『正義のセ』お仕事ドラマなのに「時間外労働&私生活犠牲を美化」は問題ではないか?

吉高由里子主演・日本テレビ『正義のセ』に指摘 朝加真由美、安田顕、高松咲希ら出演

記事まとめ

  • 吉高由里子主演・日本テレビ『正義のセ』に、『時間外労働&私生活犠牲を美化』との声
  • 残業も『ブラック』とみなして改善が叫ばれる中で、ドラマでは時間外労働が常習化
  • 『正義のセ』には朝加真由美、近藤公園、安田顕、高松咲希、佐藤令旺が出演している

『正義のセ』お仕事ドラマなのに「時間外労働&私生活犠牲を美化」は問題ではないか?

『正義のセ』お仕事ドラマなのに「時間外労働&私生活犠牲を美化」は問題ではないか?

『正義のセ』オフィシャルサイトより

 吉高由里子主演の連続テレビドラマ『正義のセ』(日本テレビ系)が5月23日に第7話を迎え、平均視聴率9.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。前週第6話の10.5%から1.5ポイント落とし、自己最低をマークしてしまった。

 本作は主人公の新人検事・竹村凜々子(吉高)が、真っ直ぐすぎる性格ゆえさまざまな壁にぶつかりながらも、納得いくまで事件と向き合う姿を描いている。第7話は保育園児・小峰宏尚(佐藤令旺)が遊具から落下してケガをした件をめぐり、保育園の園長・瀬川弥生(朝加真由美)が「不慮の事故」を主張するのに対し、宏尚の父親・雄一(近藤公園)は納得できずにいた。

 宏尚のケガが事故によるものなのか、それとも保育園側に過失があったのか――。凜々子は調査を進めるなかで、重大な事実を見つけるのだった。

今回は凜々子の担当検察事務官・相原勉(安田顕)が、離婚した元妻と暮らす娘・美菜(高松咲希)に、誕生日プレゼントを渡すために再会するというシーンもあり、インターネット上には「子ども絡みの話は泣けてしまう」「宏尚くんも美菜ちゃんも可愛すぎる!」「親の立場にある視聴者にとって、今回はとても切なくて感動的なストーリーだった。ありがとう」といったコメントが続出。視聴率は伴わなかったものの、この第7話を「神回」と認定するネットユーザーも少なくない。

 たしかに結末は感動的で、私も最後は温かな気持ちになれたが、その前に相原が美菜と会う約束を一旦キャンセルして職場に戻った場面については、すんなりとは受け入れ難かった。そういえば凜々子も第3話で彼氏からプロポーズを受けている最中に“仕事モード”を発動し、事件は無事に解決するも、自分は破局してしまっていた。今回の相原も保育園の問題を暴くことに一役買ったが、そのせいで危うく自分の娘と会えなくなる可能性もあった。

 凜々子や相原が仕事に一生懸命なのは素晴らしいが、プライベートを犠牲にしている姿をドラマが美化するのは、世の中にとって悪影響ではないだろうか。そもそも現代社会は残業も「ブラック」とみなして改善が叫ばれているというのに、凜々子たちは時間外労働が常習化している。

もちろん、そういうシーンがあるのは本作に限らないが、結局「自己を犠牲にして社会のために働くこと=美徳」として描かれた作品が今も当たり前のごとくはびこっているようでは、世の中は変わらないだろう。しかも、こういうドラマを“お仕事ドラマ”と呼ぶのなら、なおさらである。
(文=美神サチコ/コラムニスト)

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