話題の「トリバゴ」はホントに世界一安いホテル予約サイトか、比較してみた

話題の「トリバゴ」はホントに世界一安いホテル予約サイトか、比較してみた

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「ねえねえ、もうそのホテルで決まり? じゃあ、予約をする前に……」日本語の堪能な女性がこのように紹介するホテル予約サイトのテレビCMをみたことがあるだろうか? そう、トリバゴ(trivago)である。

 日本語が堪能なこの女性、ナタリー・エモンズさんはアメリカのシンガーソングライター。ジブリ映画で日本に興味をもつようになり、かつて、USJの『ユニバーサルレインボーサーカス』で主役のキャストとして働いていたことがある。

■売り上げの87%を広告費に投入

 トリバゴは売り上げの87%をテレビCMなどの広告費に充てるという。株式会社ゼータ・ブリッジの調査によれば、2015年9月には、関東民放テレビ局の2015年9月のCMオンエア実績の素材別ランキングで名だたる大企業をおさえて第1位となっている。どうりでよく見かけるわけだ。

 このトリバゴとはどのようなサイトなのか。そして本当に安いのかを検証してみたい。

■トリバゴとはどんなサイトなのか

 この記事の読者の多くはホテルをネットで予約していると思う。国内のホテルなら楽天トラベル、るるぶトラベル、じゃらんnetなどなど。海外ならエクスペディアやブッキングドットコムなどがその代表例だろうか。これらのサイトは特定の都市のホテルを最安値から順番に表示する。たしかに、どのホテルに泊まるか決めかねているときに、価格などをもとにホテルを探すことができるこれらのサイトは便利だ。

 しかし、同じホテルに泊まるにしても、ホテル予約サイトによって料金はまちまちだ。そこでホテル予約サイトを横断的に検索し、そのなかで最も安い金額のものから表示しようというのがトリバゴだ。トリバゴによれば「200社以上の予約サイトから世界190ヶ国、約130万軒の宿泊施設の料金を比較」するという。

■トリバゴはドイツのベンチャー企業だった

 トリバゴの本社はドイツのデュッセルドルフに置かれている。もともと2005年にドイツの大学の同級生4人によって共同創設されたこの会社は、ほどなくヨーロッパで最大のホテル価格比較サイトとなる。その後、2012年にはアメリカのオンライン予約サイトであるエクスペディアが株の過半数を買い取り買収。2016年12月にはナスダックに上場しており、現在もエクスペディアがトリバゴの約6割の株を所有している。

■トリバゴのようなサイトはほかにあるのか?

 複数のサイトを横断的に比較するサイトはメタサーチと呼ばれている。

トリバゴと同じような、ホテルの予約サイトの料金を比較するメタサーチとしてまずあげられるのが、世界最大の旅行口コミサイトであるトリップアドバイザーだ。

 口コミのなかには正直微妙なものも含まれているが、現時点において規模も含めて、ホテル選びの最良の選択肢だといえる。このサイトには、口コミの評価順などにホテルを表示するうえ、そのホテルについて複数の予約サイトの最安値を表示する機能がある。

 このほか、オーストラリアの会社、ホテルズコンバインドのメタサーチの機能はトリバゴとほぼ同内容、対象となる宿泊施設も約131万軒とトリバゴとほぼ同じ規模だ。ただし、利用者数はトリバゴの4分の1程度となる。

 使い方もトリバゴとほぼ同じ。しかし、表示される結果が最安値から順番にソートできないので、一番安いものを探すのに手間がかかる点と、デフォルトは税抜きの価格が表示されるので、表示される価格の結果の右上にある「税別」の文字をクリックして「税込」に修正しなければならない点などがマイナスといえる。

■結局世界中のホテルを一番安くとれるサイトはどこだ?

 世界中のホテルを最安値でとりたいのが人情だ。しかし、どこが一番安いのかなかなか判断しづらい。そこで主要都市について、実際に料金を比較してみることにした。

 宿泊日は2017年8月5日(土)で1室2名。税サービス料などをすべて込みの料金で比較している。ホテル選択については世界最大のホテル口コミサイト、トリップアドバイザーで各都市の総合評価1位となっているホテルとした。トリバゴのほか、同種のサイトとしてホテルズコンバインド、日本で最もメジャーなホテル予約サイトである楽天トラベル、トリバゴの筆頭株主であり、みずからも世界最大級のホテル予約サイトであるエクスペディア、ブッキングドットコム、そしてホテル選定に利用し、口コミと同時に複数のホテル予約サイトを横断的に表示するという意味ではトリバゴと同じ機能をもつトリップアドバイザーと比較してみた。

 たとえばパレスホテル東京を調べたところ、一番安いのはホテルズコンバインドで43,610円。もっとも高いところは47,552円だった。このように、東京、大阪、札幌、ソウル、台北、上海、香港、バンコク、ホノルル、ニューヨーク、パリ、ドバイ、ナイロビ、リオデジャネイロ、シドニーで調べてみた。

