《緊急会見》韓国一腐敗したイケメン政治家チョ・グク氏 若者にウケていた軽薄「反日SNS」

《緊急会見》韓国一腐敗したイケメン政治家チョ・グク氏 若者にウケていた軽薄「反日SNS」

質問に答える゙国氏 ©共同通信社

 日韓関係が緊迫する中、韓国メディアを賑わす文在寅大統領の“後継者”゙国(チョ・グク)氏のスキャンダル。゙氏は9月2日午後に緊急会見を開き、改めて一連の疑惑を否定した。

 ゙氏はこれまで「反日」の急先鋒として、SNSを中心に日本批判を繰り返していた。日本が対韓輸出管理の厳格化を打ち出した7月から、Facebookには50を超える書き込みがあったという。彼が発言していた「反日発言」とはどんなものなのか。韓国で取材を続けるノンフィクションライターの崔碩栄の現地レポート。

■GSOMIA脱退がかすむ「超大型スキャンダル」

 韓国政府が8月22日に発表したGSOMIA破棄。両国関係が悪化の一途を辿る中、トドメを刺すような“事件”に、日韓メディアはこの事実を速報で伝えたが、韓国では日本人が想像するほどには話題にならなかった。ほぼ同時期に韓国人の関心を一手に引き受ける「超大型スキャンダル」が発覚したためだ。文在寅政権の初代民情首席秘書官であり、次期法務部長官に指名され、今まさに国会聴聞会を控えていだ国(チョ・グク)氏についての疑惑である。

 韓国国民が注目する゙国氏とは、どういった人物なのか。まず彼の経歴を簡単に紹介する。1965年、釜山の裕福な家庭に生まれ、82年16歳にしてソウル大学法学部に入学。ソウル大大学院で修士、米カルフォルニア大大学院で博士号取得。彼の名前が全国に知られるようになった事件が起きたのは蔚山大学に在職していた93年のことだった。

 南韓社会主義労働者同盟のメンバーとして活動中、国家保安法違反容疑で拘束され、有罪判決を受けたのだ。この事件により、彼は一躍有名人となった。執行猶予付きの懲役刑を言い渡された彼はその後、ソウル大学の教授に就任する。

■外見はストレスでもあり、コンプレックス

 ソウル大学教授就任後には、著書の出版や講演を続けながら、後に文政権の要職を占めることになる人物の溜まり場だった左派市民団体「参与連帯」に参加。この活動などを通じて知名度や影響力をより高めた。左派政治家たちの選挙運動にも積極的に参加し、SNSなどを通して政治的な意見を発信し続け、その中では「現在の社会は腐敗し、不公平、不平等だ」などと若者の怒りを呼び起こすような内容が多かった。

 一方で、"イケメン教授"として多くのファンがついだ氏。2012年の釜山日報のインタビューでは、「学生時代にモテたか?」という質問に対して、「図書館の席は(女性から届けられた)飲み物、お菓子が山積みになっていた」「頻繁にファンレターももらい、まわりの視線が気になった。(女性の注目される)外見はストレスでもあり、コンプレックスでもあった」。こんな打ち明け話が紙面を飾るほどの"モテ男"ぶりだった。

■徴用工大法院判決を非難するなら「親日派」

 ゙氏はソウル大学を休職し、青瓦台民情首席秘書官として抜擢されると、文大統領が進める「積弊清算」(長年の政治的弊害の一掃運動)の先頭に立ち、李明博、朴槿恵という保守政権の不正の追及を進めてきた。

 7月に入り、日本政府が韓国への半導体材料の輸出管理の厳格化を打ち出すと、韓国内では激しい日本批判の嵐が吹き荒れ、市民団体だけでなく一般人までもが街に飛び出し反日デモに参加する“興奮状態”に陥った。

 そんな中、゙氏が民情首席として取り組んだのが、国民に冷静さを取り戻すように働きかけることではなく、SNSを使った連日の「日本批判」だった。

 Facebookを使って、軽々しく感じるほど「反日」発言を繰り返していく。声高に叫ぶようなスローガンではなく、自身の教養をベースにした「反日」発言の数々は、すでに燃え上がっていた世論に静かに油を注ぐように、ジワジワと韓国社会に浸透していった。

