野菜や草が釣りエサになる!? 実は大物まで釣れる“意外すぎるエサ”4選

野菜や草が釣りエサになる!? 実は大物まで釣れる“意外すぎるエサ”4選

明らかにアミエビではない謎の生き物

 以前、 スーパーに売っている「シーフードミックス」「サクラエビ」「イカ」などの食材でも魚が釣れることを紹介した ように、視点を変えると釣り餌になり得るものは意外と身近なところにある。特に現地調達したものは、もっとも確度の高い餌といっても過言ではない。

 また、刺し餌への添加物の進化によって、何の変哲もない野菜が釣り餌になることもある。今回は、変わった餌で釣れた意外な生物を紹介していきたい。

■冷凍アミエビに混入する「謎の生物」

 サビキ釣りのコマセとして使用する冷凍アミエビ。しかし、釣具屋で売っているアミエビの内容物は「アミエビ」だけではない。解凍して使用していると、カゴに異物が混入していたことはないだろうか。

 これらはアミエビに混入してしまった魚である。中国産の冷凍アミエビに見られ、コマセカゴが詰まる原因になるので厄介な存在だ。しかし、チリメンジャコにも「チリメンモンスター」と呼ばれるフグや甲殻類が混入する。「アミエビモンスター」もよく見ると可愛いではないか……。

 不本意に漁獲され、餌にもなれなかった魚たちを救いたい……。ブロックからかき集めて、これらのモンスターたちで魚が釣れるか検証してみた。

■ぶっこみ釣りの餌にしてみると海のギャングが…!

 この異物はブロックによって変わり、小イカが入っていることもあれば、ギンポのような魚が大量に入っていることがある。

 かき集めた異物の臭いを嗅いでみると……臭い!

 強烈な刺激臭が鼻腔に突き刺さる。アミエビに漬け込まれたことで発酵して酸っぱさが際立っていた。しばらくの間、鼻に付いて離れない不快な状態が続いた。

 しかし、臭いということは集魚効果は最高レベルに達しているのではないか……(希望的観測)。大きな針に掛けて堤防から投入してみた。

 しばらく経っても反応がなく、さすがに臭いが強ければ集魚効果が高いというのは安直な発想かと思っていたところ、竿先に反応が出た。わずかに揺れる程度だったが、合わせてみると重量感のある手ごたえを感じて大型魚を確信した。

 そして、上がってきた魚はウツボだった。

 漁港に破棄された魚などを捕食するウツボにとって、アミエビモンスターはごちそうだったのだろう。300円程度のアミコマセで豪華なウツボ鍋までできたので一石二鳥であった。

 また夜のぶっこみ釣りに使用すれば、マアナゴや根魚も釣れそうだ。実際、スズキやタコが釣れたという報告もあり、大きなポテンシャルを秘めた釣り餌に違いない。

 本来サビキ釣りの餌である冷凍アミエビブロックで+αの釣りが楽しめるなら不純物も立派な餌であろう。私が確認しただけでもギンポ、イカ、タチウオ、その他小魚が入っておりガチャ感覚で楽しむこともできる。

■川岸に生えた「草」で釣りをしてみた

 先ほどのウツボとは正反対に植物を主食とする魚もいる。特にコイ科の草魚(ソウギョ)は、名前に「草」が付くことからも生粋のベジタリアンである。

 岸際に生えたアシが上げ潮により水没すると、柔らかい葉っぱを喉にある咽頭歯で器用に擦って食べるのだ。また川面に頭を突き出して、水に浸かる前のアシまで捕食するほど地上の餌を求めている。いつか足(アシ)が生えて陸上生活する日も近いのではないか。

 私も昨年、1メートルを超えるソウギョにロマンを求めて釣りに向かった。釣り方はアシの葉を束ねて3本の針にかけて川に投げ込むだけだが、普段は海釣り中心の私からするとまったく奇想天外な釣法であった。

 本当に草で魚が釣れるのか? 数日間張り込んだ結果、 104cmのソウギョを釣ることができた。

 ソウギョは決まった回遊コースを持つので、アシを川に沈め翌日かじられた跡があれば、再び回遊してくる可能性が高い。餌代はタダなので是非挑戦してみて欲しい。

■海の魚も植物を餌にしている

 また海水の魚でも植物を餌にする魚が存在する。もっとも身近な魚ではメジナがそうだ。メジナ釣りの代表餌であるオキアミを使って漁港のスロープで釣りをしていたところ、フグばかりが釣れて一向にメジナが釣れない。そこでスロープに生えたアオサを試しに餌にしてみると……あっさり釣れた。しかも、同行者含めて3匹立て続けにだ。

 アオサはメジナ釣り師の中では当たり前に使われる餌であり、「ノリメジナ」という釣法が確立されている。しかし、この釣りを知らない人からすると、足元に特餌があるなんて思いもよらないだろう。

 餌取りであるフグを避けることもできるため、仕掛けの回収時に付け餌がまったく残ってこないときにも有効だ。またベジタリアンというには大げさだが、他にもブダイなど時期によっては海藻を偏食する魚も存在する。

 アオサの採取を禁止している地域もあるので、釣りをする際は各都道府県の漁業調整規則を調べていただきたい。

■果たして野菜で魚は釣れるのか

 私は週3、4日釣りを行うので、常に安くて釣れるコスパの良い釣り餌はないかと考えている。その候補として挙がったのが野菜だった。例えば、もやしなら20円で購入でき、大根も100g約10円程度なのでイソメと比べると破格である。

