ブルーのアイシャドウはNG? 美容部員で元コスプレイヤーの友人から教わった、“目からウロコ”のメイクテクニック
2022年12月02日 12時00分文春オンライン

吉川景都さん
眉毛がうまく描けない、アイシャドウをつけすぎてしまう、ファンデーションが崩れる……など、メイクに悩みは付き物。「誰かにコツを教えてほしい!」と思っている人は多いのではないでしょうか。
『 メイクがなんとなく変なので友達の美容部員にコツを全部聞いてみた 』(ダイヤモンド社)は、漫画家の吉川景都さんが友人のBAパンダさんから教わったメイクのコツを詰め込んだ一冊。Twitterで累計70万いいねを記録したテクニックの数々がまとめられています。
ここでは、著者の一人である吉川さんに「メイクがなんとなく変」と感じた理由や、BAパンダさんにメイクを教わってからの生活の変化について伺いました。(全2回の1回目/ 後編を読む )
■「メイクがなんとなく変」と思ったワケ
――吉川さんはどうして「メイクがなんとなく変」と思ったんでしょうか。
吉川 大学生くらいの時にメイクを自己流で覚えて、ずっとそのやり方のままメイクをしてきたんですね。でも年齢を重ねて「このままでいいのかな」と思うようになったんです。自分のメイクが「壊滅的に変」とは思っていないけど「なんとなく変」、といった感覚ですね。
――それは、誰かと比較して「変」と感じるんですか?
吉川 具体的に言うと、私の世代って「囲み目メイク」が流行りだったんですよ。当時の浜崎あゆみさんみたいなイメージ。目を大きく見せるには目の周りを黒く縁取るしかない、と思ってしまってたんです。
でも、最近メイクを始めたばかりの若い人って、目の周りを囲んでいないじゃないですか。私は「囲み目」以外のやり方を知らないから、どういう風に変えたらいいんだろうって。
そもそも、どうして目を囲んでたのかって聞かれたら、答えられないんですよ。「みんなが囲んでたから」としか言いようがない(笑)。
――なるほど。理由がよくわからないからこその「なんとなく変」でもあるんですね。でも、そういう人って多そうです。
吉川 そうですね。一番迷子だった時期はYouTubeのメイク動画をザッピング的に見てみたり、ランキングで1位のコスメを買い揃えてみたりしたんですけど、基礎がわかっていないので一部だけ変えたり直したりしても、結局全体的には変なままだったりして。
――ちなみに「なんとなく」ではなく明らかにメイクの失敗をしてしまったこともありますか。
吉川 コロナ禍になる直前、イベントに参加して楽しんだんです。すごく汗をかいた後にお手洗いに行ったら、ファンデーションが見たことないぐらい崩れてて、衝撃を受けました。
その時は、ファンデをたくさん塗ることが「丁寧なメイク」だと思っていたんですね。だから失敗してしまったんですが、共著者であり美容部員のBAパンダさんにお話を聞いて、それが間違っていると知りました。
――たくさん塗るのは間違い?
吉川 私がフルメイクする時に必要だと思ってた量の半分以下でいいと教わりました。その通りにしたら格段に崩れにくくなりましたね。
■「言われた通りに眉毛を描いたらびっくり…」
――BAパンダさんと一緒に今回の本を出された経緯を教えてください。
吉川 BAパンダさんは幼馴染で美容部員の仕事をしているのですが、これまで美容について聞いたことは一度もありませんでした。コロナ禍になってから、オンライン飲み会を初めて二人でやったときにポロっと「私って黙ってると怒ってるみたいに見えるんだよね」という話をしたら、BAパンダさんに「眉毛だよ」と言われて。
その場でやり方を教えてくれたんですが、言われた通りに眉毛を描いたらびっくりするぐらい印象が変わったんです。嬉しくて「聞いて聞いて!」とシェアするつもりで漫画にしてTwitterに載せたら反響が大きくて、書籍化の話に繋がった、という流れですね。
――やっぱり吉川さんと同じ悩みを持っている人が多かったんですね。
吉川 そうですね。あと「そうそうこれなんだよ!」と言ってくれる人も多かったです。うまく説明できなかった技術が、BAパンダさんによって言語化されたのがよかったのかなって思います。
BAパンダさんは頭の回転が速くて、物事を論理的に考えるタイプの人なので、ふんわりした言い方はしないんです。前提、過程、結果の順でいつもわかりやすく説明してくれて。
――「なんとなく変」の“なんとなく”の部分を言語化してくれる、と。
吉川 私がやっていた「囲み目メイク」についても「ここを大きく華やかに見せたかったんだよね」「だったらこう変えてみよう」とわかりやすく教えてくれて、「ああ、なるほど」という感じで納得して変えていけたのかなと思います。
■眉毛もアイカラーも…「目からウロコ」のテクニック
――ところで、吉川さんはメイクで一番大事なパーツはどこだと思われますか。やっぱり眉毛でしょうか。
