“盗撮のカリスマ”グループの卑劣すぎる組織的犯行「知人女性をクスリで心神喪失状態にし“眠り姫”動画を撮影した」《県庁職員、公安調査員…逮捕者13人の衝撃》

“盗撮のカリスマ”グループの卑劣すぎる組織的犯行「知人女性をクスリで心神喪失状態にし“眠り姫”動画を撮影した」《県庁職員、公安調査員…逮捕者13人の衝撃》

斎藤果林被告(本人のSNSより)

 露天風呂で女性の入浴姿を撮影するなど卑劣な犯行を重ね、“盗撮のカリスマ”ともあだ名された斎藤果林被告(50)が逮捕・起訴された事件。盗撮に関わったメンバーはその後も続々と逮捕され、これまでの逮捕者は計12人に及んでいた。公務員である鹿児島県庁職員など、社会的地位のある堅い職業からも逮捕者が相次ぎ、世間に衝撃を与え続けている。

 そして静岡県警が新たに1月24日に逮捕したと発表したのは、諜報機関として知られ、映画「007シリーズ」にも登場した公安調査庁の職員、津田奨太容疑者(31)だ。津田容疑者は2020年3月に兵庫県の当時20~50代女性3人の入浴前後の服を着ている姿を盗撮しようと、入浴施設に侵入した建造物侵入の疑いが持たれている。

■前代未聞の「公安調査庁に家宅捜索」

 社会部記者が解説する。

「津田容疑者は女性3人に休憩スペースで声をかけ、入浴するように促していました。その後、入浴した女性らを津田容疑者の仲間が約200メートル離れた山林から撮影するという、犯行の役割分担をしていたのです。ちなみに津田容疑者は女性らと会話しながらも、こっそりとカメラを回していて、犯行後に仲間が撮った裸の姿と服を着た姿を見比べて楽しんでいたようです。公安調査のスキルをこんなところで生かされたら、市民としてはたまったものではありません」

 結局、捜査する側であるはずの公安調査庁に警察の家宅捜索が入るという、極めて異例かつ、こっけいな事態に発展することになった。

 ため息交じりに津田容疑者の逮捕を受け止めているのは、同庁関係者だ。

「津田容疑者は調査第2部の主任調査官です。いわゆるキャリアではありませんが、韓国の北韓大学院大学に長期で出張するなど北朝鮮分野のエキスパートで、専門家としての将来を期待されていた人材でした。“スパイ”といっても、基本的な仕事は、公表資料や報道をもとに状況を分析し資料を作成する役割で、尾行などをやるような現場の人間とは違います。

 津田容疑者は酒好きではあったようですが、冷静沈着な性格で、麻雀でもポーカーフェイスを貫き通し、腕も良かったとか。こんなところで、看板に泥を塗ることはして欲しくなかったですね……」

■複数人が共謀する“盗撮プロジェクト”とは

 ついに諜報機関職員が逮捕されるまでに至った事件だが、これまでの捜査からスパイ顔負けの「プロジェクト」と呼ばれる、周到に練られた盗撮手法が明らかになってきた。元グループの一員が話す。

「プロジェクトとは、複数人が金とアイデアを出し合って撮影したい女性を温泉旅行などの名目で誘い出し、早朝から露天風呂の外に潜む斎藤被告が撮影する仕組みです。これを斎藤によく依頼しコンビを組んでいたのが、全国のナポリピザを食べ歩く有名ブロガーとして活動してテレビ番組にも出演し、昨年9月に逮捕された商社役員の男。既に削除された彼のブログには、いつも斎藤被告と一緒にいる写真があげられ、Facebook上で2人が『エロトーク』を楽しむ姿を見たこともあります。

 他にも、津田容疑者のように着衣の姿をあとで見比べられるように撮ったり、若い女性が風呂に入ったのを中からショートメッセージで合図をする役目の人がいたりと、グループの盗撮はかなり計画的でした。早朝に撮影スポットまで木々を潜り抜けて向かうので、斎藤の身体は擦り傷だらけで、帰りに盗撮した温泉に浸かって帰るのが恒例でしたね」

 撮影を依頼された動画は、依頼者が恋愛感情を抱く女性のこともあるため、原則的にはグループのメンバーを含め他に公開することはないが、1人だけ例外だったのが、動画の編集を担当し、昨年11月に18歳未満の少女の動画を扱って逮捕された派遣社員の男だった。

■鬼畜動画に「魔改造」 動画編集メンバーの“罪深さ”

「男は『バッキー』というあだ名で呼ばれていました。盗撮依頼者は斎藤に撮影を依頼し、編集はバッキーに頼むのがテッパンでした。バッキーは斎藤が撮影した動画と、SNSを駆使して普段の女性の姿を集めて組み合わせ、“鬼畜動画”を編集していたのです。グループではこれを『魔改造』と呼んでいました。YouTubeなどと違って、外部に公開するわけではないので、『好きな音楽が使えて嬉しい』と本人は楽しんでいましたね。

 盗撮動画の販売は、現金でやり取りしアシがつかないようにするのですが、編集をお願いする過程で、盗撮を依頼した客の個人情報はバッキーに集約されていました。そのため捜査当局は初期の段階からバッキーに目をつけていたようです。

 自己承認欲求が強いのか、AV動画のレビューや、今回とは別の盗撮事件を起こし逮捕された人の裁判を傍聴した話などを自身のウェブサイトに掲載したりもしていました」(同前)

■悪質な「眠り姫」動画をグループで共有

 盗撮した動画をグループメンバーで鑑賞する「オフ会」を開くなど、気味の悪さが際立つ事件だが、グループの犯行は撮るだけには収まらない。その凶悪な一面も明らかになってきた。

 前述の社会部記者が話す。

「メンバーのなかには、知人女性に薬品を使用して心神喪失の状態にして、わいせつな行為をし、その一部始終を撮影したとして2人の男が11月には逮捕されました。この一連の犯行を2人は『眠り姫』と名付け、動画は盗撮マニアグループに共有していたようです。撮影だけでもおぞましいのに、薬を盛るとなれば相当悪質な犯行というほかないでしょう」

 日本を騒がせた組織的盗撮グループの実態。事件の全容解明に向けた捜査は続いている。

【逮捕者13人の衝撃】“盗撮のカリスマ”斎藤果林容疑者が逮捕 犯行グループの一員が明かす“卑劣な手口”「若い女性が集まる連休にはグループで“温泉盗撮旅”へ」 へ続く

(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

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