「三振は許されない」システム統合最終局面 みずほ銀の夏、緊張の夏

「三振は許されない」システム統合最終局面 みずほ銀の夏、緊張の夏

坂井辰史・みずほFG社長 ©共同通信社

 7月13日から15日の3連休で、みずほフィナンシャルグループ(FG)はシステム統合の最終局面を迎える。みずほにとって旧3行(第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行)が合併して以来、システム関係は“鬼門”だ。2002年の開業初日と11年の東日本大震災後に、ATMが使えなくなったり、送金が滞るなど大規模なシステム障害が発生。2度とも金融庁から業務改善命令を受け、11年はみずほ銀行の頭取が辞任に追い込まれた。それだけに今回は「野球でいえば3度目のスイング。三振は許されない」(みずほFG関係者)。

 今回の作業は銀行業務の根幹をなす勘定系システムを最新鋭のシステムに移行させるものだが、みずほならではの難しさも残る。「三菱UFJが日本IBM、三井住友がNECを中核に統合しました。しかし、みずほは日本IBM、富士通、日立製作所、NTTデータの4社体制を活かしたまま統合する」(同前)。

 それだけ作業は複雑化し、総投資額は4000億円超、開発工数の推定でピラミッド建設に匹敵するほどの巨大プロジェクトとなった。

 このため統合作業は、新システムを稼働させた上で、全国400数十店舗の口座データなどを8つに分け、順次統合していく「店群移行方式」で進められた。不測の事態が発生した場合は、移行作業を一旦中断して作業前の状態に戻す「フォールバックプラン」も取り入れた。「引越し作業のようなもので、支障があれば荷物をもとに戻せるようなイメージ」(みずほ銀関係者)

■システム統合のメリットは?

 移行が順調に終われば、みずほのシステムは、最新鋭のものとなり、競争力が飛躍的に高まる。新商品・サービスの開発期間やコストも3割程度削減できる見通しだ。

 みずほFGは、今年3月期決算で、システム統合に伴う償却負担額約4600億円を一括処理した。FGの坂井辰史社長(59)は「これで後年度負担が一気に解消し、より柔軟で機動的な運営ができる」と強調する。

「今回対象となるみずほ信託銀行が最後のシステム統合です。同行は銀行業務と信託業務を兼営しているので、これまでにない難しさがありますが、万全の体制で臨みます」(前出・みずほFG関係者)

 みずほにとって緊張の夏だ。

(森岡 英樹/週刊文春 2019年7月18日号)

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