「戦争しないとどうしようもなくないですか」 元日本維新・丸山議員の頭のなか

 北方領土・国後島へのビザなし交流訪問団に参加した日本維新の会の丸山穂高衆院議員が今年ぶっちぎりの失言を行った。丸山氏はこれまでに起こしてきた問題発言、問題行動もあわせて振り返りつつ、どのような考えの持ち主なのかを考えてみたい。

丸山穂高 日本維新の会・衆院議員
「戦争でこの島を取り返すことには賛成ですか、反対ですか」
NHK NEWS WEB 5月13日

 報道された音声などによると、11日の夜、元国後島民で訪問団長の大塚小弥太さんが国後島の「友好の家」で同行記者の取材対応中、酒に酔った丸山氏が割り込み、「戦争でこの島を取り返すことには賛成ですか、反対ですか」と詰問。大塚さんが「戦争で?」と聞き返すと「ロシアが混乱しているときに、取り返すのはOKですか」とさらに問いかけ、「戦争なんて言葉は使いたくないです」と否定されると「でも取り返せないですよね」と畳み掛けた。丸山氏はこの他にも大声で騒いだと報じられている(読売新聞 5月13日)。

■日本維新の会・松井代表は「言論の自由」と擁護したが……

 丸山氏は国会議員として北方領土の「戦争による奪還」に言及したことになる。

 13日には「言論の自由なので」と丸山氏の処遇について言葉を濁していた日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)だが、14日には「国会議員として一線を越えた発言で、元島民、国民に不快な思いをさせた」とあらためて陳謝。「一番厳しい処分になる。除名だ」と明言し、「議員辞職すべきだ」とも語った(時事ドットコムニュース 5月14日)。丸山氏は14日、離党届を提出したが、同日に除名処分が決定した。

丸山穂高 日本維新の会・衆院議員
「戦争しないとどうしようもなくないですか」
BuzzFeed News 5月14日

 丸山氏と訪問団長の大塚さんとのやりとりで注目を集めた言葉がこちら。こう言われた現在89歳で、戦争によって故郷を奪われた経験を持つ大塚さんは「戦争は必要ないです」と言って席を立った。

 テレビ朝日コメンテーターの玉川徹氏はテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」で丸山氏の発言について、「戦争しないってのは日本の国是なんです。憲法を変える変えないじゃなくて、戦争をしないと決めた国なんですよ。それを『戦争という手段しかないんじゃないですか』というような発言をする人間は国会議員の資格はないと思います」と語った(東スポWeb 5月14日)。

 また、丸山氏の発言と憲法改正で自衛隊を明記しようとする考え方との関連性について、「国の支配層と言われる人の中に、外交問題の解決の手段として戦争という選択肢を持っておきたいという意向がずっとある」「日本の外交問題で軍事力の裏付けがないから外交がやりにくいんだと考えている人がいる」と指摘。憲法改正を進める日本維新の会についても「そういう考えを持っている政党かと思わざるを得ない」と述べた。

丸山穂高 日本維新の会・衆院議員
「一般論として話を聞いたつもりだったが、私自身がそう考えていると誤解を与えてしまうような状況だった」
NHK NEWS WEB 5月14日

 13日に行われた謝罪会見での言葉より。丸山氏は「一般論として話を聞いたつもりだったが」と述べたが、彼の周囲では北方領土を戦争で奪い返すような話が一般論として語られているのかもしれない。

■さっそくロシア側からの反発も

 また、「私の発言で国益を損ねかねない状況になれば、真意ではない」とも述べたが、さっそくロシア側の反発を招いている。ロシア上院のコサチョフ国際問題委員長は13日、「日ロ関係の流れの中で最もひどい(発言だ)」と丸山氏を批判。「そのような挑発的な発言ができるのは、存在する問題の解決を望まない人々だ」と語った(共同通信 5月14日)。

 菅義偉官房長官は「日ロ交渉に影響を与えるとは考えていない」「一議員の発言であり、政府としてロシア側に説明する考えはない」と語っているが(NHK NEWS WEB 5月14日)、衆議院沖縄北方特別委員を務めている丸山氏の発言が、はたして本当に影響はないと言い切れるだろうか? 

