《テレ朝“飲酒転落”》「強いお酒を次々と」五輪スタッフ10名の“9時間ハシゴ大宴会”全内幕「いなくなった女性は自分たちのグループです」《6人の処分を発表》

《テレ朝“飲酒転落”》「強いお酒を次々と」五輪スタッフ10名の“9時間ハシゴ大宴会”全内幕「いなくなった女性は自分たちのグループです」《6人の処分を発表》

「報道ステーション」(テレビ朝日系、8月10日放送)より

 9月7日、テレビ朝日はスポーツ局スタッフ10人が緊急事態宣言下、東京五輪終了後に“打ち上げ”として宴席を開き、1人が店から転落し緊急搬送された件について、社員6人を謹慎10日間の処分としたなどと発表した。スポーツ局長およびスポーツセンター長には監督責任を問い減給1ヶ月の処分を、そのほか4人の社外スタッフについては派遣元に対応を依頼したという。

 同社は今回の件を受け、役員による5年目以下社員を対象とした研修の実施や「会社の意思決定や指示、連絡が、的確かつ速やかに社員全体に伝わるよう、従来の情報伝達のあり方を見直し、局長、部長主導により各部署での仕組みを再構築する」といった再発防止策を挙げている。

 コロナ禍で問われる一人一人のモラル。あの夜、一体何が起こったのか。当時の記事を再公開する(初出2021年8月12日、肩書き、年齢等は当時のまま)

「まず私自身言葉を失い、怒りがこみあげてきましたね。絶対にあってはならない不祥事ですよ。しかも緊急事態宣言下、これは許されない行為です」

 8月10日放送の「報道ステーション」(テレビ朝日系)で、キャスターの富川悠太アナ(44)が「自社の不祥事」について伝え、同局のコメントを読み上げたあと、コメントを求められた番組コメンテーターで共同通信社編集委員の太田昌克氏はこう語気を強めた。

 太田氏が「絶対にあってはならない不祥事」と指摘したのは、8月9日未明、テレビ朝日の五輪スタッフ10名が、緊急事態宣言下の東京都内のカラオケ店で”打ち上げ”をおこない、参加していた若手女性社員1名が同店の2階非常階段から転落し重傷をおった“事件”のことだ。

 富川アナは神妙な面持ちで太田氏の言葉に頷いていたが、その後、自らの意見を述べることはなく、頭を下げると次のニュースへと話題を移してしまった。

「実は件の“打ち上げ”には、報ステのスポーツコーナーを担当するスポーツ局のスタッフも参加していたんです。今回の件は上層部が目を光らせており、『極力深掘りするな』とお達しがきていたのです」(テレビ朝日関係者)

 上層部が眉をひそめた”打ち上げ”。実はこの会は五輪閉会式のスタートと同時に開催され、その後、約9時間にも及んでいたことが「文春オンライン特集班」の取材でわかった。女性社員がカラオケ店で転落したのは2次会での出来事だった。

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■港区の鉄板焼きレストランで始まった”五輪打ち上げ”

 8月8日20時、東京五輪の閉会式がはじまったのと同じ時刻、港区にある某鉄板焼き店にテレビ朝日スポーツ局スポーツセンターの若手社員3名、派遣スタッフ4名の男女が集結し、”打ち上げ”が秘かに始まった。

「店は黒で統一されたオシャレな鉄板焼きのレストランで、お好み焼きとフォアグラ丼が名物。ITやコンサル系の人たちをよく見かけます。シャンパン好きの女子たちの憩いの場でもあり、タレントも多く利用している。緊急事態宣言下でも酒を提供し、深夜まで営業しています。テレ朝のスタッフと思われる集団は、随分と上機嫌に酒を飲んでいましたね」(常連客)

 21時頃、後に転落し重傷を負うことになる若手女子社員のA子さんが合流、宴は一層盛り上がったという。

「A子は都内有名私立大学卒業の帰国子女。中学、高校とソフトボール部で腕をならし、大学も運動部に所属していた。会にはA子と同じ大学出身の若手社員が複数いた」(テレビ朝日社員)

