《現場写真多数》五輪開会式後の夜の都内はどうなった? 新宿・歌舞伎町は変化なしの喧噪、渋谷・千駄ヶ谷ではついに警察が出動…“祭りの後”の現場ルポ

《現場写真多数》五輪開会式後の夜の都内はどうなった? 新宿・歌舞伎町は変化なしの喧噪、渋谷・千駄ヶ谷ではついに警察が出動…“祭りの後”の現場ルポ

開会式が終わり、静けさを取り戻した新国立 ©文藝春秋/上田康太郎

《現場写真多数》東京オリンピック開会式当日"狂騒曲” ブルーインパルスに反五輪デモ、街頭テレビにはまるで昭和の人だかり… から続く

 コロナ禍の中で、なんとか行われた東京五輪の開会式。直前の担当者の辞任ドミノの影響もあってか、いつもの五輪よりは簡素な式のように感じられた。一方で、式典の後には各地で意外な“盛り上がり”が佳境を迎えていた。

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■五輪開会式でも変わらぬ歌舞伎町の“マイペース”

 深夜2時。開会式が幕を閉じてから約2時間後の新宿・歌舞伎町の夜は、普段の週末と何もかわらずこの日もカオスだった。ゴジラビル周辺の広場や路上では若者たちが地べたに座り込んでいた。ナンパやキャッチ、路上飲みもいたるところでおこなわれている。今が緊急事態宣言中ということなど、当に忘れているようだった。

「開会式なんてみないスよ。興味ないし…その時間仕事なんで」

 そう語るのは20代のホスト男性だ。 

 また、20代の女性会社員もこんな風に嘯く。

「オリンピックのバスケの試合が当たっていたんだけど、無観客になって興味をなくしました。今日は歌舞伎町で夜のオリンピック」

 “世紀の祭典”だったはずの五輪について、ストレートな意見をくれたのは20代の男性会社員だ。

「サッカーは好きだから観たんすけど、開会式は“パッとしない”からいいかなーって…ちょっとだけ観て友達と合流しました」

■閑散とした新橋、「最近は関係者パスを首から下げた方たちが…」

 普段はサラリーマンでごったがえす新橋駅も、今日は閑散としていた。24時ごろには、新橋駅周辺に、人影はほとんど見えなかった。

 近隣の飲食店の従業員が言う。

「休日の新橋は人が少ないのですが、いつも以上に人が歩いていないです。昨日、一昨日のほうがお客もまだいましたね。ここ最近は五輪の関係者パスを首からさげた外国人の方たちが4、5人でよく飲み歩いています。今日は一組のみでしたけど…」

■六本木には開会式中に外国取材班が…

 外国人の集まる街、六本木も五輪熱は微妙だったようだ。六本木交差点すぐ側のオープンテラスのバーのテレビには、開会式の中継が流れていたものの立ち止まる人は居なかった。バーの関係者はドラクエの行進曲に飛び跳ねながら喜んでいたが、「バッハの話、長くて見るの疲れちゃった」と仲間と雑談をしていた。

 式中には首から下げた赤い紐に「五輪関係者パス」を付けた外国人5人組の取材班が六本木にやってきた。「これから取材だ! その前に腹ごしらえだ」と陽気に話し、1時間ほどケバブ屋に滞在。その後、記念写真を撮りながら観光を楽しんでいた。

■ボヤ、小競り合い、警察も出動…渋谷と千駄ヶ谷で起きたトラブル

 五輪の熱に浮かされないほかの街と違い、熱狂を見せたのは渋谷と千駄ヶ谷。

 千駄ヶ谷では開会式が始まってもなおデモが続いていたが、21時過ぎに騒ぎが大きくなるとついに逮捕者が。公務執行妨害の疑いで逮捕されたのは、中核派活動家の山本進(40)容疑者。ボーダーのニット帽をかぶっており、複数人の警察官に連行されると、報道陣のシャッター音が鳴り響き、一般客も注目していた。

 デモ隊と警察官の衝突は、周辺の歩道を埋め尽くすほど“密”な状態に。遠巻きにその様子を見ていた男子大学生は「『五輪を中止して命を守れと』と叫んでいるが、 本人たち自ら密で危険な状況を作っている。矛盾しているのでは」と疑問を投げかけていた。

 渋谷で事件が起きたのは、深夜0時頃。開会式が終了し、終電が近づき街が落ち着きをみせはじめた矢先だった。パトカーと消防車のサイレンが鳴り響き、突如、規制線が敷かれた。「酔っ払ったあんちゃんがポイ捨てしたタバコが段ボールに引火して燃え上がっていた。すぐ気がついて水をかけたからボヤ騒ぎで済んだけど…」(タバコ店店主)

 ボヤ騒ぎと同時刻、サイレンは渋谷駅前交番でも鳴っていた。「せっかく来たのに全然飲めないじゃないか?」と背の高い外国人とみられる男性が警察に怒号をとばし、服を脱ぎ地面に叩きつけたのだ。警察は「充分飲んだでしょ」となだめたが、男性の訴えは約30分にも及んだ。友人男性が謝り続けるもパトカーに乗せられ連行された。

 同じ頃、複数の警察官が「犯人(ホシ)はどっちにいった!」と渋谷センター街に響き渡る声で走り回っていた。15分後、抵抗する男性を5人掛けでパトカーに押し込み連行していた。

■キャッチもぼやく“路上飲み”の悪癖 

 深夜25時。渋谷センター街は静けさを取り戻したが…「4連休だから。まだまだお店もやっているし」ラブホテル、クラブ街ではいつものように終わらない“酒盛り”が続いていた。

 キャッチは「最近、客の食いつきが悪い。皆さん悪い癖がついちゃって、路上飲みばかり」とぼやく。その言葉通り、そこかしこで路上飲みが行われていた。中でも“路上女子会”は「下手にクラブとか飲み屋行くより、ナンパもされるし、仲良くなれるんですよ。そのままみんなで飲んで。新しい夏の風物詩って感じです」

 路上飲み中の若者に、記者が声をかけると、人気アニメ「東京リベンジャーズ」に登場するマイキーの台詞にナゾって「コロナだからってオリンピックひよってるやついる? いねえよなあ? デモ行くぞー!」と叫んでいた。

 そして、五輪という祭りを終えて若者が消えた渋谷には、路上飲みの残骸だけが広がっていた。

(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

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