23区内で住むなら“文京区が最強”のワケ

23区内で住むなら“文京区が最強”のワケ

湯島天満宮(湯島天神) ©?iStock.com

 コロナ禍は多くの人々に自らのライフスタイルを見直すきっかけを与えた。毎朝毎夕、通勤する、つまり会社に出向いてオフィスの机に座ることが働くことと信じていた価値観に大きな影響を及ぼしたのだ。

 今、コロナ禍がある程度の終息を見せるに至って、多くの企業では今まで通り朝の出社を命じ、オフィス街に人が戻りつつある。だがいっぽうで、仕事の一部にリモートワークのほうが効率もよく、通勤をしていた時間を、資格の取得や副業、趣味の充実など、より有効に使おうという考え方が、企業や社員にも着実に浸透してきた。

 いわばアフターコロナは「働く」と「住む、暮らす」のハイブリッドな時間配分が求められる時代になっているともいえるだろう。

 今までほどオフィスに拘束されることはないけれど、昭和平成脳の価値観しか持ち合わせない経営者や上司がいる会社で、さてこれからのビジネスパーソンはどこに住むのがよいのだろうか。23区内に住んで環境が良くて、都心にも近い。自由な時間内では街で遊んだり、歩くとわくわくしたり、ご飯やスイーツもおいしくて、歴史や文化の香りがするとよい、子供たちの学校も心配、などなどいつの時代になっても住む家の選択肢は人それぞれ、欲望のてんこ盛りだ。

■一部の線路地を除いて、ほぼすべてが山手線内

 こうした願いを一番にかなえてくれる最強の区が文京区だ。まずは都心へのアクセスだ。リモートワークが増えたといっても都心に気楽に出向けるのは便利で快適だ。JR山手線は通勤電車の基幹ラインだが、文京区はほぼすっぽり山手線内に位置する。山手線内であれば都心へのアクセスが良い、と想像できるが、東京23区で完全に山手線内に入る区は存在しない。千代田区は東京駅八重洲口近辺で線路を跨ぐ。港区は芝浦、お台場で完全に線外だ。中央区に至ってはほぼ全域が線外だ。文京区は山手線の「駒込」駅と「巣鴨」駅間のほんの一部の線路地を除いてすべてが山手線内にある。

 区内を通る鉄道にはJRはなく、多くの路線が南北に走り、千代田区との境目である神田川めがけて下りてくる。この受け皿となるのが東京ドームのある飯田橋や水道橋、そして御茶ノ水のJR線各駅になる。区の西側より東京メトロ有楽町線、丸ノ内線、都営三田線、東京メトロ南北線、千代田線と都内各所へのアクセスは抜群だ。区の東西を結ぶのが都営大江戸線で、東京ドームの北側を東西に突っ切り御徒町にたどり着く。

■文化的な香りを残す人気の街

 住み心地はどうだろうか。文京区は江戸時代から大名屋敷が軒を連ねていたこともあって高級住宅地に事欠かない。本郷に近い西片、三菱財閥の重鎮が好んで住んだ大和郷(やまとむら)、本駒込、茗荷谷に近い小日向、目白台などは、高台に位置する都内屈指の高級住宅地だ。

 文京区はお高くとまったセレブの街ばかりで構成されているわけではない。「谷根千」として今ではすっかり有名になったが、文京区の根津、千駄木に台東区の谷中を加えた下町エリアには、手ごろな価格の飲食店、居酒屋、物販店が並ぶ。それでいて明治時代には夏目漱石や森鴎外などが居宅を構え、文化的な香りを残し、人気の街である。住宅価格も高台エリアに比べれば割安であり、それでいて情緒豊かでくすんだところがない。

 江戸時代から、幕府は江戸の北からの夷狄の侵入を防ぐ目的があったとされるが、この文京区や台東区のエリアに多くの神社仏閣を配置した。確かに区内を歩くと、区の面積のわりに実に多くの神社仏閣があることに気づかされる。東京十社のひとつ、つつじで有名な根津神社をはじめ学問の神様湯島天神、白山神社、護国寺、伝通院、吉祥寺など大小数多くの神社仏閣は、街のそぞろ歩きにもってこいだ。

 神社仏閣は多くの緑を提供するが、区内には公園も数多く存在する。本駒込にある六義園は徳川綱吉の側用人だった柳沢吉保の下屋敷として造営された大名庭園である。春には庭園内の桜が、秋には紅葉がライトアップされ、地元のみならず多くの人が詰めかける。小石川植物園は、江戸幕府が設けた御薬園が始まりで現在は東京大学理学部の所管。春の桜のシーズンには多くの花見客が押し寄せる。東京ドーム近くの後楽園は水戸藩主二代目光圀の時に完成した大名庭園で6月ころには花菖蒲が咲き誇る。

■小・中・高から大学まで 充実した教育環境

 子供を持つファミリーにとって、教育環境は最も重要視するところだろうが、文京区には大学は東京大学をはじめとする国立大学のお茶の水女子大学、東京医科歯科大学、筑波大学があり、日本医科大学、順天堂大学、日本女子大学、拓殖大学、東洋大学など数多くの私立大学も学舎を構える。

 こうした大学に多くの生徒を送り込む有名校もひしめく。悠仁様の進学ですっかり有名になった筑波大学附属高校、お茶の水女子大学付属高校、桜蔭学園、駒込高校、郁文館高校、都立小石川中等教育学校などだ。

 公立小学校も負けていない。区内には3つの国立小学校(筑波大学、お茶の水女子大学の附属の小学校に加え東京学芸大学附属竹早小学校)があるうえ、3S+Kと呼ばれる誠之、千駄木、昭和、窪町小学校は教育熱心なファミリー垂涎の学校で、区内で売り出される新築や中古マンション、戸建て住宅を選ぶ際には、まずこれらの学校に通学できるかどうかが重要な判断基準になるという。

■子供から高齢者までが楽しく過ごせる桃源郷

 高齢者にとって気になる医療機関も充実している。東大病院、順天堂大学病院、東京医科歯科大学病院をはじめ、日本医科大学病院、都立駒込病院など都内有数の医療機関が区内に立地する。

 「寛ぐ・遊ぶ」にはどうだろうか。関口には椿山荘がある。庭園内にはこれからの季節多くのホタルが飛び交い、夏の風情を醸し出す。子供連れで遊ぶには東京ドームシティだ。ジェットコースターから眺める東京都心の景色はここでしか見られない圧巻の光景だ。ゲームに夢中になる子供だけでなく、野球、ボクシング、プロレスなどの観戦、東京ドームはおじさんたちにも格好の遊び場だ。東京ドームには三井不動産が出資をして話題となった。今後三井不動産が中心となってさらに楽しいエンターテインメント施設の開発が相次ぐことも期待できる。

 結論的には、文京区は子供から高齢者までが楽しく過ごせる山手線内にある唯一の桃源郷のような街だ。アフターコロナの時代、仕事もするから都心のオフィスへのアクセスは重要。でも遊びもランニング、ウォーキングなどの運動も、おいしい食事や寛ぎも欲しい。歴史や文化にも包まれていたい、緑の多い環境にやさしい街にいたい、エンターテインメントも楽しみたい。子供の教育もちゃんとしたい。いざとなったときにも安心の医療施設。最後、お墓に入った時にはお寺も、などなど。

 実は文京区はこうした欲張りな東京人の願いをほとんどすべてかなえてくれる老若男女すべてにとって快適なイチオシの区なのである。

(牧野 知弘)

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