棒に白いソックスをはかせたような細い足で摂食障害を心配する声も…愛子さまの葛藤とお召し物に見る“雅子さま離れ”

棒に白いソックスをはかせたような細い足で摂食障害を心配する声も…愛子さまの葛藤とお召し物に見る“雅子さま離れ”

2016年8月、「山の日」はチェックシャツ ©共同通信社

「未熟さも含めてご自分をしっかり見つめている」愛子さま“初の肉声”とホワイトの“ファースト・パンプス”秘話 から続く

 折々のファッションから見える愛子さまのご自覚とは。「文藝春秋」2022年5月号より、皇室ジャーナリストの佐藤あさ子氏による「愛子さま『お召し物ダイアリー』」を全文転載します。(全2回の2回目/ 前編 から続く)

◆ ◆ ◆

■「そんなことないです」

 松本駅の駅前、淡いパープルのワンピースをお召しになった愛子さまは、人々の歓迎に手を振って応えた。8月11日にはご一家でチェックのシャツを着て式典にご臨席。帰りの松本駅前では人々から大きな拍手が送られた。

 帰京し、新宿駅に到着したご一家はここでも多くの人々の出迎えを受け、「愛子さま、かわいい!」と大きな歓声が沸いた。エスカレータを上っていかれる際、愛子さまは、少しでも長く人々に応えようと上階の梁の下で身をかがめてお茶目に手を振られるなど、サービス精神たっぷりだった。

 ご一家は8月16日から静岡県の須崎御用邸でご静養。20日にいったん帰京され、24日からは栃木県の那須御用邸で静養された。那須塩原の駅頭にも大勢の人が集まったが、一人の女性と愛子さまの間でこんなやり取りがあったという。

「愛子さま、おきれいになられて」

「そんなそんな。そんなことないです」

 愛子さまは可愛らしく、照れながら答えておられたという。

「国民の皆さんに喜んでいただきたいという気持ちが芽生え、内親王としての務めを果たそうとされていたと思います。伊勢神宮や神武天皇陵を参拝し、京都御所に出かけられたことを通して、天皇家の歴史や伝統を身をもってお感じになったのだと思います」(前出・宮内庁関係者)

 だが、私は那須で気になる話を聞いていた。25日、ご一家は那須ステンドグラス美術館に出かけられた。毎年、ここのカフェを貸し切ってゆっくりお夕食を召し上がるのが恒例だったのだが、当日、急にキャンセルされたというのだ。

 愛子さまはお出ましのたびに、だんだんお痩せになっていくように見えた。同時に《やせられてきれいになった》《目がくりくりしてかわいい》など、容姿についての話題が雑誌やネットで繰り返されていた。

 29日にはご一家おそろいで、お友達の家族と那須どうぶつ王国に出かけられ、ドッグショーを楽しんだり、カピバラに餌をやったり、はつらつと過ごされた。愛子さまは動きやすいパンツ姿。トップスをインして、ソックスとスニーカーを履かれ露出は控えめ。リボンがついた青いチェックのシュシュで髪をきりっとひとつにまとめるなど、おしゃれ心も発揮されていた。取材中の私と目が合うと、律儀にぺこんと小さく会釈をしてくださった。

 ところが、9月3日、公務のために一足先に帰京されていた皇太子さま(当時)に続き、雅子さまと愛子さまが帰京されたが、東京駅で迎えの車に乗りこまれる際、愛子さまの顔色はすぐれず、明らかに元気がないように見えた。疲れてしまったのだろうか。つい5日前に那須どうぶつ王国で拝見した元気いっぱいの愛子さまとの違いに、漠然とした不安を感じた。

■息をのむほど細い足

 悪い予感は現実となった。9月26日から愛子さまは学校を“長期欠席”する。不登校再発かと心配される中、9月30日の記者会見で、小田野展丈東宮大夫(当時)から欠席の理由が公表された。

「『夏休みの宿題の提出やテストでお忙しく、始業前の朝、お昼休み、放課後と運動会の練習に参加されてお疲れが出たのではないか』とのことでした」(前出・宮内庁担当記者)

 10月1日の運動会もご欠席。6日には宮内庁病院で検査されたが異常は認められなかった。それでも10月18日から20日までの中間テスト、29、30日の八重桜祭(文化祭)にも姿を見せられなかった。

「実はその頃、宮中でも『やせてかわいい』とか『きれいになった』などと報道されないほうがいいのではないか、という声があったのです。周囲は無理なダイエットを心配していました」(前出・宮内庁関係者)

 愛子さまは11月8日から登校を再開されたが、お姿を拝見できたのは登校を再開された日から3日後の11月11日、学習院大学で行われた芸術鑑賞会でのことだった。この日は雨が降ったりやんだりで、とても寒い日だった。マスクをかけ、5、6人の警備に囲まれ、踏みしめるように慎重に歩く愛子さま。まるで棒に白いソックスをはかせたように細い足。摂食障害を心配する声も上がり始めていたこの頃のお姿は、冷たい空気とあいまって痛々しくて息をのむほどだった。

