「財布に100万。妻にはスナックを持たせ、女はホストと遊ばせてやる」ヤクザが明かす“女とカネ”の現実

「財布に100万。妻にはスナックを持たせ、女はホストと遊ばせてやる」ヤクザが明かす“女とカネ”の現実

シノギにもなる女性たちを、ヤクザはどのように引きつけているのか(写真はイメージ)©iStock.com

「ヤクザの女に手を出したな」コワモテ男が現れる“美人局”は本当にあるのか?〈暴力団幹部が解説〉 から続く

 相次ぐ「ヤクザと女」をめぐる事件、そして、女性をめぐる暴力団のシノギについて、 #1 と #2 で、警察当局の捜査幹部や暴力団幹部の証言を元に振り返ってきた。

 では、そのシノギにもなる女性たちを、ヤクザはどのように引きつけているのか。

 かつて、ヤクザは「格好良い高級車に乗って、“いい女”を連れて歩く」といったイメージで語られることがあった。1980年代の終わりから90年代はじめのバブルの好景気のころは、まさにこうしたイメージを体現していたヤクザが多かったようだ。近年は経済的な困窮から暴力団の数は減少傾向だが、時代は移っても、こうしたイメージは変わらない。

 夜の街での女性たちとの付き合い、女性を引き付けるための身だしなみまで、暴力団の動向をウオッチし続けてきた警察当局幹部やベテランの暴力団幹部が、実体験から語った。

■ホストクラブで女を遊ばせ、自分はその横で……

「ヤクザが女にもてるとすれば、それはカネだな」

 首都圏に活動拠点を持つ指定暴力団幹部がニヤリと笑顔を見せて語る。

「ヤクザは格好つけて、財布の中にいつも100万円ぐらいは入れている。夜の街で1万円札が、ぎっちりと詰まっている財布の中身をパッと見せれば付いてくる女性は多い。カネだよ、カネ。逆に言えば、カネがないヤクザには女が付いてこない」

 この幹部は気に入った女性がいれば、意外にも若い男性が在籍するホストクラブに連れて行くのだという。

「高級クラブで酒を飲んで、店の営業が終わればアフターでお気に入りのホステスをホストクラブに連れて行って遊ばせてやる。イケメンの男性ホストから接待してもらえば、ほとんどの女は喜ぶ。自分は楽しそうにしている女を見て、その横で酒を飲む」

 朝までやっているという営業時間も、好都合だったという。

「ホストクラブはだいたい朝まで店をやっているので、夜の街に飲みに出かけると最後はホストクラブに寄ることが多かった。常連だから、店長もホストもみんな顔なじみ。かつては毎晩のように朝まで飲んでいた時期もあった。朝まで遊んで家に帰り、昼過ぎに起きる。そして翌日もまた夜の8時ごろから飲み始め、適当な時間にクラブに寄って気に入ったホステスをまた連れ出して、ホストクラブで遊ばせてやる」(同前)

 この幹部は当時、ホストクラブに連れて行くお気に入りの女性のほかに、常に数人の女性とも交際関係を保っていたという。

「自分の組の事務所は繁華街のかなりいい所にあった。今は閉めてしまったが、このころは若い衆にシノギを任せていたため夜の街からの収入がしっかり入ってきたほか、自分では個人的に金貸し、地上げなどをやっていた。カネはかなりあって羽振りがよかった。

 事務所の近くで、妻は以前からスナックをやっていた。このころ、別の女にもスナックを持たせてやった。クラブで働いている別の女とも付き合っていた。常に数人の女がいた。気分次第で順番に女の所に通っていた。ただ、事務所の周辺でどの店も近くだから、あるところで女と遊んでいたら、別の女とたまにバッティングして騒動になることもあった」

■気に入った女性に徹底的に尽くす

 長年にわたり暴力団犯罪の捜査に携わってきた警察当局の幹部が指摘する。

「自分が知る限りのヤクザは、『このオンナだ』と気に入ってしまった女性に対して徹底的に尽くす。とにかくマメに活動する。誕生日のプレゼントだとか、いろいろ名目を考えて熱意を示し、女性の方が参ってしまうケースがいくつもあった。

 ヤクザはもともと身なりに気を配っているが、女性に対するときはさらに気を付ける。髪型、服装、時計、靴、バッグなどをきっちり揃え格好良く振る舞う。そもそも身なりのみすぼらしいヤクザはいない。格好悪いヤクザだったら、女性だけでなくシノギなどの仕事でも、どこに行っても相手にされない。無理してでも背伸びをするもの」

 一方で、女性から近寄ってくる場合も見受けられたという。

「ヤクザの方から猛アタックすることもあるが、逆に家柄のよろしい良家のお嬢様が、不良が大人になったようなヤクザに勝手に憧れて惚れてしまい、困ったケースもあった」(同前)

■「身だしなみにはカネをかける」という流儀

 警察幹部のこうした観察の通り、多くの暴力団幹部たちは身なりには注意を払っているようだ。関西地方に活動拠点がある指定暴力団幹部が実情を明かす。

「スーツは既製品を1着も持っていない。すべてオーダーメード。そのうえ、例えば1カ月間で同じスーツは着ることはない。毎日のようにスーツを替える。こうして外出して女性に会うと『あの人は同じスーツを着ているのを見たことがない。おしゃれな人だ』と勝手に評価してくれる。ここが重要なところ。

 身なりについては、スーツだけでなくネクタイや時計、靴も同じことが言える。ネクタイはサラリーマンでも毎日、違うものに替えることもあるかもしれないが、それだけでなく時計や靴も違うものにしていれば『お金持ち』ということになる。こうなると、女性が勝手に、『お金持ちで、おしゃれで、格好良い人だ』と思い込む」

 さらに、この暴力団幹部も「カネが必要になる」と強調する。

「ヤクザは人気商売のようなもの。身なりが派手だ。目立つ服装をしているが、ただ目を引くということだけでなく高価なものが多い。服や時計、宝飾品など何でも。これは女性に対してだけではなく、例えばカタギとのビジネスでも身なりをしっかり整えておかねばならないということもある。

 そうしたことも、やはり必要なのはカネ。身だしなみにはカネをかける。さらに夜の街に飲みに出かけても、我々は宵越しのカネは持たないという格好つけているところがある。散財することが格好良いとの考えがある。この点も重要で何事もやはりカネだ」

 警察当局はそんな暴力団員の行動を注視しながら、日々捜査を続けているのが現状だ。(年齢、肩書きは当時)

(尾島 正洋/Webオリジナル(特集班))

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