「国会議員が旧統一教会と接点、8割自民」という“圧倒的数字”のほかにも…自民党が相手にする“太い客”とは?

「国会議員が旧統一教会と接点、8割自民」という“圧倒的数字”のほかにも…自民党が相手にする“太い客”とは?

フジ旧統一教会報じない理由

「国会議員が旧統一教会と接点、8割自民」という“圧倒的数字”のほかにも…自民党が相手にする“太い客”とは?

©JMPA

 お盆明けには「旧統一教会と政治」の話題が収まると思ったか、岸田首相は8月10日に内閣改造と自民党の役員人事をおこなった。空気を入れ換えてきた。

 すると……。

『副大臣ら54人中19人が旧統一教会と接点 閣僚合わせ計26人に』(毎日新聞デジタル8月12日 )

 何も変わらなかった。むしろ続々と増えているではないか。もしかして岸田首相は「集団免疫」を狙っているのだろうか?

 酷くてずさんだが「その酷さに次第に慣れさせる」という手法はここ歴代の政権が続けてきたことだ。しかし岸田首相の狙いは外れた。読売新聞の緊急世論調査では「内閣支持下落51%」となり過去最低(8月12日)。旧統一教会への対応は「不十分」が55%。

■「国会議員106人が旧統一教会と接点」

 さらに共同通信の議員アンケートによれば「国会議員106人が旧統一教会と接点、8割自民」という。自民党の圧倒的な数字に感心するが、野党もいる。この際、合同結婚式にならって合同説明式を国会で開催すれば盛り上がりそう。

 ところが8月3日に召集された臨時国会は、問題が山積しているにもかかわらず3日で閉じてしまった。 どうしても議論を避けたかったのか。そういえば今年初めに通常国会が始まる前にも岸田首相は議論を呼びそうな法案を避けた。そうして7月の参院選まで波風立たせない作戦をとった。岸田首相は国会嫌いなのだろうか? ちょっと心配だ。

 ここでいくつかの地方紙に載っていたコラムを紹介する。旧統一教会問題に詳しい有田芳生氏は、95年にオウム真理教の次に統一教会を摘発の対象にしていると警視庁幹部から聞いた。その10年後、摘発できなかった理由について「政治の力だよ」と言われたという(信濃毎日新聞7月30日)。選挙協力とかの話もいいが、この点こそ知りたいではないか。

 一方で有田氏は「もっとも、統一教会の影響力については冷静に評価すべきです。過小評価も過大評価もいけない」「日本の政界が牛耳られているかのように見るのは、統一教会を大きくとらえすぎている」とも述べている(日刊ゲンダイ8月5日付)。

 この冷静な見方は我々にも必要だ。でないとすぐに「自民党=旧統一教会」という陰謀論に陥ってしまう危険がある。ヘンな言い方だが自民党はもっとしたたかで狡猾なはずだ。

 たとえば6月に自民党国会議員らが参加した「神道政治連盟国会議員懇談会」で、LGBTなど性的少数者への差別を含む冊子が配られた問題があった。あれも宗教系の団体をお得意先にしていた例である。選挙で手を結べば、あのような価値観ですらまかり通る可能性が高いのだ。票をもらえれば、どことも組む。自民党が各方面の「太い客」を相手にする姿が見えてくる。

■「容疑者の目論みどおりに」という声もあるが

 ここからわかることがある。選挙の投票率が低いほど、選挙結果は特定の組織や団体の意向が反映される可能性が高い。そうならないためにも、私たちは選挙に行ったほうがいい。だから旧統一教会と政治の報道は「自分のため」に知っておくべきなのだ。

 旧統一教会と政治の報道について「容疑者の目論みどおりになってしまう」というコメンテーターもいたが、報道は引き続きやるべきだ。実態を明らかにすることで、旧統一教会関連の悲劇や事件が今後起きないようにするため。ましてや政治家が襲われるなどという理不尽を無くすため。この件を知っておくことで選挙の自由度を高めるため。だからどんどんメディアは報道し検証してほしい。

 その一方で、旧統一教会問題では次のことも頭に入れておきたい。

 カルトからの脱会支援活動を続けている真宗大谷派の僧侶、瓜生崇さんはマスコミの責任を強調していた。

「全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)や日本脱カルト協会が継続して旧統一教会の問題に取り組んできたのに、マスコミ各社は無視し続けた。抗議や訴訟を恐れていたのでしょう。もしメディアが継続的に問題を明らかにしていたなら、旧統一教会もあそこまで暴走しなかったかもしれません」(毎日新聞デジタル8月14日)

■なぜフジテレビは統一教会を報じないのか

 旧統一教会とマスコミといえば、こんな記事もあった。

『日テレ高視聴率でもフジが統一教会を報じない理由』(週刊文春8月18・25日号)

 フジテレビが殆どこの問題を報じない理由を複数のフジ局員が明かしている。フジサンケイグループの代表を務める日枝久氏が安倍晋三元首相と親しかったからという証言のほか、私が注目したのは「政治部内の体制の問題」というもの。

「政治部には2年前まで安倍氏の甥・岸信千世氏(現防衛相秘書官)がいた一方で、最近は外部スタッフの採用が目立ち、疑惑を追及するような取材経験が乏しい。安倍氏周辺への忖度と、取材力の低下が相俟って、教団関連の報道が殆ど出てこないのです」(フジ局員)

 忖度という理由もアレだが、取材力の低下という理由が本当ならこんな切ないことはない。テレビ局の報道についてしみじみしてしまう。

■各局の選挙報道は及び腰だった

 さて、この記事では日テレやTBSは頑張っていると書かれているが、私が思い出すのは参院選前の報道のこと。選挙期間中は腰が引けたように各局の選挙報道は少なかった。

 放送法第4条は、放送番組の編集は「政治的に公平であること」とあるが、思い出すのは2014年。衆院選前に自民党が放送局に文書を送って報道の「公平中立」を求めたことがあった。

 私は「政治的に公平であること」とは一分一秒の量の公平ではなく「事実に対してフェアであること」でよいと思うのだが、自民党の文書が効いたのだろう。あれから選挙期間中の報道は少なくなった。

 そう考えると現在のテレビは「宗教」より「政治」、選挙期間中の政権チェック報道のほうがタブーになっているのだろうか。なんだかすごい事態です。

(プチ鹿島)

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