明石家さんまと前次官 「直撃」「独白」は週刊誌の華

明石家さんまと前次官 「直撃」「独白」は週刊誌の華

(c)時事通信社(左)/文藝春秋(右)

 今週の文春、ワイド特集の「大竹しのぶ『関係あった男は30人以上』告白にさんまは…」では、明石家さんまと記者のやり取りが見もの。婦人公論での鼎談で、今までに関係のあった男性は「およそ30人くらい?」と話をふられた大竹しのぶが、「もうちょっといる……」と答える。で、文春記者がわざわざ元夫のさんまを直撃取材している。

―――週刊文春です。
「なんや!」

 で始まり、「ほんじゃーな」で終わる軽妙な掛け合いは誌面でチェックしていただくとして、もはやエンターテイメントである。大竹しのぶとさんまが恋仲になるきっかけのドラマ「男女7人夏物語」(1986年)での、桃子と良介の会話を彷彿とさせ、もうお前ら付き合っちゃえよとつい思ってしまうほどだ。記者が男性なのか女性なのか知らないけれど。

■前川前次官独占告白で思い出す「三井環事件」

 こうした即興の面白さとは反対に、腰を据えて話を聞く独占告白が今週の目玉記事。

「『総理のご意向』文書は本物です 文科省前事務次官独占告白150分」がそれだ。加計(かけ)学園の獣医学部認可をめぐって、「総理のご意向」などと記された文書が出てきた問題で、これは怪文書ではなく本物であると、文科省のトップだった前川喜平が文春の取材で答えている。

 ことの発端は今月17日、朝日新聞がくだんの文書をスッパ抜く。すると菅官房長官は「怪文書みたいな文書じゃないか。出所も明確になっていない」と信憑性を否定するのだが、いっぽうでオフレコの場では「配っているんだよ、しかも、元最高責任者が」と、前川前事務次官のリークであることを匂わす。

 その5日後、今度は読売新聞が「前川前次官 出会い系バー通い」と報じる。官邸に近いと言われる読売だけに、文書流出への報復とみる向きもある。

 これで三井環事件を思い出す方も多かろう。大阪高検の公安部長(当時)・三井環が、検察の裏金づくりを告発するため、テレビ朝日の報道番組「ザ・スクープ」などの取材をうけることになっていた当日、大阪地検特捜部に詐欺罪で逮捕された事件である。

 あるいは週刊ポストで大相撲の八百長疑惑などを告発していた大鳴門親方とその後援者が同じ日、同じ病院、同じ病気で死亡した出来事なんてのもある。

 それらとくらべると、「出会い系バー通い」とは穏やかな話だし、同じ“歌舞伎町と官僚"でも「ノーパンしゃぶしゃぶ」ほどのインパクトもない。とはいえ、不倫や女性問題といった“下ネタ”をめったに扱うことのない大新聞が、現役でもない元官僚のこうしたネタを書くのは異例のことのため、「それほど官邸は“総理のご意向文書”を警戒しているのか」と見られているという。

 そんなこんなで、前川前次官、「獣医学部新設にあたり、一体どういう議論が政府で行われていたのか。私が知る限りの経緯を、全てお話ししようと思います」と文春に登場した次第。圧力に負け、筋を曲げてしまったことへの自責が、かえって官僚の矜持を引き立たせる告白である。

■他人を巻き込んでいく前代未聞の独白記事といえば……

 独占告白は週刊誌の華だが、その極めつけは「ジャニーズ女帝 メリー喜多川 怒りの独白5時間」(2015年1月29日号)だろう。

 なにしろ「派閥があるとしたら恥」、「だってSMAPは踊れないじゃない」、「一番分かっているのは、ファンの子です。だから、ファンは大事なんですよ」などと組織マネジメントや芸談を次々と繰りひろげるのだから。

 おまけに喋るだけにとどまらず、他人を巻き込んでいく。「いま飯島呼んで。どこにいるのか知らない?」と社内にいるのか社外にいるのかもわからないSMAPのマネージャーを呼び、なんだかよくわからないままやってきたマネージャーは「お世話になってます、と(文春に)言うのはおかしいですね。おはようございます。初めまして、飯島と申します」と挨拶の語句を3度もくちにする。ラッシャー木村の「こんばんは」事件を思わせる動揺っぷりである。

 88歳にして5時間にわたってまくし立て続けるってのは相当なもんで、記者も記事をこう結んでいる。「ジャニーズタレントは、この“ビッグママ”の底知れぬバイタリティによって統治され、守られている」。

 なるほど確かに底知れぬバイタリティで、そこから生まれるエンターテイメント、いやスペクタクルであった。

(urbansea)

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