吉川 そうですね。眉毛を変えるのが一番印象が変わりやすいと思います。BAパンダさんも眉毛は流行を取り入れやすいパーツだから、「素敵だな」と思う人がどういう眉毛の形をしているか、観察してみるといいって言ってましたね。
結構、眉毛って奥が深いんですよ。引き締めたいときはキリッとした形で、カジュアルに見せたかったらちょっと優しげな形で描く。テクニックの話で言うと、枠をとって中を塗るんじゃなくて毛を一本一本描くとか、眉頭はちょっと動かすとか、いろいろあって。まだまだ修行中って感じですね。
――BAパンダさんから教えてもらったテクニックの中で、特に「目からウロコ」だったものはなんですか。
吉川 それこそ、「メイクのパターンをいくつか持っておくといいよ」と教えてもらったのは驚きでしたね。今までの私のメイクって、濃いか薄いかの選択肢しかなかったんです。スカート履いてる日は濃い、ジーパン履いてる日は薄い、みたいな感じで。
でも、眉毛の形やアイカラーの入れ方にもバリエーションがあっていいんだなってことを初めて知りました。
実は、BAパンダさんはもともとコスプレイヤーだったので、なりたいキャラクターのイメージに近づくためのメイクがすごく得意なんです。シチュエーションに合わせてメイクを変えるっていう考え方は、その影響も大きいのかもしれませんね。
■「デパコスのカウンターに行くのが苦手だった」
――素敵ですね。毎日メイクが楽しくなりそうな考え方です。BAパンダさんからおすすめされたコスメで、実際に使ってみてよかったものはありますか。
吉川 本の中には出てこないのですが、Too Facedのハイライトですね。ほどよくツヤが出てビカビカしないんです。あとは、RMKのコンシーラーもよかったです。明るい色と暗い色の2色入っていて、用途によって使い分けできるのが使いやすいんですよ。
――デパコス(百貨店やデパートで売っている化粧品のこと)ですね。吉川さんはもともとよくデパコスを使われるんですか。
吉川 デパコスのカウンターに行くのが苦手だったので、ほとんど持っていませんでした。たまに勇気が出た時に頑張って買いにいくことはあったんですが、基本的にはドラッグストアで買えるコスメを使っていましたね。美容部員さんはキレイな方が多いイメージだったので、気後れしてしまうというか……。
でも、BAパンダさんが「もっと気軽にいろいろ聞いてきてほしい。少なくとも私はそう思ってるよ」って言ってくれて、今は結構行くようになりました。行ってみると想像していた以上に優しいし、商品の使い方もしっかり丁寧に説明してくれるんですよね。肌状態を見てくれたり、良いことづくめでした。
先日ファンデーションを買いにいったときも「よそのメーカーの商品でも構わないので、こういうタイプの下地を選んでください」ってすごく親身に教えてくれて。今まで自分が緊張したり変に身構えたりして、聞いてなかっただけなんだなと思いましたね。
■紫とブルーのパレットを買おうとしたら止められて…
――カウンターに行ってみたくなりました。でも、やっぱり新しいメイクに挑戦するのはちょっと不安もありますね。
吉川 実はこの前、BAパンダさんと編集者の田中さんと3人でコスメ用品売り場に行って、その後一緒にメイクしてみたことがあるんです。お互いに意見を言い合えるし、勉強になるからということで。
――楽しそう! メイク勉強会ですね。
吉川 その時はアイシャドウにブルーを使ってみたくて、紫とブルーのパレットを買おうとしたんですが、BAパンダさんに止められたんです。
もし、家からメイクしてきた友達と待ち合わせで会った時に「アイシャドウ青すぎない?」なんて言ったら、嫌なやつじゃないですか。でも買う前や、試しにつけてみた段階なら意見も言いやすいですよね。だから不安な人は、友だちと一緒にメイク勉強会をやってみるのもおすすめです。
ちなみに、後でちゃんとBAパンダさんにブルーの使い方を教えてもらいました。夏に旅行に行く時につけてみたりして、挑戦できて面白かったです。同じブルーでも、使い方によって印象ってだいぶ変わるんですよね。難しいコスメでも、使い方を知っていれば変にならずに使えるんだなと思いました。
――最後に、どんな人に今回の本を手に取って読んでもらいたいか教えてください。
吉川 私と同じように「メイクがなんとなく変」と思っている方はもちろん、「そこそこちゃんとやれているかな」くらいの人にも手に取ってもらえたら嬉しいですね。基礎から全部順番にまとめてある本なので、読んだら改めて発見があると思います。
本当に誰がどこから読んでもいい作りになっている本なので、メイクデビューしたい学生や長年メイクされてきた年配の方など、いろんな人にぜひ手に取ってもらいたいですね。
「怒ってるみたいな顔になる」眉メイクが“なんとなく変”な人に教えたい…意外と知らない眉毛の描き方講座 へ続く
(「文春オンライン」編集部)
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