小池都知事、都民ファ新人議員のマスコミ対応禁止…都議会の死で「小池独裁」鮮明

小池百合子都知事が都民ファーストの会の新人議員のマスコミ対応を4人を除き禁止

記事まとめ

  • 都民ファーストの会の大躍進は橋下徹市長時の大阪維新の会に酷似しているという
  • しかし、ブームに乗ったチルドレン議員は、その後に有権者からひんしゅくを買った
  • 小池百合子都知事は都民ファの新人議員のマスコミ対応を4人を除き禁止した

小池都知事、都民ファ新人議員のマスコミ対応禁止…都議会の死で「小池独裁」鮮明

小池都知事、都民ファ新人議員のマスコミ対応禁止…都議会の死で「小池独裁」鮮明

2017年東京都議会選挙 「都民ファースト」が圧勝(つのだよしお/アフロ)

 7月2日に投開票された東京都議会議員選挙は、小池百合子都知事が代表(当時)を務める都民ファーストの会(以下、都民ファ)が圧勝した。都民ファは追加公認を含めると55人が当選している。

 都民ファの大躍進は、2005(平成17)年の郵政選挙、09(平成21)年に民主党(当時)へ政権交代した選挙、橋下徹大阪市長(当時)が率いる大阪維新の会の快進撃などによって大量に新米議員を生み出した現象と酷似している。これらのブームに乗って当選したチルドレン議員たちは、その後に政治家らしからぬ振る舞いで有権者から顰蹙を買い、信頼を失墜させた。

 同じ轍を踏まないために、選挙後に実施された研修会では代表を退任して特別顧問に就任したばかりの小池氏が議員としての心構えを説いた。また、都民ファの新人議員のうち、マスコミ対応を許されたのは4人に限定された。

 本来、政治家は自分の理念や政策を言葉にして、有権者に説明することが求められる。都民ファの新人議員たちがマスコミ対応を限定されたことは、政治家としての資質を否定されたことに等しい。

 本来は二元代表制として都議会は都知事の政策や編成した予算をチェックする役割が付されているが、都民ファの新人議員にそれを期待することも難しい。つまり二元代表制は形骸化し、都議会は都知事を追認するだけの機関になった。

 だが、都民ファの新人議員は自身の実力で当選したわけではないことは認識しているだけに、小池氏の指示に逆らうことはできない。

●素人集団

 もっとも、人気絶頂の小池氏も決して都政や都制度に明るいわけではない。

「国会議員経験が豊富な小池氏も、就任前は地方の政治制度をご存じなかった。素人というほどではないにしても、都政を十分に理解できていないと思えるフシがあちこちで感じられた」(都庁ベテラン職員)

 一例を挙げれば、小池氏は都知事選出馬会見で「私が当選したら都議会を解散させる」ことを公約のひとつとして掲げた。しかし、都知事に議会の解散権はない。この発言は、国政の実質的トップである内閣総理大臣が議会の解散権を有していることから、都知事と都議会の役割を誤認していた可能性が高い。

 小池氏ですら東京都制度や東京都政を理解できていないのだから、小池ブームで当選したチルドレンたちはいうに及ばない。そんな素人集団に、東京の舵取りを任せても大丈夫なのだろうか。

 東京都は人口1000万人を超える巨大都市。職員数も予算も膨大で、国政への発言力も影響力も、ほかの46道府県とは比較にならない。一地方自治体とはいえ、47都道府県のなかでも東京都の存在感は突出している。都政が停滞すれば、日本全体も混迷してしまう。それだけに東京都知事が果たす役割は重要である。

●東京都職員の自負

 ところが、都庁職員はそんな心配を一笑する。その理由は都職員が優秀だからだ。東京都の予算規模は約13兆円。これはスウェーデンの国家予算と肩を並べるレベルで、いわば東京都は国家と同格。当然ながら、そこで働く都庁職員も中央省庁の官僚たちと同列という意識が強い。

 そうした強い意識は東京都の副知事人事にも表れている。47都道府県の副知事は、条例で上限定数が決められている。東京都と愛知県は4人、神奈川県・京都府・大阪府は3人といった具合だ。46道府県の副知事は生え抜き職員を1人、中央省庁からの出向職員を1人起用することが慣例になっている。

 ところが、東京都だけは事情が異なる。東京都は中央省庁の出向職員を副知事に起用していない。そこに「東京都は中央省庁の天下りポストではない」という強い意識が見え隠れする。中央省庁の官僚たちと伍するほどの事務能力を有する優秀な都庁官僚が跋扈する都庁では、「どんな無能な都知事であっても都政は十分に機能させられる」との自負もある。それゆえに、「逆に、都知事は素人のほうがコントロールしやすい」という本音も聞かれる。

 一方、都民ファの新人議員の隙を虎視眈々と狙っているのが週刊誌だ。選挙中にもスキャンダル報道が飛び出したが、選挙直後も「週刊新潮」(新潮社)は、都民ファの新人議員を“ポンコツ議員”と形容し、早くも攻撃を開始した。現在、週刊誌報道はジャブ程度だが、火を噴くのは時間の問題といえるだろう。

 都民ファの新人議員は、本当に“東京大改革”を成し遂げられるのか。それとも馬脚を現して“ポンコツ議員”化してしまうのか。東京都政の今後は、そのあたりが焦点になりそうだ。
(文=小川裕夫/フリーランスライター)

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