 あくまでごく少数のサンプルを抽出した結果にすぎないが、次のようなことはいえそうだ。

(1)最も安いサイトはトリバゴとホテルズコンバインドに集中し、トリップアドバイザーがそれに次ぐ。その他のサイトで最安値は表示されなかった。このことから、個別のホテル予約サイトよりも、これらを横断するこの3つのサイトを利用したほうが安くホテルを予約できるといえる。

(2)トリバゴとホテルズコンバインドを比較すると、中国の2ホテル(上海・マンダリンオリエンタル ブードン上海、香港・ジ アッパーハウス香港)のみ、トリバゴが安くなった。これは中国でのホテル予約で質価格ともに圧倒するCtripとの提携の有無が影響している。逆にいえば、中国以外の国でホテルズコンバインドがトリバゴに価格で上回ることはなかった。

(3)トリバゴ、ホテルズコンバインドともに表示された価格と、そこから飛んだリンク先での価格が異なるケースがあった。

(4)ともに同じオンライン予約サイトと提携しているのにもかかわらず、メタサーチによって表示される価格がちがうケースがみられた。しかし、予約のプロセスをすすめていくと結局どちらからでも同じ価格に落ち着くケースもあれば、最後まで異なるケースもあった。

 結論からいえば、まずトリップアドバイザーでホテルに関する口コミなども参考にしながら泊まりたいホテルをある程度絞り込んだうえで、中国以外のホテルならホテルズコンバインド、中国のホテルならトリバゴで検索し、予約するのが現状での最善手といえるかもしれない。

■メタサーチが最安値にならないケースとは?

 メタサーチが最安値にならないケースが2つ考えられる。1つは、当たり前のことだが、これらのサイトがすべてのホテル予約サイトを横断的に検索しているわけではないことによるものだ。もう1つはホテル予約サイトの会員限定のセールなどが検索の対象にならない可能性があることだ。たとえばブッキングドットコムが期間限定で20%オフのセールをしていても、その情報がメタサーチでは表示されないこともありえる。

■メタサーチの弱点は?

 外国のホテルの場合、カタカナで検索しても表示されないことが多い。こういう場合は、アルファベットの正式な名で入力し、検索すればよい。

■メタサーチ経由で予約したホテルに関してトラブルがあったときは?

 メタサーチはホテル予約サイトの料金比較をするだけなので、実際の予約はその先のホテル予約サイトで行われる。そのため、予約の確認メールはそれらのサイトから届くし、領収書もまたそれらのサイトで発行される。そのため、さまざまなトラブルの対応・質問などは予約サイトがすべて受け付けることになる。

 ちなみにメタサーチはそれらのホテル予約サイトから、送客実績(メタサーチ経由でそのホテル予約サイトに飛んだ実績)に応じて報酬を得るしくみなので予約者はメタサーチを利用する際に費用を負担する必要はない。

■メタサーチを利用した裏ワザとは?

 最後に裏ワザを2つ。1つは最低価格制度を活用する方法だ。メタサーチは横断的に価格を比較するので最安値を見つけやすい。一方、ホテルの公式サイトやエクスペディアに代表されるホテル予約サイトは最低価格制度(他のサイトと比較して、最も安い価格まで引き下げることを保証している制度)を敷いていることが多い。そこで、最初から利用するホテルや予約サイトが決まっている場合でも、メタサーチで念のため価格をチェックし、その価格まで引き下げさせる方法がある。若干手間はかかるが、とにかく安く、しかも自分のよく利用するサイトで予約したい人にはおすすめの方法だ。

 もう1つはメタサーチの関係者はこれを読むといやがるだろうが、最安値の価格を見つけてから、改めてそのサイトに直接アクセスして取る方法だ。わざわざ手間がかかることをする理由は次のとおりだ。三菱UFJニコスの ポイント名人.com、三井住友カードのポイントUPモール、JCBのOki Dokiランド、クレディセゾンの永久不滅.com など、クレジットカード会員対象のオンラインモール経由で楽天トラベルやエクスペディアなどの予約をすると、これらのカードのポイントを貯めることができるが、メタサーチから直接予約してしまうとこれらのポイントは獲得できない。

 ただし、エクスペディアなどで頻繁に行っているクレジットカード会員対象の8〜10%程度の割引については、決済前に割引のコードを入れるだけなので、メタサーチ経由で予約してもかまわない。

 いうまでもないことだが、最安値を探すにはそれ相応の時間と手間がかかる。この点を追求したらキリがない。しかし、トリバゴやホテルズコンバインドを用いて検索すれば、おおむね最安値に近い価格で泊まることができるとはいえそうだ。

(橋賀 秀紀)

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