「慰安婦被害者はいない」韓国で出版された“慰安婦問題のタブーを破る本”『赤い水曜日』驚きの内容とは?

韓国で出版の“慰安婦問題のタブー破る本”に注目集まる 性奴隷説などは虚偽と断言

記事まとめ

  • 韓国で慰安婦の証言および支援救済活動に対する検証本が出版され、注目を集めている
  • 「強制動員説、性奴隷説、戦争犯罪説」は運動団体のウソの扇動による虚偽だと断言
  • 「慰安婦を称える日」の8月14日に発刊されたが、韓国メディアは取り上げてはいない

「慰安婦被害者はいない」韓国で出版された“慰安婦問題のタブーを破る本”『赤い水曜日』驚きの内容とは?

「慰安婦被害者はいない」韓国で出版された“慰安婦問題のタブーを破る本”『赤い水曜日』驚きの内容とは?

慰安婦問題を告発した金柄憲氏の『赤い水曜日』

 韓国における慰安婦反日運動はこのところ支援団体の資金不正疑惑が表面化することで勢いは大きくダウンしているが、それに追い打ちをかけるように最近、韓国で「ウソだらけの虚像を剥ぐ」として慰安婦の証言および支援救済活動に対する検証本『赤い水曜日』が出版され、注目されている。

 著者の金柄憲氏(キム・ビョンホン、62歳)は成均館大学出身で在野の歴史研究者である。これまで左翼偏向がひどく反日色の強い教科書に対する批判活動を展開してきた。特に学校教科書で慰安婦問題が日本軍による強制連行説として証拠抜きで“暴力的”に記述され、教えられていることに疑問と怒りを感じたのが慰安婦運動糾弾に乗り出した動機という。

 著者は『赤い水曜日』の「あとがき」で、韓国で定説とされている日本軍慰安婦をめぐる「強制動員説、性奴隷説、戦争犯罪説」は運動団体のウソの扇動による虚偽であると断言。「慰安婦問題の本質は貧困であり、貧しさによってもたらされた悲しくも恥ずべきわれわれの自画像である」「もう人のせいにするのはやめよう」「問題解決の前提はウソをやめ正直になることだ」と主張している。

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■「日本軍慰安婦被害者にあてはまる者は一人もいない」

 慰安婦問題をめぐる虚偽は一昨年、韓国でベストセラーになった『反日種族主義』(李栄薫編著、日本語版は文藝春秋刊)で厳しく指摘されるなど、韓国内でもやっと暴露や批判がはじまっている。今回の本はその決定版のようなもので、これまで“聖域化”されてきた慰安婦問題批判のタブーはここにきて完全に崩れたかたちだ。

 著者はこれまで、慰安婦支援団体による日本大使館前のいわゆる「水曜デモ」に際しては彼らを糾弾する“対抗デモ”を続けるなど自ら直接行動してきた。そして大統領官邸や女性家族省など政府当局にも陳情や請願、情報公開請求などを繰り返し、慰安婦問題の“虚偽”を追及し、訴えてきた。本書はその戦いの記録でもある。

 本書は、日本軍慰安婦だったとして支援団体によって内外で日本糾弾の反日運動の先頭に立たされ、韓国政府から法的に生活支援を受けているいわゆる“慰安婦被害者”について、記録として残されている彼女たちの証言集を詳細に検証している。その結果、韓国の「慰安婦被害者法(日帝下日本軍慰安婦被害者に対する保護・支援及び記念事業等に関する法律)」で定義されている「日帝に強制動員され性的虐待を受け慰安婦としての生活を強要された被害者」という「日本軍慰安婦被害者にあてはまる者は一人もいない」と主張している。

■“慰安婦第1号”の証言をあらためて分析した結果は?

