ライザップ、海外進出拡大&東証一部へ意欲…「米国進出は失敗ではなく、意志を持った撤退」

ライザップが東証一部へ意欲

ライザップ、海外進出拡大&東証一部へ意欲…「米国進出は失敗ではなく、意志を持った撤退」

ライザップ、海外進出拡大&東証一部へ意欲…「米国進出は失敗ではなく、意志を持った撤退」

RIZAPグループ本社が入居する新宿フロントタワー(「Wikipedia」より)

 数々の著名人を“コミット”させて話題を呼んでいるテレビCM、アパレルや出版といったフィットネスの枠を超えた精力的なM&A(企業の合併・買収)などで注目度を高めているRIZAP(ライザップ)グループ。だが、子会社の前社長のインサイダー取引疑惑で揺れ動くなど、好材料ばかりではない。そんななか6月24日午前10時から、株主総会がハイアットリージェンシー東京で開かれた。

 株主数4万1827名のうち出席者は1万3588名(開会時点)。代表取締役社長・瀬戸健氏の挨拶から始まり、自身が議長を務めることを告げると、グループ会社を含めた今期の事業報告が行われた。

 売上収益・営業利益・営業利益率・税引前利益・当期純利益・親会社の所有者に帰属する当期利益からなる6項目すべての指標において、過去最高を記録するという好調ぶりをアピール。その後、前年同期と比較した際の利益率の伸びに話題が切り替わった。

「前期では、買収した時点で赤字だとわかっている会社の影響が数字に出ていましたが、今期では倍をも上回る51億円ものキャッシュフローの改善が見られました」

 このような大幅な増収の裏には、RIZAP GOLFの急成長と、グループ子会社の経営再建があると説明。ボディメイク事業とは別事業のRIZAP GOLFは、プロゴルファーの石川遼との契約など先行投資が実を結んだことで、7億1000万円もの黒字転換を果たした。

 続いて、上場子会社の成長ハイライトについては、決定的なコスト削減、その企業が本来より持っている強み、商品企画強化、グループ会社だからこそできる連係プレイが全事業を黒字におさめた鍵だと話した。

 そして、さらなる成長に向けても瀬戸氏は意欲を覗かせた。

「時代とともにニーズは変わります。RIZAPのスタートはダイエットを目的とした豆乳クッキーです。自分たちで価値を創造し、お客様や社会に認めてもらう。これが第一のポリシーです」

 今後はリピート顧客育成、満足度の向上、シニア向け事業、コラボレーション商品の強化をしていくとの説明もあった。

●東証一部への意欲もみせる

 その後、質疑応答の時間になり、計6人の株主が質問した。

「実在する人物を広告塔として起用するのはスキャンダルなどといったリスクを伴うので、ゆるキャラ的なものをつくってみてはどうか」

「英会話教室などもやっているのだから、教育事業に力を入れてみてはどうか」

 このような、新しい試みを提案する株主が目立ち、瀬戸氏も前向きな返答をしていた。

 一方、「アメリカ進出は失敗に終わったのか」という鋭い質問に対しては、こう回答した。

「マネジメントの管理が至らなかったのは事実ですが、これは意志を持った撤退です。現に、香港や台湾、シンガポールでは、接客サービスの見直しによって足元がよくなっているのも確かですので、海外進出をあきらめたわけではありません」

 さらに、こんな質問もあった。

「市場指定替えはいつになるのか」

 2016年には瀬戸氏の妻を役員から外すなど、東証一部へ指定替えのための審査に向けた動きも見られるが、なかなか進展しない現段階に痺れを切らした株主からの指摘だ。

「はっきりとは言えません。我々も着実に進捗していますが、2〜3年先の夢物語を話すわけにはいきません。楽しみにお待ちいただければと思っております」

 瀬戸氏は、このように東証一部への指定替えに対して含みを持たせた。

 株主に対する配当金額が当初予定よりも1株あたり12.10円増えたこともあってか、終始和やかなムードで株主総会は終了した。

 最後に、RIZAPが開催しているボディメイクコンテストの映像が流れると、涙を見せる瀬戸氏の姿もあった。

第1号議案 剰余金の処分の件
第2号議案 定款一部変更の件
第3号議案 取締役(監査等委員である取締役を除く)9名選任の件

 これらの賛成多数で可決されると、少々時間は押したものの正午に株主総会は閉会した。
(文=増田理穂子/A4studio)

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