■リモート参加の文化祭

 今思えば、愛子さまは当時中学3年生の多感な時期。自分の見た目が気になるお年頃だ。すでに自撮りが当たり前の世の中で、中3の愛子さまも白いスマホをお持ちだった。夏休みに公私にわたってご活動の幅を広げられた愛子さまが、検索をかければご自分の容姿や服装について、国民がどう感じたのか、リアルタイムで知ることができたはずだ。

 それでも愛子さまは、欠席中にもお友達としっかり“繋がって”おられた。実は、前述の八重桜祭に“リモート参加”されていたのだ。

「愛子さまのクラスの出し物は、『雅女(みやびじょ)』という迷路とクイズを組み合わせた催しでした。参加してくれた人は、きれいな千代紙を張ったマグネットか、毛糸にビーズを通したミサンガのどちらかがもらえるというお楽しみ付きでした。(欠席した)愛子さまも景品を手作りして、職員の方を通して学校に届けていたようです」(学習院関係者)

 こうした友人の支えもあってか、高校入学後から愛子さまは回復される。明るくてひょうきんな本来のお姿が垣間見えるようになるのだ。

 2017年4月8日に行われた学習院女子高等科の入学式、校門前での記者の問いかけに対し、笑顔をたたえながらこう答えられた。

「先生方やお友達と一緒に充実した高校生活を過ごすことができればと思っています」

 愛子さまは凜々しかった。お顔にはうっすらスキー焼けのあと。3月末の静養の際の名残だろう。夢中でスキーを楽しまれたのを想像すると微笑ましかった。

 4月16日、学習院大学で行われた「オール学習院の集い」での愛子さまはフットワーク軽やかにキャンパスを飛び回っていた。馬術部の馬場を訪れられた際、お友達と馬に乗る順番をじゃんけんで決めていたが、チョキばかり出していることをからかわれたらしく、笑いが止まらなくなっていた。

「愛子さまは、幼稚園や初等科のころから家族ぐるみでお付き合いを続けているお友達に恵まれています。両陛下もご一緒で、どういうお考えのご家庭なのかをお知りになることにもつながったし、なによりお友達のご家庭はわきまえたお考えのあるご家庭でした。愛子さまがいい方向に向かったのは、お友達といい関係を築けていたのも大きいポイントだと思います」(前出・宮内庁関係者)

■お召し物からも“親離れ”

 2018年、高校2年生になられた愛子さまは、7月22日、イギリスの名門私立イートン校のサマースクールに参加されるため、羽田空港から出国された。午前7時40分頃、愛子さまが車で東宮御所を出発されたときは、窓を開け、満面の笑みで何度も会釈されていた。週末に髪をカットされたようで、夏らしい短めの前髪がお似合いだった。

「行ってきまーす、行ってきまーす」

 ミントグリーンのトップスの愛子さまは車の窓を開け、報道陣に元気よく挨拶された。その声を私もはっきり聴き取ることができた。3週間もの長い間、雅子さまと離れ離れになるのは初めてのことだった。

 お二人の関係性は、長らく“母子密着”と言われた。初等科の不登校時期の少し前からお二人とも腰までかかる超ロングの同じ髪型になさったのは、私も気になった。雅子さまのご体調が愛子さまに影響しているのではとも心配された。

 だが、愛子さまは高校生になって、服装やお持ち物に自分らしさをお見せになっていったように思う。通学の際のサブバッグは猫柄のラデュレのビニールトートバッグ、お財布はピンクの2つ折りで、内側にネイビーのボーダーがあしらわれているケイト・スペード、いずれもこのお年頃に相応なものだった。

 ポップな花柄が特徴のイギリスのブランド、キャスキッドソンのバッグや、デニムのミニスカート。こうしたガーリーテイストは愛子さまのお好みなのだと思う。友達との“女子会”で訪れたボウリング場では、ぐっと大人びたベージュのスカートに、カシュクールタイプのストライプのシャツをイン。雅子さまからの“親離れ”をファッションから感じるようになったのはこの時期だ。

「色々なことがありましたが、愛子さまは全てを成長の糧にされたのだと思います」(前出・宮内庁関係者)

 立派になられた愛子さまの成年会見を拝見し、私は思わず涙腺がゆるんだ。まじめなご性格の愛子さまは、小さい時から真剣に自分の立場と向き合われ、葛藤を繰り返してこられたのだろう。ご自身で体得された“ご自覚”。それが今回の会見で私たちが感じた安心の核心だと思う。

(佐藤 あさ子/文藝春秋 2022年5月号)

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