100歳までボケない「油の摂り方」 実は良質な油が含まれている意外な野菜とは?

100歳までボケない「油の摂り方」 実は良質な油が含まれている意外な野菜とは?

白澤卓二医師

 高齢者の5人に1人が認知症になる――。

 厚生労働省は、団塊の世代が75歳以上となる2025年には、認知症の患者が全国で700万人に上るとの推計を発表している。近い将来、予備軍を含めると1000万人を超えると見られ、認知症は「新たな国民病」になっている。

「認知症を遠ざけるための『1丁目1番地』は油(脂質)の摂り方です。私は常々、現代の日本人はあまりにも酷い油の摂り方をしていると思っているんです」

 こう語るのは白澤卓二医師だ。アルツハイマー型認知症の研究を30年間続け、現在はお茶の水健康長寿クリニック院長として認知症患者の治療を行っている。

 認知症専門医が教える「ボケない油の摂り方」とは――。

■“悪い脂質”と“良い脂質”

 脂質の中でも、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸という必須脂肪酸が、認知機能低下の原因となる脳の“炎症”に密接にかかわっているという。

「サラダ油やコーン油、マーガリン、牛肉や豚肉などに含まれるオメガ6は、過剰に摂取すると脳の炎症を促す“悪い脂質”。コンビニなどで売られているスナック菓子や加工食品には、必ずと言っていいほどオメガ6が含まれています。

 一方、オメガ3は青魚やエゴマ油に多く含まれ、ホウレンソウなどの野菜からも摂取できる。こちらは炎症を鎮める“良い脂質”です。

 オメガ6も体内では合成できない必須脂肪酸なので、ゼロにすることはできません。重要なのは、オメガ3とオメガ6の摂取比率です。1対1の比率で摂るのが理想的ですが、いまの日本人はだいたい1対5。オメガ6を摂り過ぎているのです。スナック菓子などを控えてオメガ6を減らしつつ、オメガ3を増やさなければなりません」

 オメガ3を含む食品の中で、白澤氏が特にオススメするのが青魚だ。

「青魚に含まれるオメガ3の一種、DHAは認知機能の改善に効果があります。サバやサンマ、ブリにはとくに多くのDHAが含まれています。比較的安価なものが多いですから、1日に一切れは食卓に並べて欲しい」

■ココナッツオイルで認知機能テストが向上

 ココナッツオイルも白澤氏が推奨する良質な脂質だ。

「豊富に含まれる中鎖脂肪酸が認知機能を改善させるのです。ココナッツオイルはケトン体という物質を多く産出します。これが脳のエネルギー源となり、認知機能を改善させるのです。クリニックに通う患者さんにココナッツオイルを摂るように指導していますが、MMSEという認知機能を測るテストで、10%スコアが向上した人もいます」

 日本人にはあまり馴染みがないココナッツオイルだが、白澤氏はカレーに入れることをオススメしている。

「カレー粉に使われているウコンには、アルツハイマー病に効果のあるクルクミンが含まれており、インド人の認知症の発症率はアメリカ人の4分の1とされています。ただし、日本で売られているカレー粉などはウコンの含有量が低いものも多い。市販のカレー粉やルーで料理する場合は、ウコンの粉を足すと、さらに健康効果が増すでしょう」

 白澤氏は、発売中の 「文藝春秋」7月号 に「令和版 100までボケない15の方法」を寄稿。正しい油の摂り方のほか、野菜や緑茶、赤ワインなどの食生活に加え、認知機能の予防、改善に役立つ運動や生活習慣についても詳述している。

(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2019年7月号)

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