丸山穂高 日本維新の会・衆院議員
「先日の不始末について猛省と自重の決意の証として自主的に、禁酒宣誓書を今井幹事長へ提出してまいりました」
ツイッター 2016年1月12日


 丸山氏が大量に飲酒していたことも注目を集めた。2015年末、飲酒トラブルを起こした丸山氏は2016年に「禁酒宣誓書」を提出していたからだ。このとき、「今後の議員在職中において公私一切酒を口に致しません」とも書いていたが、その誓いは守られていなかった。再度飲酒した際は議員辞職する意向も示していた(毎日新聞 5月13日)。

■国会質問に見え隠れする、丸山氏の戦争観

丸山穂高 日本維新の会・衆院議員
「なかなか領土が戦争や武力以外で返ってきたというのは本当に稀なケースだと思います」
衆議院外務委員会 2018年4月4日

 2018年の発言。北方領土問題について河野太郎外相に質問に立った丸山氏は、質問の最後にこのように発言した。

「なかなか領土が戦争や武力以外で返ってきたというのは本当に稀なケースだと思います。その稀なケースに挑戦しなければなりません。ぜひ外相の手腕に、総理の手腕にも期待して、一国民として早く返還されますことをお願い申し上げます」

 領土の奪還には戦争や武力が必要だという丸山氏の基本的な認識が透けて見える。

丸山穂高 日本維新の会・衆院議員
「離党届を出したのは感情的だった」
産経WEST 2018年1月10日

 丸山氏はかつて日本維新の会からの離党を表明したことがあるが、すぐさま撤回している。2017年、衆院選の総括や代表選を求めた丸山氏に橋下徹元代表が反発。ツイッターで「ボケ」と十数回繰り返して罵倒し続けた。

 普段はツイッターでの論戦を得意とする丸山氏も完膚なきまでに叩き潰され、2017年10月に「耐えられない」と離党届を提出したが、2018年1月9日に撤回を表明した。

 なお、日本維新の会は国会議員の調査研究経費として国から支給される「立法事務費」を丸山氏の分、合計195万円を丸山氏の離党届提出後も受け取っていたことが明らかになっていた(毎日新聞 2017年12月20日)。

■安倍政権へのアシストも

丸山穂高 日本維新の会・衆院議員
「委員長、土屋理事、もういいでしょう。これまでもう30時間以上質疑してきました」
衆議院法務委員会 2017年5月19日

 丸山氏は野党の議員だが、安倍政権へのアシストを欠かさない。

 2017年に「共謀罪」法案が可決された際は、与党側が一方的に採決の目安と定めた30時間になったところで委員外委員として質問に立ち、「ピント外れの質疑ばっかり繰り返し、足を引っ張ることが目的の質疑はこれ以上必要ない。直ちに採決に入って頂きたい」と大声を張り上げて採決を促した(朝日新聞デジタル 2017年5月20日)。

■「野党の抵抗してますよパフォーマンス」は「無駄」

丸山穂高 日本維新の会・衆院議員
「生産性もなく、まさに無駄無駄無駄無駄無駄無駄かと」
ツイッターより 2018年12月7日


 2018年12月の臨時国会では水道民営化法案や入管法改正案について議論が交わされたが、その最中に「立憲ら一部野党の抵抗してますよパフォーマンスに、多くの国会や省庁職員らの残業含め多額の税金を投入しなければならない。生産性もなく、まさに無駄無駄無駄無駄無駄無駄かと」とツイート。法案成立への援護射撃を行った。

丸山穂高 日本維新の会・衆院議員
「うそでも百回言っていったらこれが正しいみたいなことになりかねませんので、しっかりこれは主張していただきたい」
衆議院予算委員会 2月5日

 韓国のレーダー照射問題では勇ましい答弁を行っている。上記の発言は「嘘を100回ついたら韓国が正しいとなりかねないので言うべきことは言うべき」と書き変えられてツイッターなどで拡散された。

 なお、この日の質疑では「アイヌ支援法案」にも疑問を呈し、ジャーナリストの有本香氏に絶賛されている(zakzak by 夕刊フジ 2月22日)。

■外国人に関しても多くの発言

丸山穂高 日本維新の会・衆院議員
「そもそも日本でも国会議員は国籍必須だが、帰化や二重国籍が曖昧でチェック無しで意味不明」
ツイッターより 3月9日

 日本維新の会の足立康史衆院議員による国会議員の帰化などの国籍情報を公開すべきだという主張にも強く同調していた。

 批判に対しては「帰化ならその旨を堂々明らかにすべきで国籍取得時期を隠して議員になる方がむしろ問題」「14条の一つ前13条公共の福祉から、公人はプライバシー権も制約される過去判例を勉強下さいな」などとツイッターで反論し続け(いずれも3月11日)、最後は「安部(ママ)のせいだーとか、くや志位のぅ〜界隈の皆さんが湧いて面白いかと」と書いていた(3月12日)。

丸山穂高 日本維新の会・衆院議員
「生活保護法第2条には『すべて国民は』とあり、国民に限定している。外国人への支給は法律の趣旨を超えている」
zakzak by 夕刊フジ 4月27日

 外国人の生活保護受給に関しても異を唱えた丸山氏。人道的な観点から外国人への生活保護は行われているが、「おかしいのはおかしい」と断言している。弱い立場の人を見ると踏みつけたくなるのがこの人の特徴なのかもしれない。

(大山 くまお)

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