ホテルで密会、泊まりがけの旅行にも…女性警部47歳が男性記者29歳に“情報漏洩”「彼が記事を書くのが嬉しかった」

ホテルで密会、泊まりがけの旅行にも…女性警部47歳が男性記者29歳に“情報漏洩”「彼が記事を書くのが嬉しかった」

長崎市内 ©getty

 3月5日、長崎県警の女性警部(47)が、長崎新聞の男性記者(29)に捜査情報を提供していたとして、地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで書類送検された。女性警部は、調べにこう供述している。

「提供した情報で彼が記事を書くのが嬉しかった」

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 今から50年前、沖縄返還協定に絡む日米密約をスクープした毎日新聞の西山太吉記者が、情報源に国家公務員法違反を唆(そそのか)した容疑で逮捕された。彼は外務省の女性事務官から男女関係を通じて情報を入手。起訴状には「ひそかに情を通じ……」と記された。今回長崎を舞台に起きたのは、いささかスケールは小さいが、“令和の西山事件”と呼びたくなる醜聞である。地元メディア関係者が語る。

「女性警部の不倫相手は長崎新聞の若きエース記者です。書類送検されたのは一件ですが、少なくとも十数件の情報漏洩があったとみられている。お互いに既婚者でW不倫の関係でした。女性は警察学校の教官を務めた経験もあり、ネット犯罪などを扱う生活安全部門や広報課を中心にキャリアを積んできた。警視昇任も視野に入る、女性警察官のトップランナーのような存在でした」

 細身の美人と評判だった女性警部は、夫も県警の刑事。彼女を籠絡した18歳下の男性記者について、長崎新聞関係者が明かす。

「長崎県出身で、学生時代はサッカー部で活躍したスポーツマン。母親は学校の校長なども務めた教育者で、父親は県職員です。関西の大学を卒業後、スポーツ新聞に入社。阪神タイガース担当でしたが家庭の事情で3年前に地元に戻り、長崎新聞に中途入社しました」

 記者として、県警を担当するようになり、ここ1年で特ダネを連発した。

「社内で報道部長賞なども貰っており、上からの評価も高かった。なのに昨秋から署名原稿がぱったり消えたので、どうしたのかと思っていました。彼は自信家で押しが強く、口も上手いのでモテるタイプだと思います」(同前)

■ラブホテルで密会するようになった2人

 2人が不倫関係に陥ったのは2019年の7月頃。

「きっかけは19年6月に、偽サイトを利用して個人情報を盗む詐欺事件の記事を彼が書いたことだったようです。専門知識がある彼女に助言を求め、その打ち上げと称して飲みに誘ったのです。ただ、その時は彼が泥酔してしまい、必死に口説いたものの相手にされなかったとか」(同前)

 その後も男性記者は執拗にアプローチ。年齢差もあり、当初は「ネタを取りたいだけ」と警戒していた女性警部だが、いつしか熱意にほだされ、ラブホテルで密会するようになる。

 女性警部を知る県警関係者が打ち明ける。

「彼女は両親を早くに亡くし、身寄りも少なく、複雑な家庭で育ったそうです。仕事で自立したいという思いが強く、高校卒業後に長崎県警に入り、同僚と結婚。ただ子宝に恵まれず、人知れず寂しさを抱えていたところに、うまく記者が入り込んだんです。彼は妻との関係は冷え切っていると語り、『いずれは一緒になりたい』とまで話していた」

■福岡、鹿児島、関西に泊まり掛けの旅行に

 人目を忍ぶ恋の炎は徐々に燃え上がり、夏には福岡の人気海水浴場・糸島まで2人で足を延ばすなどエスカレート。だが、昨年1月、観光地で一緒に食事をしていた2人の目撃情報が県警職員から寄せられる。

「彼女の勤務地である長崎市内とは遠く離れた県南東部の島原で会っていたので疑念を持たれたのです。後に判明したところでは、2人は互いの休暇を調整して福岡や鹿児島へ、さらには関西にまで足を延ばして泊まり掛けの旅行に行っていました」(捜査関係者)

 昨春、女性警部の夫が県内の別の市にある所轄署に異動となり単身赴任。以降は2人で過ごす時間が一層増え、男性記者が妻の不在時に自宅に女性警部を招き入れることもあった。彼女の愛情の高まりと軌を一にするかのように、情報漏洩もエスカレートした。

■LINEのアカウントを消去して証拠隠滅を図り…

「彼は、県警が記者クラブに発表する前の110番通報の受理状況の統計資料などをいち早く報じていました。昨年6月には地元の谷川弥一自民党衆院議員の陣営が運動員に違法な報酬を支払っていた公職選挙法違反を県警二課が捜査していたのですが、ものの見事に朝刊で抜いています」(前出・地元メディア関係者)

 翌7月には長崎市内の連続放火事件で、県警が犯行の疑いがある男子中学生を児童相談所に通告した経緯を速報している。

「少年事件なので、本来は発表予定のない機密性の高い情報で、県警内も騒然としました。彼女は彼に情報を渡すために、警察学校時代の教え子から情報を聞き出そうとしていたフシまであったそうです」(同前)

 彼女は昨年9月、県警の捜査対象になっていることを察知したが、関係を清算するどころか、一緒に佐賀の武雄温泉に向かった。口裏合わせをし、LINEのやり取りをアカウントごと消去して証拠隠滅を図る。以後の彼との連絡用に、わざわざ友人に頼んで他人名義の携帯を契約した。別の長崎新聞関係者が嘆く。

「その後、長崎新聞上層部も事態を把握したのですが、記者は聞き取りに対し、男女関係を全否定。あくまでも取材活動の一環で、彼女と一緒に旅行に行ったのは、『(女性警部が)予定を組んで指定してきたから』と主張。幹部も当初は彼の口車に乗せられ、徹底して彼を庇おうとした。しかし、実際には彼が予約したケースもあったのです」

 結局長崎新聞は、記者をしばらく自宅謹慎とし、報道部から外して営業に回す甘い処分で逃げ切りを図った。現在も職場にいる彼の処遇などを同社に尋ねると「記者が報道倫理、社会通念に反する行為を伴う取材を行い、報道への信頼を損ねる結果となりましたことを心よりおわびします。当該記者については社内規定に則り適切に対処します」。

 女性警部は3月5日に懲戒処分を受け、同日付で依願退職。危険な情事の代償はあまりにも大きかった。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年3月18日号)

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