駒込駅近で100度越えのサウナ&かけ流し水風呂からの… “正統派”のもつ焼きと町中華で〆てみた

駒込駅近で100度越えのサウナ&かけ流し水風呂からの… “正統派”のもつ焼きと町中華で〆てみた

新旧サウナ―から愛される

 寝そべれるアツアツのサウナ室。質の良い井戸水の水風呂、屋外ジャグジーのある外気浴スペース。ととのった後はキンキンに冷えたホッピーで喉を鳴らし、こってりとした甘辛いタレをまとった新鮮なもつ焼きを一口。タレのうまみを追いかけるようにやってくるモツの歯ごたえは、五感が研ぎ澄まされたサウナ後にはこの上ない口への御褒美と化す。そして、氷が解け少しまろやかになったホッピーで口腔を洗い流す。

 サウナでととのい、感覚が研ぎ澄まされたあとの晩酌は、何物にも代えがたい魔力を秘めている。日本中のサウナと酒場に行き倒してきた筆者が“ととのい気分で極上サ飯を巡礼”する企画、それが日本サ飯紀行である。

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■カプセルサウナには珍しい男女両用

 今日は朝から重たい会議だった…。サウナの時間の事だけを考えながら、何食わぬ顔で意見をいって何とか乗り切った…。時刻は17時50分。駒込駅東口を出て徒歩30秒で年季の入った看板とかわいらしい青いロゴマークが見えてくる。サウナ・スパ協会加盟店のマークもまぶしい、由緒ある正統派ジャパニーズスタイルサウナ、それがカプセル&サウナ・ロスコだ。

 昭和26年に開業の銭湯をルーツにもつロスコは、昭和47年にサウナ施設として今の施設の形になった。男女両用という珍しさもこのあたりが関係しているのかもしれない。男性のサウナ室は、10人以上は入れる広々とした空間で、都内ではかなり珍しい寝そべれるタイプのベンチを完備。温度は100度越えの昭和ストロングスタイルで、すぐに体があたたまるという、せっかちにはもってこいの下町スタイル。サウナ室の目の前にある水風呂は、銭湯時代からの地下水かけ流しタイプ。水質もやわらかく、バイブラもありかなり気持ちがいい。

■サウナー達の密かな穴場

 外気浴ゾーンの中央には“脅威の健康回復物質「SGE天降石」で天然水を磨いたスーパー露天風呂(ジャグジー)”があり、その周りではめいめいがまったり、ととのいタイムを過ごしている。ちなみに私はジャグジーのへりでととのうのがオススメだ。小さいながらも、サウナ・水風呂・外気浴すべてにおいて一定基準を超えて来るこの施設は、サウナーの間では密かな穴場として知られている。

 本格派のメニューを取り揃えた食堂に後ろ髪を引かれながら、断腸の思いで施設を後にする。今日は向かう所があるのだ。ととのった体でゆっくりと下町の商店街を歩く。駒込の北側は北区に接しており、下町情緒がまだかすかに残っている。JRの高架下をくぐり、商店街を抜け、小さな路地に入る。すると目に飛び込んでくるのは高賢と書かれた鮮やかな赤ちょうちん。

■由緒正しき酒場のたたずまい

 もつ焼き高賢。中に入るとテーブル席がいくつかあり、カウンターは店内の奥まで伸びている。カウンターの中ではモツ串がいいにおいを漂わせながら白煙を上げている。その前に陣取り、まずは焼酎ハイボールを注文。下町では“ボール”という呼称で愛されている。危険な飲み物だ。今日も無事にサウナに入れたことに感謝。いよいよジョッキに口をつける。美しい黄金色の液体は、食道がまるでウォータースライダーかのようにするすると喉を通過、胃に到達する。するとアルコールが体に取り込まれ、気持ちのいい感覚がじんわり立ち上がってくる。

 ようやく心も落ち着き、ゆっくりと店内の様子を眺める。所狭しと掲出されたメニューの数々。ひっきりなしに焼かれているウマそうな串焼きはもとより、マグロの脳天炙り刺し、トマトとザーサイのナムルなど、一見オーソドックスだが、一癖ありそうなメニューが、もつ焼き屋のそれとは思えないくらいのバリエーションで迫ってくる。

