「あれでお役に立っているのでしょうかね」秋篠宮さまと黒田清子さんゆかりの研究所“経済的窮状”に、上皇さまと美智子さまが仰ったこと――2021年BEST5

「あれでお役に立っているのでしょうかね」秋篠宮さまと黒田清子さんゆかりの研究所“経済的窮状”に、上皇さまと美智子さまが仰ったこと――2021年BEST5

2005年3月16日、山階鳥類研究所に入られる紀宮さま ©時事通信社

2021年(1月〜12月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。皇室部門の第4位は、こちら!(初公開日 2021年11月16日)。

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 2005年11月15日、黒田慶樹さんとの結婚式と披露宴の日を迎えられた紀宮さま(現・黒田清子さん)。ご勤務先であった山階鳥類研究所の元所長・山岸哲氏による「天皇皇后両陛下123人の証言 山階鳥類研究所のお子様たち」(「文藝春秋」2019年5月号)を特別に公開する。( 前編 から続く)

(※年齢、日付、呼称などは掲載当時のまま)

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■紀宮様のお誕生日茶会にお招きを受けて

「十年一昔」というから、二昔ほど前のことだ。私は秋篠宮殿下を総裁にいただき、紀宮様(現在は黒田清子さん)が非常勤研究員をされていた山階鳥類研究所で所長を勤めさせてもらっていた。ある年の紀宮様のお誕生日茶会に皇居にお招きを受けて、ご祝辞を申し上げたことがある。研究所での紀宮様のご研究やご生活ぶりを、両陛下ならびにご参会の皆様にお伝えしたのであった。

 祝辞が終わると、両陛下と紀宮様は、真っ先に私のもとにお近づきになり、陛下から「所長、山階は大変らしいですね」というお言葉をいただいた。おそらく、所員会議のたびに私が口にしていた「研究所の経済的窮状」の話を紀宮様や秋篠宮様から、お聞き及びになっていたに違いない。私は、「そうなんです。お助け下さい」と言えばいいところを、「大変でございますが頑張っております」と強がりを言ってしまったのである。

■美智子さまは「あれで、お役に立っているのでしょうかね」

 皇后陛下からは、「紀宮は毎週、山階へお伺いしているのですが、私は、ほとんど何をしているのか詳しくは知りませんでした。本日初めて、具体的にお聞きでき、研究所でどのような生活をしているのかが分かり、大変ありがとうございました」というお言葉があった。お兄様の秋篠宮殿下が総裁をされていることにお礼を申し上げると、「あれで、お役に立っているのでしょうかね」とほほ笑まれたのが印象的だった。

 会も終わりに近づき、ご退出されかけた陛下は、もう一度私のところへ戻られ、「所長、研究所は大変だそうですね」とおっしゃられた。私は、陛下の優しさにただただ恐縮して、「大変ですが頑張っています」と繰り返したのである。

 その数年後、園遊会にお招きを受ける機会があった。私が隅の方でかしこまっていると、陛下は近づいてこられ、「所長、研究所は最近どうですか?」とお声かけいただいた。私が直立不動で条件反射のように「大変でございますが頑張っております」とお答えしたのは言うまでもない。

(「文藝春秋」2019年5月号より)

(山岸 哲/文藝春秋 2019年5月号)

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