 象徴的なのは、7月13日の書き込みだ。彼はYouTubeに公開されていた『竹槍歌』を引用し、次の一文を掲載した。

SBSドラマ『緑豆の花』の最後のシーンを見たが、しばらくの間忘れていたこの歌がBGMとして流れた。〔7月13日、Facebook〕

『緑豆の花』は、1894年の農民反乱(日本では「東学党の乱」と呼ばれる)が起こった当時の、日本軍と戦った義兵と農民たちを描いたドラマだ。「竹槍」とは韓国においては民衆、つまり下からの抵抗、武装蜂起、流血革命などを象徴する単語だ。

 日本人にはピンとこなくても、韓国人にとって、日韓関係が悪化していく状況におけるこの発言は、十分に刺激的だ。実際、同日の国会予算決算特別委員会でも取り上げられて、洪楠基・経済副首相はこの゙氏の「竹槍歌」の書き込みについて、「必要な分野では韓国政府が断固とした対応を取る、という意思を表現したものと解釈している」とまで述べている。

 7月20日の発言では、゙氏の対日観がより明確になる。日韓基本条約、および徴用工判決について言及した、次の投稿だ。

1965年以降の一貫した韓国政府の立場と、2012年および2018年の大法院判決を歪曲、非難、売りわたす韓国人は当然『親日派』と呼ばなければならない。 〔7月20日、Facebook〕

 この発言は、「日韓合併や日本の支配を不法と捉える見解」に反する意見を持つ人はみな「反動」であり、遠回しながら「非国民扱いすべきだ」という主張だ。オブラートに包みながらも、その中身は、全体主義、ファシズム国家のような主張。これが韓国随一の大学で「法」を教えた教授の発言だとは驚きである。

■『反日種族主義』は「吐き気がする」

 7月に発売され韓国に一大センセーションを巻き起こしている本がある。ソウル大学元教授の李榮薫氏、落星台経済研究所研究委員の李宇衍氏らの共著『反日種族主義』だ。この本は慰安婦、徴用工、徴兵、独島(日本名竹島)、食料収奪など、一般の韓国人たちが日本を「悪」と認識するようになるいくつかの説を批判した内容であり、これまでの韓国社会の常識に正面から挑む内容。この本は韓国で「日本の論理を代弁している」「親日的だ」という非難を受ける一方で、文政権に厳しいスタンスの保守、若者から熱狂的な支持者を生み出し、総合ベストセラー1位を記録するなど、注目を集めている。

 ゙氏はこの本について、次のように評価している。

この人たちにこんな吐き気がする本を出す自由があるなら、市民にはこの人たちを親日派と呼ぶ自由がある。〔8月5日、Facebook〕

 ゙氏と同じソウル大教授だった李教授の著作に対し「吐き気がする」と表現することも問題だが、そんな直接的な物言いをしながらも、それ以上の評価は避けて、彼が伝家の宝刀のように「親日派」というレッテルを持ち出した点について注目したい。

 彼にとっては韓国政府や裁判所の意見に学問的視点から批判することも「親日派」で、韓国の歴史観と一致しない意見も「親日派」なのだ。

 ゙氏はそのほかにも、SNSに「こんな状況で重要なのは、進歩・保守、左・右ではなく、愛国か利敵かだ」〔7月18日、Facebook〕と書き込んでいるほか、8月に法務長官に指名された際にも記者団に対して、豊臣秀吉の朝鮮侵略を退けた救国の英雄とされる李舜臣が作った詩をわざわざ引用した。

 知的な雰囲気を醸し出しながら、韓国国民をソフトに「反日」へと誘ゔ氏のSNS。しかし、その発言の奥にはファシズムの香りさえ漂う。このような人間が法務長官の職に就いたなら、韓国の未来は果たしてどこを目指すことになるだろうか。

 現在、゙氏の法務長官任命に対しては賛成27%、反対58%で反対の声が圧倒的に多い。これが響いたのか8月3週目の世論調査で文大統領への支持率も支持46%、不支持50%と、2週連続下落している。文大統領が曹氏の任命を強行すれば、支持者の離反も加速するだろう。

(崔 碩栄/週刊文春)

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