 釣り業界に革命を起こす餌を求めて、野菜の釣り餌検証を行った。

 まずはもやしのちょい投げ釣りから。

 そのまま針に掛けようとすると、シャキシャキ感が売りのもやしではイソメのように通し刺しできないので餌持ちが悪い。無理矢理刺して投げてみてもアタリは得られず、誘いを入れてアピールさせても無反応であった。革命とは一体……。

 ここで諦めず、「検証その2」としてアミノ酸濃縮液に漬け込んでみた。

 アミノ酸は、魚の味覚や嗅覚を刺激して摂餌欲を高めるとされている。釣り餌としてメジャーなオキアミやゴカイ、アサリにはもちろんアミノ酸が含まれている。添加剤に漬け込んだ野菜で魚は釣れるのか? 少し強引だが検証してみることに。

 押江込蔵に半日漬け込んだもやしがコチラ。

 シャキシャキ感のあったもやしは水分が抜けて萎びてしまった。しかし漬け込むことで下記の効果が得られた。

・もやしに柔軟性が生まれ餌付けが楽になった

・黄色く着色され存在感が増した

・アミノ酸が添加され強化もやしになった

■科学の力で魚との知恵比べを制することはできるのか?

 押江込蔵に漬け込んだもやしは、もはや人間が食べてはいけない状態になってしまったが、このもやしで魚が釣れるのか。同じくちょい投げ釣り開始。

 ジャリメを使ってキスを狙うように、もやしを2cmほどに切って通し刺した。海底をゆっくりさびいてくると……サビハゼが釣れた。

 さらにメゴチまで釣れた。

 野菜が餌になったのだ。アミノ酸を添加することで集魚効果を生み出すことが分かった。

 この検証をさらに深めるべく別の日に大根を使って試してみると、こちらもアミノ酸強化大根では釣ることができた。

 野菜が釣り餌になるということが証明されたのだ。

■コスパ最強のポストの座は…

 ただし、厳しい現実とも向き合わなくてはいけない。アミノ酸に漬け込んだ大根の釣果がキス1匹に対して、ジャリメは6匹と大差がついた。

 ゴカイ類が餌として優れているのは歴然だった。野菜が釣り餌になり得る証明はできたが、コスパ最強のポストの座は見送られた。アミノ酸濃縮液はもともと集魚効果のある付け餌に添加し、その効果を最大限に高めるために使用することをオススメする。

■極小サイズの魚を使った泳がせ釣り

 大物を釣る手段として、生きたままの魚を餌にする「泳がせ釣り」が適しているのは周知のとおりだが、実際にイワシやアジなどの確保に苦戦したことはないだろうか。私も現地餌を頼りに向かうと、そんなときに限ってサビキで何も釣れなかった経験がある。そうなると泳がせ釣りも終了のお知らせである。

 どうにか泳がせ釣りができないものかと漁港を散策していると、数cmの小魚が集団で回遊していることに気が付いた。小魚は夜になるとフィッシュイーターから身を守るため、漁港のスロープなどの浅瀬で集団行動をとっている。

 網でひとすくいしたところ、トウゴロウイワシの稚魚が捕れた。

 5cmにも満たない小魚であったが、泳がせたら何か釣れないか? 早速漁港で釣りを行った。餌が小さいので体力の消費を考慮して、針は小さめのグレ針の4号、ハリスは1号を選択。夜の電気ウキ仕掛けを投入した。

 すぐさまウキが沈んだので上げてみると……アジが釣れた。

 アジも立派なフィッシュイーターだと実感した。

 さらにはカマスも釣れた。

 その後もアタリは止まらず、結果は信じられないほどの爆釣であった。

 餌が小さいので普段の泳がせ釣りより一つ下層の食物連鎖が起きたのであろうと思っていたが、釣れる魚は小型の回遊魚だけではなかった。

■小型回遊魚だけじゃないマイクロ泳がせ釣りの魅力

 漁港で採取できる稚魚は、トウゴロウイワシだけではなく、むしろボラの稚魚であるハクの方が一般的だ。

 シーズンごとにこの「マイクロ泳がせ釣り」の釣行を重ねた結果、青物やシーバス、タチウオ、そしてカタクチイワシまで釣れたのだ。

 2cmの魚体で大型魚にアピールできるものなのかと思うが、集団行動をしている中で1匹だけ針に掛かり不規則な行動をとっていれば、弱っている個体と勘違いされて真っ先に狙われるのだ。大型魚も適当に群れに突っ込むのではなく、意外と摂餌効率を考えて食べやすいものを狙っている。

 ボラが生息している地域では、夜の漁港や磯の浅瀬でもすくうことができるので、泳がせ釣りの餌確保の最終手段として試していただきたい。

■魚の食性を理解することで釣り餌の可能性は広がる

 釣具屋に置いてある餌がすべてではなく、意外と釣れる餌は現地の足元で捕れる生物だったりする。もしも魚が釣れない場合は、ミクロな視点で釣り場を観察してほしい。実は特餌が転がっているはずだ。

 今回紹介した内容はYouTubeの「ぬこまた釣査団チャンネル」でも詳しく紹介しているので、ご視聴&チャンネル登録をよろしくお願いします。

写真=ぬこまた釣査団(大西)

(ぬこまた釣査団(大西))

関連記事(外部サイト)