【丸川五輪相が言及】“オリパラ事務局のドン”平田内閣官房参与が「公用車」兼「五輪関係車両」で“RIZAPゴチゴルフ”にコミット《公私混同スクープ撮》

【丸川五輪相が言及】“オリパラ事務局のドン”平田内閣官房参与が「公用車」兼「五輪関係車両」で“RIZAPゴチゴルフ”にコミット《公私混同スクープ撮》

自宅前に迎えに来た公用車へ乗り込む平田氏 撮影/細田忠 ©?文藝春秋

【丸川五輪相が言及】《決定的証拠入手》“オリパラ事務局のドン”平田竹男内閣官房参与がRIZAPで450万円超の“ゴチゴルフレッスン” から続く

 8月10日、閣議後の会見で丸川珠代五輪相(50)が、“オリパラ事務局の最高責任者”でもある平田竹男内閣官房参与の“RIZAPゴチゴルフレッスン”と“公私混同の公用車使用”について言及した。記者とのやりとりは次の通りだ。

記者 文春オンラインが平田事務局長がゴルフレッスンを無料で受けていたこと、公用車使用していたとの疑惑を報道しています。平田さんからどのような説明を受けておられますか。

丸川氏 この件については事実関係の確認をしています。本人から毎月のレッスン料については適切に支払いがなされているもの、と認識しているが、誤解をもたれないように、念のため確認した上で、適切に対応してまいりたいと。

記者 公用車の件についての説明は。

丸川氏 この件についても現在、オリパラ事務局で事実関係を確認しているとのことです。

 東京五輪を巡ってはこれまで様々な問題が露見してきた。閉幕後、これらを検証する必要があるだろう。そのうちのひとつ、平田竹男氏による公私混同問題について報じた記事を再公開する(初出2021年8月7日、肩書き、年齢等は当時のまま)。

 *  *  * 

 文春オンラインの取材で明らかになった、“首相のブレーン”であり、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局(以下、オリパラ事務局)の最高責任者である内閣官房参与・平田竹男氏(61)の過剰優遇問題。「 首相ブレーンが“オリパラ特権”で公私混同 #1 」では、平田氏が約3年間にわたって、「RIZAP GOLF」で推定457万3800円に上る“ゴチゴルフレッスン”を受けていたことが判明した。(全2回の2回め/ 前編 を読む)

■信用失墜行為にあたる平田氏“高額ゴチゴルフ”

 オリパラ事業に詳しい政府関係者が語る。

「RIZAPは、平田氏が事務局長を務めるオリパラ事務局の主導する『beyond2020 マイベストプログラム』の第1弾認証事業に選出されています。認証を受けたところで、直接的なメリットは少ないのですが、この“オリパラのお墨付き”をきっかけに新たなビジネスを展開していくことはできます。実際にRIZAPは『RIZAPマイベストチャレンジ』というキャンペーンを行っています」

 利害関係者からの“高額優遇”について、公務員倫理規定に詳しい国際基督教大学の西尾隆特任教授はこう指摘している。

「内閣官房参与は、内閣総理大臣に情報提供や助言を行う非常勤の公務員ですので、利害関係者から金銭や物品をもらったり、接待を受けたりすることを禁止する公務員倫理規程の適用外です。しかし内閣官房に勤務する職員が、利害関係者からサービスの提供を受けることは実質的に信用失墜行為にあたると言えます」

 しかし、平田氏の“信頼失墜行為”はこれだけではなかったのだ。

 7月26日、RIZAP GOLFで約2時間の“ゴチゴルフレッスン”を終えた平田氏を、六本木通りで待っていたのは黒色のクラウンだった。ダッシュボードには「内閣府」と書かれた札があり、車両前後には「TOKYO2020大会関係車両」と書かれていたステッカーが張ってある。公用車であり、大会関係車両に登録された車両だ。この車に乗り込み、平田氏が向かったのは自身の執務室がある内閣府だった。

 この日、取材班は平田氏がRIZAP GOLFへどのような手段で来たかは確認できていなかったが、平田氏の動向を追い続けると、“オリパラ特権”を笠に着る公私混同の実態が明らかになってきた――。

■“高額ゴチゴルフ”だけじゃない平田氏の公私混同

 8月1日、自宅を出た平田氏は電車に乗りどこかへと向かった。首にはオリンピックのIDカードをぶら下げている。到着したのは、男子ゴルフ最終ラウンドの会場となっていた名門・霞ケ関カンツリー倶楽部だ。松山英樹が惜しくも4位となりメダルを逃したが、ゴルフファンの多くが注目した試合だった。

 翌2日、朝からメディア各社が前日の松山の惜敗を報じていた。ゴルフ熱が冷めやらぬなか、午前8時前に平田氏の自宅へやってきたのは「TOKYO2020大会関係車両」のステッカーが張られた黒のクラウン。前週7月26日に平田氏がRIZAP GOLFから内閣府へ向かった際と同じ車両だ。

 お抱えの運転手がうやうやしく扉を開けると、平田氏は車に乗り込んだ。その後、平田氏を乗せたクラウンは麻布十番にある病院を訪れ、2時間滞在した後、内閣府へと向かった。

 この日、平田氏はRIZAP GOLFに16時からのゴルフレッスンを予約していた。15時半になると平田氏の乗るクラウンが内閣府を出発し、六本木通りから小道をくねくねと進んで人目に付きにくい位置で停車すると、手ぶらの平田氏が周囲を窺いながら降りてきた。向かった先はやはりRIZAP GOLF六本木店だった。平田氏は50分のレッスンを2回分こなした後、待っていた公用車に乗り込み、18時過ぎに内閣府へと戻っていった。

■「公用車の私的利用」ではないのか?