■独創性に富んだツマミの数々

 一品目に頼んだのは高賢ポテサラ。山頂にのせられた半熟味玉から流れ出る溶岩のような黄身がねっとりと絡まり、濃厚この上ない。ととのった体に、なかなかの先制パンチ。

 次にトマトとザーサイのナムル。薄くスライスされたトマトとザーサイの赤と緑のコントラストが目にも鮮やかで食欲をそそる。見た目のオシャレさに反してパンチのきいたタレはどんどん酒を進ませる。どのメニューも常に臨戦態勢。

 そこへ肉刺し3点盛りが到着。ピンクがかった肉の表面にしっとりと水分を湛えるその瑞々しさは、官能的としか言いようがない。その文字通り肉感的な歯ごたえと、噛むほどにじみ出る肉本来のもつ甘みがもたらす旨味の底なし沼に、堪らず水風呂(酎ハイ)へ直行。酎ハイの炭酸水は、サーバーから注ぐ炭酸水を使用。ラインナップもハイサワー、ザクロ、クエン酸など、どれも水風呂だったら今すぐ飛び込みたい申し分のないラインナップ。

■正統派もつ焼き屋の系譜を受け継ぐ

 ご主人は秋元屋の系譜にある“やきとん赤尾”で修行された後、水道橋の“でん”で焼きを担当。この経歴、もつ好きの読者諸賢であれば間違いないと確信していることでしょう。その後もカシラ、シロ、すべてにおいて火入れの素晴らしい串が次々に供される。ちなみに火入れはサウナでいえばサウナ室のセッティング。つまりここが肝なのである。

 そして本日のメイン、網レバが到着。上質の網アブラと丁寧にくるまれたレバのハーモニーに濃厚なみそダレが追い打ちをかける。正直この時点で、発症以来努力で封じ込めてきた通風の発作がいつ起こってもおかしくない状況に。もはや背徳感でととのう域に。

■下町の夜風を顔に受け、2軒目は町中華へ

 ロスコからの高賢で再びヒートアップした体を冷まそうとゆっくり商店街を歩く。少しばかりぬるい夜風も、これはこれで心地良い。クールダウンすると、今度は少し汗ばんできた。味のある町中華の看板を発見。味楽亭。止まり木にチルアウトを兼ねて軽く一杯飲ろうと店内へ。

 こぢんまりとした店内は、あるべき町中華の姿。メニューには細かい文字でびっしりと書き込まれた一品料理の数々。ハチノスのピリ辛和えとホッピーをオーダー。ここへきてまだモツを頼む自分にあきれながらも、運ばれてきた一皿は細切りの白髪ねぎ、きゅうり、ニンジン、水菜が一緒にラー油であえてあり、デキる店の空気をビンビンに感じる。厨房からはジュワーという揚げ物のロウリュサウンド。たまらずオーダーしたなす揚げ炒めは、旨そうな揚げナスがサウナストーンのように積み上げられた一品。一口かじれば口の中はもうサウナ室状態に。

■最高のサ飯、町中華のカレーを世界遺産に

 ホッピーの残りも少なくなってきた。〆は何にしようか…とメニューに半カレーライス380円の文字を発見。迷いなくオーダーした半カレーは、鶏がらスープをベースにした正統派町中華のカレー。そういえば六本木の香妃園久しく行ってないな…なんて思いを馳せながら完食。ごちそうさまでした。

 正統派、昭和サウナに始まった今回のサ飯紀行、正統派もつ焼き店を経て、正統派町中華で〆るという、まさに王道づくし。今日はこのまま酔い気分で帰って、明日の会議に備えて寝るとしよう。明日はどんなサウナ、どんなサ飯と出会いが待ってるのだろう。

INFORMATION

●駒込カプセル&サウナ ROSCO(ロスコ)
〒114-0015 東京都北区中里2-4-8
03-3915-0005
https://rosco.tokyo/

INFORMATION

●もつ焼 高賢
駒込駅東口豊島区駒込1丁目28-15 第二ゼノアビル1階
03-6912-2959
https://twitter.com/motsuyakiko_ken?s=20&t=u4t_WJj4rzIJeU09jgKEuw

INFORMATION

●中華料理 味楽亭
東京都北区中里2-2-1田中ビル1F
03-3917-7548
https://www.mirakutei-komagome.com/

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(五箇 公貴)

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