「婚約はできない」会見の衝撃 秋篠宮さまの誤算と苦悩――2018下半期BEST5

「婚約はできない」会見の衝撃 秋篠宮さまの誤算と苦悩――2018下半期BEST5

53歳の誕生日を前に、記者会見に臨まれる秋篠宮さまと紀子さま 宮内庁提供

2018年下半期(7月〜12月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。皇室部門の第5位は、こちら!(初公開日 2018年11月30日)。

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毎日新聞編集委員であり、秋篠宮家取材の第一人者として最近では共著『 天皇交代 』(講談社)を上梓した江森敬治氏が、秋篠宮さまの誕生日を前にした記者会見でのご発言を重く受け止め、寄稿した。

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■父親としての偽らざる本当の気持ち

 11月30日、秋篠宮は53歳の誕生日を迎えた。来年5月に、兄皇太子は新天皇に即位する。これに伴って、秋篠宮は皇位継承順位第1位の皇嗣となる。それだけに、今回の誕生日会見は、大きな節目を迎える前の極めて大切な会見として位置づけられた。

 秋篠宮は記者たちからの質問に答え、皇嗣となる抱負などについて素直に語った。しかし、一番、注目を集めたのは延期となっている長女・眞子内親王の結婚問題についての発言だったかもしれない。

 本来ならば今年11月初め、眞子内親王は、大学時代の同級生で法律事務所職員の小室圭氏と結婚する予定だった。しかし、昨年末以来、週刊誌などが小室家を巡る金銭トラブルなどを繰り返し報道。今年2月6日、宮内庁は突然、眞子内親王の結婚を2020年に延期すると発表したのだった。今年夏には、小室氏は3年の予定で米国に留学してしまい、二人の結婚は、より混迷を深めることになった。

 結婚延期後、沈黙を守り続けている父親が、娘の結婚について何を語るのか。多くの国民は秋篠宮の発言に注目した。

「これは、二人にも私は伝えましたが、やはり、今いろんなところで話題になっていること、これについてはきちんと整理をして問題をクリアするということ(が必要)になるかもしれません。そしてそれとともに、やはり多くの人がそのことを納得し喜んでくれる状況、そういう状況にならなければ、私たちは、いわゆる婚約に当たる納采の儀というのを行うことはできません」

 眞子内親王の結婚についての考えや見通しなどについて聞かれた秋篠宮は、このように語った。私は、この発言に、娘の結婚に対しての父親としての偽らざる本当の気持ちが現われていると理解している。

■「問題をクリアするということ」の真意

 若干の補足説明をしてみたい。「今いろんなところで話題になっていること」というのは、小室家側の金銭トラブルについてであろう。この問題について秋篠宮夫妻は、小室氏と母親に、その事実関係について広く国民に説明することを求めている。しかし、現在に至るまで、実現していない経緯がある。ただ説明するだけではなく、多くの国民が小室氏の主張に納得する必要がある。そして、眞子内親王と小室氏との結婚が、多くの国民に心から祝福されるものでなければいけませんよ、とまで、秋篠宮は小室氏に要求しているのだ。「これについてはきちんと整理をして問題をクリアするということ(が必要)になるかもしれません。そしてそれとともに、やはり多くの人がそのことを納得し喜んでくれる状況」と語っている部分が、それにあたるのではなかろうか。

 こうした手続きを無事終えた後でないと、皇室の正式な婚約となる納采の儀(一般の結納)は行えません、とはっきり秋篠宮は、眞子内親王と小室氏に伝えている。このことも会見で、秋篠宮はきちんと説明しているのだ。

「私は、今でもその二人が結婚したいという気持ちがあるのであれば、やはりそれ相応の対応をするべきだと思います」という箇所にも、私は注目している。「相応の対応」というのは、納采の儀を行うにあたって、秋篠宮が小室氏に求めている金銭トラブルについての説明など、幾つかの条件に対する小室氏の対応についてであろう。この条件をクリアしない限り、娘と婚約させないと何度も秋篠宮は、小室氏に説明している。

 しかし、小室氏はいっこうにそれを解決しようとしない。そればかりか、結婚に対する自分の責任を放棄するかのように、アメリカに留学してしまった。秋篠宮は、こうした一連の小室氏の姿勢に、大きな不信感を抱いているのではなかろうかと私は推察している。

「本当に小室氏は娘と結婚したいのだろうか」「本気で結婚したいと思っているのか」「それであるならば、なぜ、私たちの要望を真っ先に解決しようと努力しないのか」「もっと私や娘に対して小室氏は誠意を示してほしい」とまで、秋篠宮は思い詰めているのではなかろうか。

「今でもその二人が結婚したいという気持ちがあるのであれば」という秋篠宮の発言。「二人が」と配慮しているが、おそらくは小室氏と名指ししたいところであろう、この発言にも、こうした父親としての葛藤や辛い思いが読み取れるのではないか。この会見から、秋篠宮は大事な娘の結婚に対する断固とした姿勢を示したのだと、私は理解している。

(江森 敬治)

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