マツコ番組の資料紛失やフジの事実誤認、テレビ局で深刻な事態進行→あり得ない事故多発

マツコ番組の資料紛失やフジの事実誤認、テレビ局で深刻な事態進行→あり得ない事故多発

「Thinkstock」より

 テレビ局の信頼を失墜させるような事態が続発している。しかも、2つもだ。「情報誤認」と「資料紛失」である。

 情報誤認でいえば、5月28日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)で、スタジオジブリの宮崎駿監督が言ったとされる、自身の引退をめぐる発言が紹介されたが、それはインターネットユーザーの創作であった。

 また、それ以前に4月5日の『世界の何だコレ!?ミステリー』(同)では、「月の裏側が地球から見られない理由」として「月は自転をしないため」と解説していたが、正しい説明は「公転と自転の周期が一致しているため」というものであることが指摘された。

 こうした例は、ほかにも挙げられる。記憶に新しいのは、以下の2例だ。

・4月21日 『映っちゃった映像GP』(同)
鳥取城が羽柴(豊臣)秀吉に攻められ、籠城した領民らが餓死 。「その幽霊が出没する心霊スポットである」と城跡を紹介したが、鳥取県は「鳥取城に餓死者が埋められているなどとした番組内容は誤り」と抗議。フジテレビは謝罪した。

・6月6日『ノンストップ!』(同)
赤城乳業が発売する人気のアイス「ガリガリ君」を特集。季節限定味の「スイカ」「九州みかん」に続き「火星ヤシ」がパッケージ画像付きで紹介されたが、実在しない商品であることが判明、翌日の番組内で謝罪した。

 これらに加えて、最近では「資料紛失」が明らかとなった。2016年10月に『マツコの知らない世界』(TBS系)に出演した号外研究家の小林宗之さんが、7月7日に「番組へ貸出した資料の内8点を紛失されるという事件が発生しました。現在に至るまで、資料は発見されておりません」「情報求む!」とツイッターで呼びかけたことが波紋を呼んだ。

 番組スタッフが紛失したとされる資料は明治時代の「号外」などで、一説によると億単位のプレミアがつくものともいわれる。

●テレビ局の不祥事、裏に深刻なAD不足

 これら2種類の不祥事から見えてくるものは、なんなのか。また、なぜこのようなことか起きるのか。テレビ局関係者の証言から、明らかにしていきたい。まずは、「情報誤認」から。

「通常、テレビ番組の収録は『台本』をもとに進められます。その台本づくりにおいて、もっとも重要な作業がリサーチです。しかし、今はそのリサーチがおざなりになっているのです」(テレビ局関係者)

 番組の根幹にもかかわるリサーチ作業がおざなりになっているのは、なぜか。

「メディア全般にいわれていることですが、慢性的な人手不足が原因です。リサーチを任されているのは、主にアシスタントディレクター。いわゆるADの仕事です。専属のリサーチャーを抱えている番組もありますが、予算不足や人件費削減の流れのなかで、結局はADがやらざるを得ないのが実情です。

 しかし今、テレビ業界は深刻なAD不足のため、たとえ未経験でもすぐに仕事を任されます。そこで、情報の精査が甘くなってしまうのです。上司にあたるディレクターがADを兼務している番組もありますが、その場合も激務がたたって同様に情報の精査が甘くなります」(同)

 また、番組のチェック体制にも構造的な問題があるようだ。

「基本的に、情報VTRはそれぞれのチームごとに担当しています。そのため、会議に上げた情報が間違っているかどうかについて、ほかのチームはわからない。結果的に、間違った情報がそのまま世に出てしまうことにつながるのです」(同)

●起きるべくして起きた「資料紛失」

「情報誤認」とともにテレビ局の信頼を失墜させているのが、「資料紛失」だ。これには、どんな問題が巣食っているのだろうか。

「これにも、やはり人手不足がからんでいます。たとえば、今回の『マツコの知らない世界』でいえば、撮影や収録に使う資料を出演者から借りるというのは、もっぱらADの役目です。

 しかし、彼らはほかにもロケや収録の準備や雑用に追われています。そんななかで、出演者の資料が紛れ込んだり保管場所を失念してしまったりする危険性は、おおいにあります。つまり、資料を管理する別のスタッフがいないという内情が、今回のような問題を引き起こしているのです」(同)

 借りるのもADなら、返却もADに任されている。なかには、資料をどこかに置き忘れたり紛失してしまったり……というミスを一度は犯してしまった者もいるだろう。これまでは、それが幸いにも見つかったり、当事者が声を上げていなかったりしただけなのかもしれない。

 このように、起きるべくして起きているともいえる「誤認」と「紛失」。次は、どの番組で発覚するのだろうか。
(文=編集部)

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