外交官&演劇批評家が講義 シェイクスピア『リア王』原書の読み方

外交官&演劇批評家が講義 シェイクスピア『リア王』原書の読み方

西ヶ廣渉さん

 英国、リビアやルクセンブルクに赴任した外交官であり、また、演劇批評家でもある西ヶ廣渉(にしがひろわたる)さんが、NHK文化センター青山教室で、『リア王』の原書講読講義を行う。

「小学4年の頃、ローレンス・オリヴィエが演じた『ハムレット』でシェイクスピアに出会い、一瞬でとりこになりました。福田恆存の訳本と照らし合わせて何度も聞いたおかげで中学、高校と、英語の試験の前には全く勉強する必要がありませんでした」

 大学時代のヨーロッパ放浪をきっかけに外交官の道を進むが、外交でもシェイクスピアが役立ったという。

「特命全権大使としてリビアに赴任したのは2009年。リビアは核兵器を放棄し、日本を含む主要各国は石油資源のあるリビアとの関係強化を図りました。実は、カダフィ大佐はシェイクスピア研究家で、論文も執筆しています。シェイクスピアという共通の話題のおかげで、指導者と親しくなることができました」

 40年に及ぶ外交経験、そして、演劇批評を続ける中でたどり着いたのは“一番面白いのは人間”という思いだ。

「とりわけシェイクスピアは、現代にも通じる、普遍的な世界の不条理を描くことが魅力です。『リア王』は、老いた王が娘たちに裏切られて放浪し、娘ともども身を滅ぼす悲劇です。手も足も出ない巨大な力に対峙して、人間はどう振る舞うのか。人間の根本に皆さんと迫りたいと思います」

INFORMATION

人間の本質とその深淵?『リア王』原書講読
7月8日〜12月9日、全6回。事前準備不要、テキスト配布、単発受講可。
https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1173458.html

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年7月11日号)

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