【写真多数】シンクの生ゴミ、鮭の皮…“食品サンプル”ギネス記録保持者の主婦が語る「私が出会ったヘンなサンプル」――2021年BEST5

【写真多数】シンクの生ゴミ、鮭の皮…“食品サンプル”ギネス記録保持者の主婦が語る「私が出会ったヘンなサンプル」――2021年BEST5

小幡さん

2021年(1月〜12月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。ライフ部門の第4位は、こちら!(初公開日 2021年12月11日)。

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 日本独自の文化として発展してきた食品サンプル。「世界一の食品サンプルコレクター」としてギネスブックに掲載されたこともある小幡さんに、その奥深い世界と自慢のコレクションを紹介してもらった。

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■8083個まで数えてやめた…ギネス記録保持者は主婦

 日本の一般的なレストランや食堂など、飲食店の店先に並べられているのが、本物と見まがうほどリアルに作られた食品サンプル。日本人にとっては子供の頃から見慣れた光景かもしれないが、外国人にとってはそうではない。

 海外では一部のアジア地域を除いてほとんど普及しておらず、欧米文化圏の人にとって、店先に並ぶ食品サンプルはまさに「クール・ジャパン」の象徴のようだ。

 来日した外国人観光客が興味を持つケースも多いようで、昨今の日本食ブームや訪日外国人の土産としての需要も増えている。外国人たちのSNSなどでも、「来日して驚いた日本の風景」のひとつとして、食品サンプルを取り上げているケースが見受けられた。

「海外だとレストランのメニューもほとんど文字だけで、写真が付いているのは珍しいですから、食品サンプルはなおさら珍しいのでしょう。私が知る範囲で外国の方に人気があるのは、外国にもあるような身近な料理とか日本らしい料理。お寿司や天ぷら、ピザやハンバーガーでしょうか」

 そう話すのは食品サンプルの世界に魅入られ、長年、コレクションし続けている千葉県在住の小幡晃子さん。2015年度版のギネスブックに掲載されたこともある、正真正銘、世界一の食品サンプルコレクターだ。

「私にとってはカラフルな食品サンプルは部屋を彩るリラクゼーションのアイテム。リアルなんですけどカワイイしキレイだし、なんだかおいしそうっていう、本当に単純な気持ちです。普通に道を歩いていてもやっぱり目に入ってくるし、『この色はキレイだな』とか『この造形はちょっと甘いな』とか自然に思っちゃいますね(笑)」

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 小幡さんの自宅部屋にはコレクションが所狭しと飾られているが、ごく普通の主婦である小幡さんがコレクションを始めたきっかけは小さな食品サンプルだった。

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「子供の頃から何となく好きではあったんですが、集め始めたのは20歳の頃だったと思います。その頃に遊びに行ったディズニーランドで見つけた小さなマグネットタイプのお土産品がきっかけでした。

 その時はかわいいな、面白いなと思ったくらいでしたが、よくよく考えてみたら、あの食品サンプルってお店をやってる人じゃなくても普通に買うことができるんだって気づいて。

 それから空港のお土産屋さんで売っているようなミニチュアの食品サンプルなんかを見つけるたびに集めるようになって、気が付いたらいつのまにか合羽橋の専門店に毎月通うくらい夢中になっていましたね」

■コレクションの中で最も高価なものは

 30年以上かけて集めたコレクションは膨大で、ギネスブックに掲載されたコレクション数は8083個だが、実際にはもっと多いようだ。

「自分では幾つあるか把握していないのですが、ギネスワールズレコードのスタッフと認定員さんが我が家に来てカウントしたところ、ギネス世界記録に該当するアイテム数は8083個とのことでした。重複しているものやドリンク類などはカウントされないそうで、条件を満たさないものを含めれば1万点以上あったそうです。今はそこから更に増えていますね」

 コツコツと買い集めただけに、かかった総額がいくらになるのか想像もつかないというが、一般的に食品サンプルの価格はどのくらいなのか。

「お土産用の小さなものだと700〜1000円程度で買えますし、凝ったものだと2万円前後するものまであります。有名な食品サンプル製造会社の「ながお食研」さんに特別に依頼して作ってもらいました」

 実は、食品サンプルは、各店舗が買い取らずにリース契約をしているケースが多いという。そのため、何度もリースされた中古品が売りに出されることもあり、そうした掘り出し物に出会う楽しみもある。

「基本的には普通に売っているものを買っていますが、年に1〜2度、食品サンプルを作っている職人さんのイベントが開かれたりするので、そこに足を運んだりもしています。ただ、コロナ禍もあってここのところイベントもやっていませんし、残念ながら店を閉めてしまった老舗の専門店もあります」

■背丈ほどあるジャンボパフェ…お気に入りのサンプルたち

 コレクションを続ける中で出会う変わり種のサンプルもこの世界の醍醐味だという。そんなコレクションの中から、お気に入りの品を紹介してもらった。

プリン・ア・ラ・モードはオーダー品

「個人的に気に入っているのは、このジャンボパフェです。展示品だったものを手に入れました。パフェやアイスなどのスウィーツ系はカラフルで見ていて楽しいですね。プリン・ア・ラ・モードはオーダー品です」

ハンバーガーは外国の方にも人気

「ハンバーガーは外国の方にも人気がありますね。お肉や野菜のシャキシャキ感はもちろんですが、私は特にカリカリに焼かれたベーコンのクオリティが気に入ってます」

焼き魚の焦げ、牛タンの肉汁の再現力

「焼き魚の焦げた部分や、牛タンの肉汁が本当に滴っているような再現力は本当にすごい」

■焼き鮭の皮、生ごみ...変わり種いろいろ

「何に使うためのサンプルなのかよく分かりませんが、ちょっと変わり種のサンプルもあって、なぜかカレーの臭いがするサンプルもありました。ほかにもラーメンがどんぶりからこぼれた場面を再現したものや、焼き鮭の皮だけ、お茶碗に食べ残された納豆なんてものも。もっと変なものだと、シンクのコーナーに捨てられている生ごみを再現したものもありますよ」

リアルなオムライス

「このオムライスはろう製で、コレクションを始めた最初の頃に手に入れたかなり古い品物です。あまりのリアルさに本当に感激しました」

スイッチカバーやアクセサリーにも

「部屋の電気スイッチに取り付けて使うスイッチカバーも結構バリエーションがあります。こっちのイクラはスマホスタンドです。ほかにもアクセサリーにも使われていたりして、このマスクチャームや、ベーコンのブレスレットなんかもあったりします」

見ていて楽しい“エアフォーク”

「空中にフォークが浮いているような造形は“エアフォーク”って呼ばれてます。見ていて楽しいですよね」

(清談社)

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