■参加者は膨らみ、テキーラを浴びるほど飲んで…

 23時30分頃、鉄板焼き店を出た一同は渋谷に移動。2次会会場となったカラオケ店「パセラ渋谷店」の6階の大部屋にはいった後、さらに社員2名が合流した。店2軒を“ハシゴ”した大宴会の参加者は合計10名となった。

 ちなみに「パセラ渋谷店」はこの日は通常営業をしており、午前5時まで店を開けていた。緊急事態宣言に伴って、東京都は休業したカラオケ店には協力金を支給しているが、同店は協力金を申請していなかったという。前出・テレビ朝日社員が続ける。

「10名中、6名の社員はいずれも入社2年〜4年の若手社員で、多くが体育会系出身。参加したある男性スタッフは過去にコロナ感染者を出した多人数での『飲酒パーティ』にも参加したことがあり、濃厚接触者として、しばらくの間出社を禁止されたこともあります。この日もテキーラなどのアルコール度数の強いお酒をたくさん飲んでいたと聞いている」

■泥酔して帰宅しようと、踊り場から外に出ようとした

 27時30分頃、泥酔したA子さんは帰宅の意思を示し、一人でカラオケ店の部屋を出た。A子さんは何故かエレベータを使わず非常階段で1階まで降りたものの、「1階のドアには鍵がかかっており、外には出られなかった」と語っているという(この点についてパセラの担当者は、「鍵はかかっておらず、しかも8月12日には所轄の消防署が調査に見え、消防法上問題がないことが確認されました」とコメント)。A子さんは再び非常階段を上り、1階と2階の間にある踊り場へ。この踊り場から、看板やパイプなどの出っ張りをつたって、店から出ようとしたところ、足を滑らせ落下。左足を骨折し、救急搬送されたという。

■「いなくなった女性はいないか?」と警察が…

「A子が部屋を出た後も宴は続いており、スタッフらはA子の落下に気付かなかった。1時間後、警察が部屋にやってきて、『いなくなった女性はいないか?』と聞かれたそうです。A子は既に帰宅したと思っていたあるスタッフは、『いません』と答えたが、警察がA子の名字を出していることを耳にした別のスタッフがA子に電話した。

 すると、A子ではなく、救急隊員の男性が出て、『彼女は店の前に倒れていた』と聞かされたのです。それでようやく事態を理解した9人は『いなくなった女性は自分たちのグループです』と告げた。その後、全員が渋谷署で3時間ほど事情聴取を受けたが、『事件性がない』と判断され、解放されたようです」(別のテレビ朝日社員)

 9人が警察署を出たのは午前8時30分のこと。打ち上げの開始からは12時間以上が経っていた。そして、それぞれ帰宅した9人に待ち受けていたのはスポーツ局の幹部からの“雷”だった。スポーツ局の幹部たちは「部下の失態」を報道局の人間から知らされたという。

■A子さんは「突き落とされたり、脅されたりはしていない」

「その後、スポーツ局のトップがA子に電話をかけ、聞き取り調査がおこなわれました。A子はスタッフらと打ち上げをしたことを認め、謝罪した。『突き落とされたり、脅されたりはしていない』『(個室の6階から)階段で降りていったが、途中で1階まで降りられないと気付き、何かをつたって降りようとした記憶がある』などと説明したそうです。A子はかかとを骨折。手術が必要な程の重傷で、全治半年とみられている」(同前)

 取材班は1次会、2次会の様子や飲酒の有無に関してテレビ朝日に質問状を送った。すると広報部より以下の回答があった。

「昨日プレスリリースでお伝えした通り、打ち上げ名目の飲酒を伴う宴席を飲食店で開いたのは事実です。緊急事態宣言下で尽力されている皆様をはじめ、関係各位に多大な迷惑をおかけしたことを深くお詫び致します。

 事案の詳細については調査中であり回答を控えさせていただきます」

 今も足を吊るされ入院しているA子さんや、ドンチャン騒ぎをした五輪スタッフたちは酔いが冷めたあと何を思ったのだろうか。

(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

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