清宮幸太郎、プロでは「使えない」可能性…指摘されない「重大な欠点」

清宮幸太郎の守備・走塁の拙さを愛甲猛氏が述べ、プロで使えるポジションがないと指摘

記事まとめ

  • 清宮幸太郎は守備・走塁が拙く、ファーストしか守れないことも問題と愛甲猛氏は述べる
  • また、清宮幸太郎の打撃も清原和博氏や松井秀喜氏と同じレベルにはないという
  • 大学進学の場合は、原辰徳氏の成功例と斎藤佑樹の失敗例があると愛甲猛氏は語った

清宮幸太郎、プロでは「使えない」可能性…指摘されない「重大な欠点」

清宮幸太郎、プロでは「使えない」可能性…指摘されない「重大な欠点」

U18W杯での清宮幸太郎選手(写真:日刊スポーツ/アフロ)

 18歳以下の野球ワールドカップ(U18W杯)1次ラウンドの南アフリカ戦で、待望の木製バット第1号を放ち、スーパーラウンドのカナダ戦で放った第2号で高校通算本塁打数を111本に更新した、早稲田実業学校高等部の清宮幸太郎。決勝進出こそ逃したが、U18W杯では32打数7安打2本塁打と木製バットへの対応もこなした。

 さて、この後の注目は清宮の進路だ。カナダのラジオ局リポーターの「次のステップは?」との質問に対し、本人は「大学かプロか、まだ決めていない」と答えており、最終戦終了後は「(父が)早稲田と(母が)慶應なので、大学の良さを知っている」と話している。いずれにせよ、プロ志望届の提出期限である10月12日までの間に、清宮は大学進学かプロ入りかを決めることになる。

 早実からは早稲田大学へ進むのが“既定路線”だ。ここ数年、早実野球部の生徒は9割以上が早大に進学している。さらに、父親が早大ラグビー部で監督を務めた経験があるため、大学進学が濃厚ともいわれる。一方で、大学進学について「回り道では」という声も少なくない。

 清宮は高校とプロのどちらを目指すべきか。横浜高校のエースとして甲子園で優勝後にロッテ・オリオンズ(現・千葉ロッテマリーンズ)に入団、その後中日ドラゴンズに移籍して20年間プロ野球で活躍した愛甲猛氏は「難しい選択だ」と語る。

「今の彼には、克服しなければならない課題が多い。打撃と守備・走塁のギャップが大きすぎるし、肝心の打撃もアウトコースの対応がうまくない。プロ入りすれば、プロの変化球に慣れるまでに時間がかかるだろうね。

 また、現状の守備力ではプロで使えるポジションがない。ファーストしかできないから、どの球団も使い方で悩むと思う。いくら打っても、守りのミスで失点してしまえば帳消しになってしまう。

 長いシーズンを戦うプロ野球では、9つのポジションのうちひとつでも穴があるというのは大きなマイナスになる。得点力を高めて勝つのもひとつの戦略だけど、守備力を高めて失点を防ぐというのもひとつの勝ち方だからね。

 プロ入りした場合に一番怖いのは、2軍で鍛えられる期間が長引いて“2軍ズレ”してしまうこと。小学校からずっとトップでやってきているから、ハングリーさもあまり感じない。仮に『打つだけ』などと揶揄されたときに、本人が耐えていけるかどうか。ましてや、今はネットで悪口を書かれて、それをマスコミが書き立てる時代だからね」(愛甲氏)

●プロ入りなら広島カープがベスト?

 かつて、読売ジャイアンツ(巨人)に大森剛という強打者がいた。慶應義塾大学時代に東京六大学の三冠王に輝いたほどの打者だったが、素質が打撃に特化していたため2軍暮らしが長引き、才能のわりにチャンスを拾えなかった。守備に難のある清宮には、こうした前例の二の舞いになる可能性もあるという。

 逆に、愛甲氏はプロ入り後に投手から打者に転向するが、肩が強かったため早い時期に外野の控えとしてベンチに入ることができた。そこで得たチャンスを生かして外野のレギュラーとなった後、ファーストで押しも押されもせぬスター選手となったが、「打者転向後、打撃以上に守備練習をやらされた」(同)からこそ、“チームの顔”になることができたのだ。

「俺は打撃よりも守れたからこそ、2軍に落とされずに済んだ。そう考えると、清宮はすごく難しい選手だね」(同)

 プロの世界では「外野も守れるし、代走としても使える」などの“プラスアルファ”が必要となるが、今の清宮にはそれがない。プロのスカウトらから、この点を指摘する声がないのは「スカウトの仕事は目玉選手の獲得であり、下手なことを言って選手や関係者ににらまれても困るから、表向きの評価しかしない。俺がスカウトでも余計なことは言わない」(同)からである。

「どのチームも、経営陣はほしがるだろうけど現場は困るよ。『守りがダメで使えない』となりかねないからね。ましてや、今の野球は打って守って走れる選手が脚光を浴びる時代。清宮は打撃こそAランクだけど、守備・走塁はCランクだね。

 仮にプロ入りを表明しても、清宮を指名する球団は思いのほか少ないと思う。もちろん、打撃はプロで通用する。バットのハンドリングやボールをバットに乗せる技術は一流だよ。だけど、少なくともまだ清原(和博)や松井(秀喜)と同じレベルにはない。この2人も、早実ぐらい練習試合が多ければ高校時代は清宮以上にホームランを打っていたと思うよ」(同)

 では、仮にプロ入りを表明した場合は、どの球団がベストなのだろうか。

「いい左バッターがいるチームだね。『いい左バッターがいる=左バッターの育て方がうまい』わけで、その点では広島カープがいい。基礎からみっちり鍛えてくれるのはソフトバンク。チャンスが多いチームはヤクルトとロッテだけど、ロッテは左バッターを育てるのが下手なんだよね」(同)

●対照的だった原辰徳と斎藤佑樹のケース

 清宮と似た境遇で大学進学を選んだ“高校球界のスーパースター”が2人いる。原辰徳(東海大学付属相模高校→東海大学)と斎藤佑樹(早実→早大)だ。

 父親である原貢氏の東海大監督就任とともに東海大に進学した原に対しては「もったいない」という声も多かった。しかし、父親の意に沿って東海大から巨人に入団し、結果的には大成功している。

 一方、清宮の先輩でもある斎藤は早大から北海道日本ハムファイターズに入団したものの、プロの世界で苦しんでいる。原は成功例、斎藤は失敗例といえるが、仮に大学進学の場合、清宮は何を意識して野球をやるべきだろうか。

「大学4年間で、ファースト以外のポジションも守れるようになるべき。外野かサードを守れるように練習して、もう少し体を絞ること。プロを意識して4年間を過ごすのであれば、大学進学も決して遠回りではない」(同)

 大学かプロか、清宮はどのような決断を下すのだろうか。
(文=小川隆行/フリー編集者)

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