幸楽苑も…経営危機「予備軍」8社リスト:継続企業の前提に関する重要事象を記載

幸楽苑も…経営危機「予備軍」8社リスト:継続企業の前提に関する重要事象を記載

「中華そば」290円時代の幸楽苑の店舗(「Wikipedia」より)

 SMBC日興証券の調査によると、東証1部上場企業の2018年3月期の決算は、売上高、営業利益、純利益いずれも過去最高を更新した。堅調な世界経済や昨年末までの円安・ドル高の恩恵を受け自動車、電機などが牽引した。

 18年3月期の全上場企業の決算短信で「継続企業の前提に関する注記」(ゴーイングコンサーン=GC)を記載した企業は、初めてゼロになった。一方、GCに至らないまでも「継続企業の前提に関する重要事象」(重要事象)を初めて記載した上場企業は8社あった。調査会社の東京商工リサーチがまとめた。

 GCは監査人が監査先の企業が存続するかどうかについて意見表明するリスク開示制度だ。監査人の求めに応じ、破綻リスクとその対応策を決算書に明示しなければならず、赤信号が灯っている「危ない会社」を意味する。再建問題に揺れていた東芝や、倒産したタカタにGCが付いたことがある。17年3月期は22社にGCが付いたが、18年3月期は初めてのゼロになった。業績が急回復したことを表している。

 重要事象は、企業次第でリスクを回避できる可能性が残っている状態にある時に出される。赤信号が点滅する寸前の黄信号である。かつてシャープは重要事象記載の常連だった。

 18年3月期に新たに重要事象を記載した企業は以下の8社で、17年3月期と同数。金融機関との借り入れ契約などに盛り込む財務制限条項に抵触する例が目立った。

【「継続企業の前提に関する重要事象」を新たに記載した会社と最終損益】
・サノヤスホールディングス −42億円
・新日本科学 −35億円
・幸楽苑ホールディングス −32億円
・オンコセラピー・サイエンス −28億円
・エスエルディー −5億円
・アルメディオ −3億円
・第一商品 −0.4億円
・アークン 0.1億円
(2018年3月決算短信、東京商工リサーチ調べ)

●「継続事業の前提に関する重要事象」を記載された8社

 旧住友系の中堅造船サノヤスホールディングスは、海運業界の船腹過剰が響き赤字幅が拡大した。純資産の維持に関する財務制限条項に抵触した。造船以外の機械、レジャー事業を統括する子会社をつくり収益の回復を図る。

 前臨床試験受託の新日本科学は、2期連続の最終赤字。シンジケートローン(協調融資)契約の純資産及び経常利益に関する財務条項に抵触した。

 低価格ラーメンチェーン「幸楽苑」を手掛ける幸楽苑ホールディングス(HD)は、不採算店舗の減損損失がかさみ赤字に転落した。前期は1.5億円の黒字だった。幸楽苑HDは、全店舗の約2割にあたる100店ほどが赤字状態で、18年3月期にそのうち52店を一気に閉店した。金融機関と結ぶシンジケートローンとコミットメントライン(融資枠)契約に関わる財務制限条項に抵触した。今後は、人気ステーキチェーン「いきなり!ステーキ」のFC展開などの多角化で再建を図る。

 がん治療ワクチン創薬のオンコセラピー・サイエンスは、薬の発売に先行して研究開発費がかさむため、継続的に営業キャッシュフローがマイナスとなっていることによる。

 ダイニングカフェのエスエルディーも、営業キャッシュフローのマイナスが原因だ。17年に複数業態の居酒屋を展開するDDホールディングス(旧ダイヤモンドダイニング)の傘下に入り、営業の黒字化を目指す。日本橋高島屋に3月に開業したポケモンカフェの企画ならびに運営を受託した。また、チーズ料理専門の新業態を開発。

 CDなどの規格テストのアルメディオは、2期連続の営業損失。自動販売機飲料事業で、当局からの認可の取得が遅れており、開始は18年度以降になる。

 商品先物取引の第一商品は、3期連続の営業損失。基幹店の大阪支店をリニューアルし、多目的ラウンジを閉設した。勉強会、セミナー開催のほか顧客の交流の場として活用する予定で、うまくいけば他店もリニューアルする。

 情報セキュリティサービス開発・販売のアークンは、2期連続の営業損失となっている。蛭間久季前社長が臨時株主総会の招集を請求し、取締役6人の追加選任を求めている。業績低迷にお家騒動が追い討ちをかける格好となっている。
(文=編集部)

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