「ポスト二階」に3人の名前 側近を幹事長にしたい安倍首相の本音

「ポスト二階」に3人の名前 側近を幹事長にしたい安倍首相の本音

来年2月には80歳に ©文藝春秋

 自民党の二階俊博幹事長(79)の病欠が、総裁選以来、凪だった党内を一気にざわつかせた。政治部デスクは「今回の不在が、鬱積していた二階氏への複雑な思いを表面化させた」と語る。

 党は12月4日、インフルエンザによる病欠を発表。その後、高血圧の症状で検査入院することを10日に公表すると、「重病では?」「脳梗塞か」などと緊迫感が広がった。

 となると人事話が燃え盛るのが永田町の常。党関係者曰く「ポスト二階で名前が取りざたされたのは甘利明選挙対策委員長、竹下亘前総務会長、岸田文雄政調会長でした」。

 安倍晋三首相が2012年に総裁に復帰後、幹事長に就けたのは石破茂、谷垣禎一、二階の三氏。首相とは距離がある大物を幹事長にすることで疑似的に挙党一致を演出し、官邸主導に対する党内の不満を和らげてきた。ところが後継候補に名が挙がったのは、先の総裁選で石破氏を推した竹下氏以外は首相にごく近い面々。政治部記者は「側近を幹事長に据えたい首相の本音がにじみ出た」。実際、首相は周囲に、側近の萩生田光一幹事長代行の名を上げ、「幹事長不在なら代行が幹事長だろ」と軽口を叩いた。

■福井と山梨、2つの知事選に注目

 これまで二階氏は、幹事長としてやりたい放題だった。最近、悪評なのが来春の福井県知事選を巡る対応。党幹部は、すでに4期目の西川一誠知事に対抗して出馬する杉本達治前副知事を推薦したいのだが、二階氏は了としない。

「そもそも自民党のルールでは、知事選候補の推薦は連続3期までだから、西川氏には出せない。だが福井の二階後援会は西川後援会が母体。二階氏がお世話になった西川氏に配慮している」との解説が専ら。党内からは「二階氏不在の間に杉本氏推薦を決めてしまえ」との声も聞かれた。

 二階氏にとっては、子飼いの長崎幸太郎元衆院議員が出馬する来年一月の山梨県知事選も気がかりだ。長崎氏は、05年の郵政選挙で故堀内光雄元総務会長の刺客になり、その後、堀内家と鋭く対立してきた。しかし二階氏は、11月27日、堀内氏がかつて率いた派閥「宏池会」の古賀誠名誉会長、岸田会長らを誘って会食し、地ならし。長崎氏への一本化で表面上はまとまったが、堀内家側の「面従腹背」の噂は絶えない。

 一時不在で噴き上がった二階氏への本音。老幹事長の求心力はこのまま落ちるか、再び高まるか。2つの知事選の結果が試金石となりそうだ。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2018年12月27日号)

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