「紅しょうが天そば」(460円)は美しい揚げ姿…サーフィン好きな店主が北大宮で「立ち食いそば店」を始めたワケ

「紅しょうが天そば」(460円)は美しい揚げ姿…サーフィン好きな店主が北大宮で「立ち食いそば店」を始めたワケ

大宮駅の東武アーバンパークライン乗り場

  JR高崎線宮原駅近くに大衆そば店「蕎麦 陽まり(ひまり)」が今年5月9日にオープンした記事 を書いたばかりだが、今度は東武アーバンパークライン北大宮駅近くに立ち食いそばの新店「波音(なみね)」が9月7日にオープンしたとの情報が入って来た。

 北大宮駅は在住者以外なかなか降り立つことの稀な駅だと思う。さっそく「文春オンライン」でおなじみの鼠入昌史さん風に「北大宮駅には何がある」的好奇心で行ってみることにした。

■北大宮駅で下車

 JR上野東京ラインに乗り大宮駅で下車。そして中央改札を出て北東方向にある東武アーバンパークライン乗り場に向かう。2014年3月までの名称は東武野田線。なんとなく旧名称の方が懐かしくしっくりする。1面2線のホームから各駅停車に乗り、すぐ1つめが北大宮駅である。約1分で到着だ。

 改札を出て東側の階段を降りる。すぐに駅前の道があり、それをJR宇都宮線が並走する線路沿いに北に歩いていくとすぐに黄色いテント看板の店の外観がみえてくる。 

 店の外観をよくみてみる。ガラス窓枠が流木でデコレートされている。さらにモルタル地に白いペンキでサーフボードを持つ女性や担ぐ若者のイラストが描かれている。

 外メニューをみるとビールなどのアルコール類の販売もしているようだ。座り席ありとも。「どんな店だろうか」と何となくテンションが上がりつつ入店してみた。時間は午前11時過ぎの開店直後。

■さっそく「紅生姜天そば」(460円)を注文!

 すると店主の細田直也さん(49歳)が笑顔で迎えてくれた。注文カウンター上のガラスケースに、きれいに揚がった天ぷらが並ぶ。その上にメニューがずらっと並ぶ。店は奥に立ち食いコーナー、手前に座り席が並ぶ。さっそく「紅生姜天そば」(460円)を注文した。

 注文が登場する間に細田店主に少し質問してみたところ、なかなか面白い回答が返って来た。

 細田店主はもともと建設工事など会社を経営しており、昨今の空き物件などの情報が比較的入手しやすい環境だったという。細田店主は埼玉県人だが大のサーフィン好きでもある。茨城県の大洗や阿字ヶ浦などに足繁く通っている。入口のイラストはそのモチーフを描いたものだという。店名の「波音(なみね)」もサーフィンからの発想だという。

「そばは元々好きなのでよく茨城でそばを食べていて味を研究し、自分でもできるのではないか」と考えるようになったという。それでいい物件があれば立ち食いそば屋をやりたいと常日頃考えていたそうで、うまいといわれている立ち食いそば屋にはずいぶん食べに行き研究を重ねたそうだ。

 今回、北大宮駅近くの物件をみつけて開業を決めたというわけである。「なのでそばの味はすべて独学です」と笑顔で言い放つ。

■天ぷらはどれも素晴らしい揚げ姿

 しかし、独学とはいえガラスケースに並ぶ天ぷらはどれも素晴らしい揚げ姿である。かき揚げ、紅生姜天、ごぼう天も美しい。独学とは思えない。

「油切りそして風通しをよくしてカラッとした食感が残るように工夫している」という。

 ほどなくして「紅生姜天そば」が登場した。その紅生姜天の美しいこと。

「紅生姜はしょっぱくならないように一旦水にさらしてから揚げています」と細田店主。

 さっそく食べてみる。カラッと揚げられており酸味を十分感じ、歯ごたえもよい。そしてつゆをひとくち。これがかなりの上質な味で驚いた。深みのある出汁と香りのよい返しのバランスがよい。

「宗田節は土佐清水産、鯖節と鰹節は屋久島産のものを使用しています」とその一部を見せてくれた。

 そばは茹で麺だが埼玉草加の製麺所から取り寄せている。やや太めの麺はコシもあり、つゆとのバランスがよい。

■げそ天はプリプリな食感

 同行した友人が頼んだ「げそ天そば」(550円)はげそがプリプリな食感だとか。気が付くと友人はビール片手にちくわ天・あじ天・げそ天を注文していた。

 開店直後から店にはひっきりなしに近所の住人が来店している。サンダル履きのオジサンや天ぷらを買いに来る女性客などさまざま。すでに人気店になっているようだ。

「オープンしてからは毎日、お客様から勉強させていただいております。日々精進です」と細田店主は謙虚にいう。

 サーフィン帰りに仕入れたサツマイモ紅あずまや野菜、冷凍ハマグリを店前で販売することもある。次回は週替わりランチとして茨城の小ハマグリを使った「小ハマグリそば」を提供する予定とか。5種類の辛味スパイスを使った「激辛ゲソ天ソバ」も食べに行かなければならない。

 細田店主に別れを告げて、北大宮駅周辺を散策してみることにした。少し東側に行けば、閑静な高級住宅が並ぶ。さらに歩いて行くと埼玉縣護国神社や参道が有名な氷川神社も鎮座している。赤松がたくさん植えられている広大な大宮公園もあるし、休憩場でビールも飲める大宮競輪場もある。散歩するにはなかなか楽しいエリアだ。「波音」とセットで再訪必至である。

INFORMATION

「波音(なみね)」
住所:埼玉県さいたま市大宮区土手町3-247
営業時間:月~金 11:00~14:00、16:30~20:00
定休日:土日祝

(坂崎 仁紀)

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