 本書では慰安婦証言の検証対象として内外でよく知られた代表的人物の3人がしばしば取り上げられている。一人は1991年、初めて日本軍慰安婦被害者を名乗り記者会見したことで有名な金学順。それに政府から人権活動家として勲章まで授与された金福童。もう一人は今も健在で資金疑惑を最初に問題提起し、慰安婦問題の代弁者格になっている李容洙。いずれも証言には大きなブレがあり、彼女らの経歴に日本軍による強制連行や慰安婦強制の証拠はないとしている。

 とくに“慰安婦第1号”といわれ、その記者会見の日(8月14日)が国家指定記念日の「慰安婦を称える日」になっている金学順は、今や慰安婦問題の象徴的人物として神格化されている。日本の朝日新聞が当時、記者会見に先立ち“特ダネ”として紹介した人物でもある。今年は“初証言30周年”ということで記念行事が盛んだった。本書では、彼女が養父によって身売りのため中国に連れて行かれる際、見送りの実母から平壌駅で黄色いセーターを贈られ、中国では約3カ月間、慰安婦をした後、客として来ていた朝鮮人の商売人と駆け落ちしたという証言をあらためて引用、分析。日本軍による強制的な慰安婦生活という事実はまったくないとしている。

 こうした金学順証言をはじめ元・日本軍慰安婦たちの証言の矛盾や問題点については、日本では以前から指摘されてきたが、韓国では正面切って暴露され批判されることはなかった。今回、そのタブーが崩れたのだ。

 著者は慰安婦証言の矛盾やウソ、あいまいさ、いい加減さを踏まえ、韓国におけるいわゆる慰安婦裁判の「でたらめ判決」も厳しく批判している。証言が事実かどうかという裁判では不可欠の“事実の究明”や、韓国で定められた「慰安婦被害者法」との整合性などお構いなく、日本非難を前提にした結論先にありきの判決がまかり通っていると批判している。

■“反日”日本人 vs ?“反日批判”韓国人

 さらに本書には日韓問題で反日論客として韓国で人気の帰化日本人、保坂祐二(元世宗大教授)との“戦い”も紹介されている。著者が保坂の反日慰安婦論を批判する“一人デモ”を保坂が在籍する大学前でやって糾弾ビラをまいたことから、保坂に名誉棄損で告訴され論争になっているのだ。“反日”日本人と“反日批判”韓国人の対決だから興味深い。

 そして著者は慰安婦にかかわるいわゆる「強制性」を、外交的解決のためあいまいかつ安易に認めた「河野談話」や、外交的配慮による近年の「政府間合意」についても、慰安婦問題の虚構性を広げる結果につながったということで厳しく批判している。

 またソウルの日本大使館前をはじめ内外に拡大設置されている慰安婦少女像についても「幻想の中のあどけない少女」「真実とはほど遠い少女物語」としてその虚構性を糾弾。批判のホコ先は韓国の教科書にも向けられ、虚偽に満ちたとんでもない記述がまかり通っているとしている。

 著者は、元慰安婦たちの証言を検証し、韓国での法的根拠になっている定義に照らし合わせた場合、日本軍慰安婦被害者なるものは存在せず、そこに加害者がいたとすればそれは日本軍ではなく「ひどく貧しい国で自分の子どもを物のように売り渡した父母や、それを商品のように紹介し紹介料を手にしていた業者、そしてそれを性的商品として軍人や多くの男たちから金をせしめていたお抱え主だった」という。

 その結果「日本軍は慰安所で定められた費用を支払い、性的欲求を解消する顧客にすぎなかった」といい「慰安婦問題はわれわれが解決しなければならない問題であって、決して他国にその責任を押し付けることではない」と書いている。

■韓国メディアは意図的に無視したが……

 本書の出版元は前述の『反日種族主義』と同じ出版社。編集者によるとタイトルの「赤い水曜日」の「赤い」は「真っ赤なウソ」からきたもので、水曜日は日本大使館前で長年続けられている支援団体による「水曜デモ・集会」のこと。したがって「赤い水曜日」とは「虚偽の反日慰安婦運動」ということになろうか。

「慰安婦を称える日」の8月14日に“挑戦”するように発刊されたが、今のところ韓国のマスコミでは意図的無視(?)だろうか、取り上げられてはいない。慰安婦問題など日本がらみでは公式の歴史観に合わないとすぐ発禁になったり、告訴されて著者が法廷に立たされたりする韓国だが、今回の本は韓国社会の言論・出版の自由度を計る試金石にもなる。今後の反応が気になるところだ。

(黒田 勝弘)

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