 公用車の私的利用をめぐっては、2016年に舛添要一元東京都知事がほぼ毎週末、湯河原の別荘までの往復に公用車を使っていたことが判明し、その後辞任。2018年には林芳正元文部科学相が公務の間に都内のヨガ店に公用車で通っていたことが判明し、釈明に追われた。

 前出の国際基督教大学の西尾隆特任教授が語る。

「公用車でゴルフのレッスンに通っている場合、公務と関係するかどうか、総務省などが個別に判断しますが、公私混同のそしりは免れません。

 公用車ならば利用記録があるはずで、『使っていない』という言い訳は成り立ちません。その上で本人がこの運用を『問題なし』というのであれば、具体的にどう公務と関係しているのかを説明する責任が生じるでしょう」

 公用車での“ゴチゴルフレッスン”を公務であると言い切るには無理があるだろう。しかし、今回の問題点はそれだけに留まらない。

 実は、開会式直前の7月14日に書面開催された「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に係る交通輸送円滑化推進会議(第8回)」で、7月19日〜8月9日、8月24日〜9月5日のオリンピック、パラリンピック開催期間中の「事務方幹部の朝夕の公用車による送迎(登庁・退庁)を原則中止」が記されていたのだ。

 会議には橋本聖子氏や各省庁、各業界団体の役職者らが名を連ねた。座長を務めるのはなんと平田氏だ。大会中の交通量抑制を呼び掛けておきながら、自分は悠々と公用車で通勤していたことになる。

■“オリパラ特権”を持つ「大会関係車両」

 しかも平田氏が利用していた車両はただの公用車ではない。競技会場周辺などにある「大会関係車両等専用レーン」や「大会関係車両等優先レーン」を通行できるという“オリパラ特権”を持つ「大会関係車両」でもあるのだ。

「一般車両が専用レーンを走ったり、優先レーンで大会関係車両に道を譲らなかったりした場合は違反になり、大型車は7000円、普通車と二輪車は6000円の罰金が科せられ、違反点数も1点とられます。首都高でも大会期間中、『オリンピック・ルート・ネットワーク』という利用自粛を促す指定区間が設けられていて、一般車の料金は6時〜22時の間は高速料金に1000円が上乗せされます。しかし、大会関係車両の高速料金は無料です。

 開催自体も賛否が分かれるなか、強制的な『大会関係車両優先』には、各業界から批判の声があがっています」(全国紙社会部記者)

■料金の値上げなど「どこ吹く風」で高速道路へ

 ちなみに、平田氏が自宅から内閣府へ向かった護国寺〜霞が関インターチェンジの間にも、オリンピック・ルート・ネットワークの「自粛区間」が含まれている。平田氏の乗る黒のクラウンは、高速料金の値上げなどどこ吹く風で、いつもより通行量の少ない高速道路を走っていた。

 一方で、ある運送業界関係者は「首都高の高速料金値上げで一般道が渋滞し本当に困っています」とため息をついた。

「下道を使うと、高速を使わなかった一般車の渋滞に巻き込まれることが急増しました。下道ではこれまで見なかったような東京以外の都道府県ナンバーの車もたくさん見かけるようになりました。知り合いのタクシー運転手からは銀座付近の渋滞は特に酷くて、業務に支障が出ているという声もよく聞きます。そもそも一般市民の生活や仕事に業務にまで負荷を負わせてまで、五輪を強行開催する意味があったのか、どうか。関係者にはよく考えてもらいたい」

 これらについてRIZAPと平田氏に事実確認を行った。RIZAPからは下記のように回答があった。

■ゴルフレッスン料は「念のため確認した上で適切に対応」

■平田氏が約450万円分のゴルフレッスンを無料で受けた事実について

「弊社のお客様の個人情報・プライバシーに関るお尋ねにつきましては、ご利用の有無を含め回答は差し控えさせていただきます。弊社のお客様の中に平田竹男氏が含まれるか否かも含め、弊社としてはお答えできないことを何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます」

■「beyond2020 マイベストプログラム」の第1号認証事業としてRIZAPが認証された経緯について

「弊社は『beyond2020 マイベストプログラム』の趣旨に賛同して応募を決定し、弊社の取組が自己ベストを目指す個々人の取組を支援する事業・活動であると認められたことから、第1弾認証事業となった5社のうち1社に選定されたものであります。弊社が認証を受けたことと、特定個人の弊社サービスのご利用の有無とは関係はございません」

 平田氏からも回答があった。

■RIZAP GOLF六本木店において無料でゴルフレッスンを受けたことがあるか

「毎月のレッスン料について適切に支払いがなされていると認識しております。但し、誤解を持たれぬよう、念のため確認した上で適切に対応してまいります」

■「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に係る交通輸送円滑化推進会議(第8回)」には「事務方幹部の朝夕の公用車による送迎(登庁・退庁)を原則中止」と記されているが、公用車で登庁したことがあるか。また、RIZAP GOLF六本木店へ公用車で訪れた事実について

「公用車の利用については、業務の必要に応じて適切に使用しているものと認識しております。なお、『事務方幹部』には内閣官房参与は含まないと聞いております」

 また、RIZAPを『beyond2020 マイベストプログラム』に認証した理由についての回答はなかった。

 首相のブレーンでありオリパラ事務局最高責任者による公私混同の実態。東京五輪は、果たして誰のために開催されたものだったのだろうか。

(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

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