巨大倒産・タカタ、取引先が「債権の全額弁済」要求か…緻密な車生産網に予測不能な影響

巨大倒産・タカタ、取引先が「債権の全額弁済」要求か…緻密な車生産網に予測不能な影響

記者会見で辞任を表明したタカタの高田重久代表取締役会長兼社長(写真:ロイター/アフロ)

 6月26日、タカタが東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請した。東京証券取引所1部市場上場の大手自動車部品メーカーであるタカタは、2009年に発覚した欠陥エアバッグの大規模リコール問題で揺れており、経営危機が叫ばれていた。

 今回、民事再生法の適用申請を行ったのはタカタ、タカタ九州、タカタサービス、海外子会社12社。東京商工リサーチによると、負債総額は15社合計で3807億円(3月31日時点、1ドル111円換算)だが、各自動車メーカーが負担したリコール費用が総額1兆3000億円とみられており、それを負債に含めると約1兆7000億円が見込まれるという。

 製造業の倒産としては、2016年11月のパナソニックプラズマディスプレイ(負債総額約5000億円)が最大だったが、タカタは3倍以上の差をつけて、製造業では戦後最大の倒産となった。

 全産業で見ると、過去最大は00年10月の協栄生命保険(同4兆5296億9300万円)。タカタは01年9月に倒産したマイカル(同1兆6000億円)を抜いて、歴代5位に躍り出ることになる。負債額が1兆円を超えたのは、タカタで9社目だ。

 また、上場企業の倒産は、15年9月に東京地裁に民事再生法の適用を申請した第一中央汽船以来、1年9カ月ぶりとなる。

 タカタの17年3月期の連結最終損益は795億8800万円の赤字で、3期連続の最終赤字を記録していた。また、決算には監査法人から事業継続のリスクを示す「継続企業の前提に関する注記(ゴーイングコンサーン注記)」が付けられていた。これは、業績や財務の悪化で事業の先行きに不透明性が高まったと判断された際に付記され、投資家に注意を促す意味合いを持つものだ。

 タカタの倒産で注目されるのが、取引先との関係である。自動車業界は緻密なサプライチェーンが構築されており、部品などの安定供給を図るために関係各社は取引に関して独自に判断しづらい構造といわれている。

 同じく東京商工リサーチの『2017年2月27日発表「タカタグループの国内仕入先」アンケート調査』(タカタグループが発注する51社が対象)では、「万が一、タカタが法的整理による再建となった場合、望むことは何ですか?」という問いに、28社(54.9%)が「売掛金等の債権の全額弁済」と答えており、債権の全額保護がかなうかどうかも注目されるところだ。

 前身企業も含めると、タカタの創業は1933年。80年を超える老舗企業は、今後は中国系の米キー・セイフティー・システムズ(KSS)の支援を受けて再生を図ることになる。また、東証はタカタを整理銘柄に指定し、7月27日に上場廃止となることが決まった。

 タカタ倒産の余波は、まだ続きそうだ。
(文=編集部)

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