一日1杯分の無駄なコーヒー代削れば、まったく無理せず貯金1千万円たまる

一日1杯分の無駄なコーヒー代削れば、まったく無理せず貯金1千万円たまる

「Gettyimages」より

●お金を貯めるのは4つの要素しかない

 エクセルには財務関数がいくつかあって、簡単にシミュレーションを自分で行うことができますが、覚えておくと便利な関数のひとつが「FV関数」です。これは、「初期元本」「毎月の積立額(もしくは返済額)」「年利」「年数」を設定すると、最終的な金額が明らかになるものです。わかりやすい使い方としては、

「最初に○円あって、毎月○円積み立てて、年○%の利回りがあって、○年がんばったら、最終的にいくらになるのか」

を計算することができます。これを言い換えると、基本的にお金を貯めて増やすにはこの4要素しかない、ということでもあります。

 どんなたくさんの残高を期待したとしても、貯金や投資でお金を増やしたいなら「最初の種銭(初期元本)」を多くするか、「毎月の積立金額」を多くするか、「積み立てを長い期間」するか「運用利回りを高く」するか、しかないわけです。

 これは冷徹な事実です。たとえば、投資で「億り人」になりたがる人は、「種銭100万円程度」で「尋常ではない高利回り」を目指すことだけでお金を増やそうとしていることがわかります。これが失敗のもとで、ほとんどの人の種銭は溶けて消えて行ってしまいます。

●「ラテ・マネー」が資産1000万円の礎になる

 資産形成上、普通の人がもっと重視するべきは「毎月の積み立て」を設定することです。それも毎月10万円の積み立ては必要ありません(現実的には年120万円を積み立てていくことは普通の会社員には困難でしょう)。

 アメリカの著名なファイナンシャルプランナー(FP)、デヴィッド・バックは資産形成のコツは「ラテ・マネー」を見つけることだと指摘しました。

 とあるコーヒーチェーンのカフェラテ(トールサイズ)は370円(税込)です。毎日同額くらいのムダづかいを削って貯金することができれば、人生を通じて572万円くらいの元本になります(22歳から65歳まで43年分と仮定)。毎月1万1100円(370円×30日)の積み立ても長い目で見るとけっこう大きな金額です。この間、年3%で運用したと仮定すれば1166万円、年5%で運用したとすれば2010万円が最終的な受取額です。

 年100%(つまり1年で2倍にする)のような無茶な利回りでなくても、私たちは財産をつくることができます。そのために必要なのは、「毎日の数百円(月1万2000円程度)の拠出」です。それがあれば、資産1000万円の道は不可能ではないのです。

 これは数学的には複利効果によって生じます。また長期的に続けるほどに利息のウエイトが重くなってきますので、条件は有利になります。スタート時点で種銭を100万円用意することも大事なのですが、普通の人にとってお金を増やす重要なコツは「毎月少しずつ出す」ことなのです。

 ちなみに億り人のモデルは、100万円の元手を25倍のレバレッジにし、12カ月、毎月13%を稼げば(ただし失敗は一度もしない)達成可能です。

●机の上の冷めた飲み残しは「お金を捨てている」のと同じ

 さて、こういう話をすると「じゃあ、もうスタバやタリーズでカフェラテ飲んじゃいけないんですね」と早合点する人が多いのですが、ラテ・マネーの本質はそういうことではありません。「価値のない出費」「無感動出費」をしっかり削ろうということです。

 毎日午後3時になるとコーヒーを買って帰ってきて、デスクのうえに置いてあるのですが、5時半になる頃には冷めて半分以上残っている人がいます。だとしたら、その「半分」がまさにムダです。そもそもそのコーヒーは買わなくても仕事の能率に変化はないでしょう。

 仕事の帰り道に夕刊紙を買ったものの、小脇に挟んでFacebookの「いいね!」押しに夢中になって家に帰る人もいます。どうせSNSかゲームをしているなら、その夕刊はムダです。毎月何千円も払っているのに、海外ドラマも映画も見ない放送契約があるなら、その契約もあなたにとってはムダでしょう。

 こういう「コスパの悪い支出」をラテ・マネーと考えてみてください。そしてそういう出費はたくさん潜んでいるものです。

 逆に、仕事の生産性を高める一杯のコーヒー、仕事帰りの楽しみの読書代、毎日楽しんでいる「動画見放題」契約などは、まったくムダではありません。それどころか、リフレッシュや人生の張り合いになっているわけですから、削る必要はないのです。

●あなたの「ラテ・マネー」を探してみよう

 それでは、あなたにとって「ラテ・マネー」となっているムダなお金の使い方を探してみましょう。ここから1週間くらい、お金を払う瞬間に「これは生きている出費か、ムダか?」と自問自答してみるんです。

 お菓子や飲み物など、コンビニやキオスクには「実は使わなくても良かった数百円」が隠れているかもしれません。人によっては「週末のまとめ買い」「週末のお出かけ出費」に、使わなくてもいい数千円があるかもしれません。貯金ができないと悩んでいる人は、「毎日の数百円」を削ることで月1万円の貯金ができるようになると考えて、がんばってみましょう。

 誰でもムダなお金を使うことはあるものです。それをゼロにすることはできません。それに、それでもいいのです。だって、ムダのまったくない人生なんてつまらないじゃないですか。

 しかし、ほんの少しずつ、一日数百円でも減らすことができれば、それは1000万円になるかもしれないのです。
(文=山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表)

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