〈同居女性の人骨を発見、捜査へ〉パジャマ姿の老婆が裸足のまま「殺される!」と絶叫 埼玉・本庄市5歳児虐待死 4人の歪な同居生活

〈同居女性の人骨を発見、捜査へ〉パジャマ姿の老婆が裸足のまま「殺される!」と絶叫 埼玉・本庄市5歳児虐待死 4人の歪な同居生活

事件現場となった柿本知香容疑者らの本庄市の自宅 ©共同通信

〈同居女性の人骨を発見、捜査へ〉埼玉・本庄市5歳児虐待死 ラーメン店主が目撃した“異常光景”《息子を正座させた母は…》 から続く

 今年3月、埼玉県本庄市で住宅の床下から柿本歩夢君(当時5)の遺体が見つかった事件。埼玉県警は6月6日、同家の床下から新たに白骨化した高齢女性の遺体が見つかったことを発表した。遺体は同居していた高齢の女性と特定され、事件性を捜査する。

 歩夢君の虐待と老女の失踪。いったい、この家では何が起きていたのか。関係者4人のいびつな同居生活を詳報した「 週刊文春 」記事を公開する。(初出:週刊文春 電子版 2022年3月9日 年齢・肩書き等は公開時のまま)

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■「酒の飲み過ぎ」で死亡したある男性

 現場となった借家は、かつて駄菓子屋が営まれていた築50年の2階建て木造住宅。ここでいったい何が起こっていたのか。

 実は、この家では過去にも不審な出来事が起きている。長らく空き家だったこの物件に借主が現れたのは12年前のこと。所有者によれば、家賃は3万9000円だという。

「最初に移り住んだのは、県南の自宅を売ってきたという裕福なお婆ちゃん、その息子、お婆ちゃんの面倒を見ている別姓の老人男性の3人でした。その老人男性は昔、競艇選手だったそうで、1億円以上稼いだと自慢してました」(地元住民)

 転居から間もなく、老婆の息子が死亡。老人男性は原因を「酒の飲み過ぎ」と周囲に語っていたという。

「すると、老人男性が『1人で婆さんの面倒を見るのが大変だから』と、千葉県からサポートに呼んだのが、丹羽と石井でした。来た時から2人は交際していましたね。丹羽は元ラガーマンだという少し陰気な中肉中背の男。石井は髪が長くて恰幅のいい中年女性で、夏場になると額に“冷えピタ”を貼って自転車を漕いでいました」(別の地元住民)

 やがて借家の窓には、内側が見えないように目張りがなされた。

■老婆が「殺される!」と駆け込んできて…

「殺される!」

 パジャマ姿の老婆が裸足のまま近くの板金屋に駆け込んできたのは、丹羽が同居を始めて以降の、ある朝のことだった。その場には警察官も駆け付けている。

「丹羽らは、警察に『お婆ちゃんは認知症だ』と説明していました。家の窓に目張りをしたのは、『外が見えるとお婆ちゃんが出歩きたくなるから』だと」(板金屋の女性)

 老婆が板金屋に駆け込むことは、その後も何度かあったという。丹羽は本庄市内の商業施設で働いていた時期もあったが、逮捕時は石井とともに無職だった。

「お婆ちゃんと老人男性の2人は数年前、あまり時期を置かず、急に姿を見かけなくなりました。不審死したとか、丹羽らが2人の遺産で生活しているとか、ちょっとした街の噂になりました」(近隣住民)

 そして昨年1月、丹羽が世帯主となっていたこの借家に、新たな同居人として加わったのが、柿本と歩夢くんだったのだ。柿本は市内の工場で派遣社員として働き、歩夢くんを自転車で保育園に送り迎えしていたという。

「殺意があったのか、虐待の末の致死なのか。死因や死亡経緯が判明後、3人は再逮捕される見込み。床下に穴を掘り、歩夢くんの死体を埋めたことは3人とも認めている」(前出・記者)

 逮捕発表後、市は記者会見で「母子関係は良好で、虐待があったという認識はなかった」と主張したが、ラーメン店の店主はこう語る。

「赤の他人が、何もしていない5歳児を執拗に責め続け、母親はそれを止めることもしない。僕が目の前で見たのは、明らかに児童虐待でした」

 4人の歪な同居生活には、まだ底の見えない闇が広がっている。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年6月2日号)

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