『過保護のカホコ』、衝撃的ネタバラシで視聴者を裏切り…後味の悪さがハンパない

『過保護のカホコ』、衝撃的ネタバラシで視聴者を裏切り…後味の悪さがハンパない

『過保護のカホコ』公式サイトより

 高畑充希出演の連続テレビドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)の第4話が2日に放送され、平均視聴率は前回から0.9ポイント減の11.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことがわかった。このドラマは、何から何まで親の庇護を受けて育った女子大生・カホコ(高畑)が1人の青年との出会いによって変化し、自分の中に眠っていた力に目覚めていくというストーリー。カホコに影響を与える青年・麦野初役で竹内涼真、カホコを溺愛する母親・泉役で黒木瞳、泉の過保護ぶりに気づきながらも正すことができない父親・正高役で時任三郎らが出演している。 

 第3話でカホコは生まれて初めて泉に反抗したため、2人は冷戦状態となってしまう。それでも初のことが気になって仕方がないカホコは、あらためて彼に自分の気持ちを告白するが、「お前みたいなガキっていうか過保護、あんまりタイプじゃないんだ」とあっさりフラれてしまう。正高はカホコを元気づけようとして泉の実家に連れて行くが、集まった親戚たちもそれぞれに事情を抱えていて空気は沈みがち。

 そんな中、カホコはお酒を飲んだ勢いで初のもとに向かい、初の描いたデッサンを絶賛する一方で油絵は「全然ダメ」と次々に破壊していく。酔いからさめたカホコはもう初に合わす顔がないと嘆くが、初はそんなカホコを呼び出し、これからも自分の絵を見て良し悪しを判断してほしいと告げた。それを聞き、カホコは家族以外にも自分を必要としてくれる人がいることの素晴らしさを初めて実感した――という展開だった。

 初と恋愛関係になることはかなわなかったものの、一人の人間として初に必要されていることがわかったという筋立てはなかなか良かったし、「また一歩カホコが成長し、自立の道を着実に進んでいる」と感じることもできた。それだけに、その直後にカホコと泉が何事もなかったかのように仲良くソファーに座り、小学校の入学式のビデオを見ていたというオチはいただけなかった。なんだかこれでは結局カホコが泉にべったりの状態に戻ってしまったようで非常に後味が悪い。

 正高を最後の頼みの綱としているように見えたカホコが実はそうでもなく、物を買って欲しい時におねだりしていただけだったというネタバラシも衝撃的だ。カホコを「過保護に育てられたせいで世間知らずで少しズレているが、根は純粋ないい子」というキャラクターだと思って見てきた視聴者にとっては、裏切られたような気分ではないだろうか。普段は言いたいことも言えずに我慢ばかりしている正高が不満をぶちまけた姿を、すまなそうな顔ひとつ浮かべるわけでもなく、珍獣でも見るかのような表情で見つめていたカホコと泉にはゾッとさせられた。

 あえて視聴者の予想を裏切ってくるのがヒットメーカー・遊川和彦脚本だとも思うが、正直言って今回のラストについては、視聴者に悪い意味でインパクトを与えるためだけに作り出されたような、取って付けたような感じが否めない。ただ、公式サイトに掲載された次回のあらすじによると、正高の「反乱」は案外続くようだし、家庭内に加えて親戚の間でも問題が続出するようだ。そうなると、おそらく次回以降は「カホコの成長ストーリー」と、家庭内や親戚たちを対象とした「カホコの世直しストーリー」が同時進行的に描かれるのだろう。

 一つ気になるのは、親戚たちの抱える複数の問題については今回もその片鱗が描かれたが、そのために少し話が散らかったように感じられたこと。「1話の中でひとつ問題が発生して、ひとつ解決する」という分かりやすい形を取らないことが、吉と出るのか凶と出るのか。次回の展開にも注目したいところだ。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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