肋骨4カ所が折れて内臓にも傷……「老人ホーム殺人」28歳の”問題児”が82歳にしたひどい暴行

肋骨4カ所が折れて内臓にも傷……「老人ホーム殺人」28歳の”問題児”が82歳にしたひどい暴行

根本は「暴行はしていない」と容疑を否認 ©共同通信社

「痛い! 何をするんだ!」

 深夜の老人ホーム内で、悲痛な叫び声が響き渡った――。

 警視庁は5月22日、東京都品川区の老人ホーム「サニーライフ北品川」に入居していた黒沢喜八郎さん(当時82)を殺害したとして、元職員の根本智紀容疑者(28)を殺人容疑で逮捕した。社会部記者が事件を解説する。

「発端は4月4日、『黒沢さんが倒れた』という根本自身の119番通報でした。司法解剖したところ、背中付近に暴行の痕があったほか、肋骨4カ所が折れて内臓にまで傷があったことが判明。3階建ての建物から転落したのと同じぐらいの衝撃がなければできない大きな傷でした」

 施設の防犯カメラには、黒沢さんの部屋に出入りする根本の姿が映っていたという。

「仰向けの状態で部屋から這い出ようとする黒沢さんを、根本が何度も引きずって連れ戻す様子も残され、暴行を裏付ける証拠となった」(同前)

 事故死が多い老人ホームでは事件性の見極めが難しく、捜査が長期にわたる例も少なくない。だが、今回は1カ月半での逮捕。決め手となったのが、黒沢さんの「ダイイングメッセージ」だったという。

■意識が戻ったとき、次女に訴えたこと

「黒沢さんは搬送から1日余り生死の境をさまよっていました。その間に意識が戻ったとき、認知症が進んでいたにもかかわらず、次女に『若い男に蹴られた』と明白に訴えました。この証言により、最初から事件性を強く疑うことができたのです」(同前)

 根本は14年7月にこの老人ホームに入社。それ以前にも複数の施設で働いていた。

「フェイスブックには趣味のパチンコやバイクに関する書き込みばかり。一時期は建設会社やホストクラブで働くなど、介護という仕事への愛は余り感じられない。前に勤めていた施設では仮病を使ったり、同僚の持ち物を盗んだりするなど、素行の悪さが問題視されていた。今回の施設には『キャリアアップしたい』と入社し、他の職員や入所者からの評判も良かったようです。事件当日の夜勤ではリーダー役を担い、約50人の入所者の対応に当たっていましたが、カッとなって本性が出てしまったのか……」(同前)

 黒沢さんが入所したのは、事件のわずか1カ月前。次女は「大切な家族の命を預ける施設で、こんな事件は二度と起きてほしくない」と訴えた。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年6月6日号)

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