間「未完の大器」と呼ばれ続けた才能が目覚めつつある。

「以前から指摘されてはいましたが、大田が移籍1年目にブレイクしたことで、巨人の人材育成のへたさが浮き彫りになってしまいました。昨年から3軍制度を導入したほか、育成選手も多く抱えており、若手を育てようとの意思は見せています。しかし、プロ野球界でもっとも歴史があるにもかかわらず、人材育成のノウハウが蓄積されていないのです。常に勝利が求められる巨人は、『失敗してもいいから思い切りやれ』と若手の才能を伸ばす環境をつくりにくいのでしょう」(同)

 巨人は13日、堤氏の後任にGM特別補佐の鹿取義隆氏が就任すると発表した。元プロ選手がGMに就任するのは、巨人では初だ。そのため、現場と球団上層部との架け橋となることが期待される。また、鹿取氏は現役時代、屈指の救援投手として名を馳せた。低迷する巨人を救う切り札となることができるのか。その手腕が注目される。
(文=編集部)

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