『過保護のカホコ』、高畑充希の「キレ芸」にネット騒然…深刻さ&コメディー混在の名作

『過保護のカホコ』、高畑充希の「キレ芸」にネット騒然…深刻さ&コメディー混在の名作

『過保護のカホコ』公式サイトより

 高畑充希出演のドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)の第3話が26日に放送され、平均視聴率は前回から1.2ポイントアップの12.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことがわかった。 

 このドラマは、何から何まで親の庇護を受けて育った女子大生・カホコ(高畑)が1人の青年との出会いによって変化し、自分の中に眠っていた力に目覚めていくというストーリー。カホコに影響を与える青年・麦野初役で竹内涼真、カホコを溺愛する母親・泉役で黒木瞳、泉の過保護ぶりに気づきながらも何もできない父親・正高役で時任三郎らが出演している。

 第3話でカホコは初と会うことを泉から禁止されてしまうが、両親にも打ち明けられない話を聞いてくれた彼への思いを募らせていた。叔母の環(中島ひろ子)からそれは恋だと指摘され、自分の気持ちに気づくカホコ。花嫁修業と偽って初に作ってあげるための弁当作りを泉に習ったり、初に気に入ってもらうための服を買い求めたりしていた。そんなある日、いとこのイト(久保田紗友)の退院を祝うために親戚一同が集まった。ピザを届けに来た配達員が初であることに気づいたイトの母で、カホコの叔母・節(西尾まり)は、カホコと初がイトの見舞いに来てくれたことを泉の前で話してしまう。カホコが自分の言いつけを守らなかったことを知った泉は失望をあらわにし、あらためて初とつき合うのをやめるように言い含めた――という展開だった。

 今回は、黒木演じる泉の過保護ぶりが非常に目立った回となった。初はチャラそうに見えるキャラクターなので、「世間知らずの娘をもてあそんでいる」と誤解すること自体はわからなくもない。だから、「初とつき合うのはやめなさい」との言い分はまだ理解できた。

 だが、泉が異常さを発揮したのはその後。「カホコが好きな人なら誰でもOKよ」と理解がある母親のような発言をしつつ、直後に「長男と一人っ子はNG」「社長もNG」「下品な人はNG」「遠くに住んでいる人は絶対NG」などなど、数多くの条件をつけてきた。どこが「誰でもOK」なのかと言いたくなるが、本人は娘の幸せを願っているだけで、縛っている感覚などまったくないのだろう。多少オーバーではあるが、親なら誰しも、良かれと思って子どもの行動を多少なりとも誘導することはあるだろう。

 むしろ、子育てを放棄する親を別にすれば、子どもを誘導したことのない親などこの世にいるものだろうか。そう考えると、異常に見える泉の言動も非常に身に覚えのあるものになってくる。実際、ネット上に書き込まれたドラマに関する感想にも、親と子の両方の立場から「カホコの家庭が自分とそっくり」とする声が少なくない。

 泉の過保護もしくは過干渉がリアルなだけにイライラも募ったが、カホコもやられっぱなしでは終わらなかった。「カホコのしゃべってるの最後まで聞いてくれないのやめてくれないかな」「ママが何言おうとカホコは麦野君に会うから」と反撃。なおも言うことを聞かせようとする泉にとうとうブチ切れ、「黙れ黙れ黙れ!うるさいうるさいうるさい!」と言い放った。やられてやられて最後の最後に反撃するという『半沢直樹』ばりの脚本に視聴者も大盛り上がり。「カホコの爆ギレがすっきりする」「カホコよく言った。いけカホコ」「ママに腹立ったけど、カホコの言葉ですっきりして拍手が止まらない」などの感想がTwitterにあふれた。

 高畑の演技をたたえる人も多く、「高畑充希のお芝居好きだ」「あの役がすっかり板について、一生懸命だけどどこか抜けてる純粋箱入り娘の過保護ムスメにしか見えなくなるから高畑充希さすがだ」「高畑充希が評価されてるのはこういうことなんだね」「かわいいだけで演技力無い役者以外の子がカホコだったら見るにたえないドラマになってそうなスレッスレなところいってる」などの感想が視聴者からは上がっていた。1話と2話では演技に非常に違和感があったが、今回のブチ切れシーンから逆算するとあれで良かったとも言えるだろう。視聴者みんながカホコを応援したくなるような気持ちにさせるという意味では、脚本・演出・演技のすべてがうまくはまったという感じだ。深刻なテーマ性を持つ部分とコメディーっぽさや恋愛要素をバランスよく描き出し、さらに1話の中でカタルシスまで与えてくれた3話の展開はとても素晴らしかったと評価したい。

 今後もカホコがあまり空気を読めないままに家族や親戚たちのおかしな点をズバズバ斬っていく展開になるのだろうか。今のところ問題が明るみに出ているのはイトと叔母の教子(濱田マリ)の2人だけだが、その他の人物たちも何か闇を抱えていそうな気がする。高畑が痛快に世の中のゆがみを正していく展開を見たい。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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