口がどんどん「への字」に……小泉進次郎環境相の就任記者会見で気になった仕草とは

内閣改造で小泉進次郎氏が環境相に就任 会見での口を真一文字に結んだ仕草に記者指摘

記事まとめ

  • 小泉進次郎環境相が誕生し、入閣の決め手を聞かれ「理屈じゃない」と微笑んだ
  • 小泉進次郎氏は内面を説明しなかったが、大臣就任を望んでいたと推測されている
  • また、進次郎氏の口を真一文字に結んだ仕草について、本音が表れたと記者が指摘する

口がどんどん「への字」に……小泉進次郎環境相の就任記者会見で気になった仕草とは

口がどんどん「への字」に……小泉進次郎環境相の就任記者会見で気になった仕草とは

第4次安倍第2次改造内閣の閣僚による記念撮影(首相官邸ホームヘ?ーシ?より)

 9月11日の内閣改造・自民党役員人事で、小泉進次郎環境相が誕生した。これまでなるべく露出を避け、オープンな場に出ることを極力避けてきた節があるように見受けられる小泉氏だけに、大臣就任はかなりプレッシャーのかかる局面になるはずだ。そう思って 大臣初日の会見 を見てみたが、小泉進次郎はどこまでいっても“政治家・小泉進次郎”を演じていて、なかなか本音は見えてこない。

■実のところ大臣就任を望んでいた?

「理屈じゃないですね」

 ぶら下がり会見で、入閣の決め手について聞かれた小泉氏は、「理屈じゃないですね」と微笑んだ。この発言は、8月に同じ首相官邸で、滝川クリステルさんとの結婚報告を行った際も、結婚の決め手として述べていた発言と同じ。理屈じゃないというのは、裏を返せば感情やら本音やら思惑やらが、そこにごった混ぜになって含まれているということだ。常に鎧を身にまとって小泉進次郎を演じている小泉氏が、自らのそんな内面を説明するわけもない。それでも入閣要請に「よろしくお願いしますと自然と体から出た」と言うのだから、実のところ大臣就任を望んでいたと思われる。

「まずは明日、福島に行きます」

 人に話を聞いてもらうには最初の一言が大事になる。これは小泉氏自身も言っていることだ。フィールドワークとしてやってきた復興は、環境相兼原子力防災担当相として強みになる。小泉氏はこの第一声で、復興や原発に対する関心の高さや行動力を世間にアピールできたはずだ。翌日には早速、福島入りして内堀雅雄知事と会談し、メディアがそれを追いかけ報じる。彼の発信力はやはりずば抜けている。「任命された理由の1つが発信力の強化」と語っているように、自分に求められている重要ポイントは発信力だと理解している。

「環境省に眠っている宝は世界の宝になる」

 発信力は早速、ぶら下がり会見や就任会見から使われた。「こんなに露骨に売り込むのかと、そういった姿勢で」と声高に、日本の環境対策の最先端技術をセールスする姿勢を強調した。

 しかし、それより先に売り込んだのが環境省自体だ。今日一日、職員からレクチャーで叩きこまれたという小泉氏は、「すごく優秀な環境省の職員の皆さんが」いて、知れば知るほど「発信力がなくてもったいない」とアピール。就任早々、自らの省庁をここまで持ち上げる大臣もいまい。期待を寄せているのだろうが、あまりに露骨な表現のため褒め殺しのようにも聞こえる。ただ発言の途中、「やっていけるかどうかわからないけど」と声を落として微笑んだのも意味深だった。

■地名や固有名詞が出てくる話はわかりやすい

「絶対に見つけなければならない」

 福島の汚染土は30年以内に県外の最終処分地に持ち出すことが約束されている。その処分地の選定すらされていない状況を問われると、小泉氏は「細部はこれから環境省のみなさんとしっかり議論して考えていきたいと思う」と述べながら、右側に座る環境省の職員の方に硬い視線を送った。環境省の売り込みに力をいれているとはいえ、その視線には、一緒にやっていこうというより、細部を決めるのは君たちの仕事だという意図が秘められているような印象を受けた。

「イノベーションなくして達成なし」

 “イノベーション”や“社会変革”、そしていきなり飛び出してきたのが“SDGs(国連が掲げた持続可能な開発目標)”。なんとなくイメージできるものの、具体的にはよくわからない。会見では、これらの言葉に力が入り、歯切れよくテンポよく、手振りを交えて語られた。前向きで積極的なイメージは持つが、つかみどころの無さを感じる。

 ところが地名や固有名詞が出てくる話はわかりやすく、彼が言う景色がどんな景色なのかイメージしやすい。どんな難しい話題も身近な話題につなげて話すため耳に入りやすいが、逆にどんな話題も彼の土俵に持ち込まれ、話がすり替わる危険もある。どの話題も答えが同じ穴に入って行くように感じるのは、そのためだろう。

「戦略的な試みが世界に広がる」

 安倍首相からG20で議題になった環境問題について任された中でも、小泉氏は海洋プラスチックゴミ対策の推進に関心が高いらしい。質問がこの話題になると、話しながら質問者の方に身体を向けて、前のめりになっていく。手振りも大きく語気が強まり、熱が入っていくのがわかる。プラゴミ回収率は世界1という日本の取組みを前向きに進め、世界規模でアピールできると踏んだのだろう。

■国会答弁に耐えていけるのか

「農林水産省や他の省庁とも連携できることがあれば、積極的に連携していこうと思っている」

 地方創生について問われると、小泉氏は農林部会で活動していた時の経験を表情豊かに話した。そしてこう締めくくった。だがこの発言の後、彼は口を真一文字に強く結び、顎を少し上げ、面白くなさそうな表情を一瞬、見せたのだ。会見中、こんな表情を見せたのはこの1度きり。おそらく農林水産省には苦い思いがあるのだろう。大臣としてリップサービスしたものの、本音は違うと思えた瞬間だ。

 よく知らない話には短く答え、説明はしない。水俣病についてなどまだ勉強不足の話題には身体が大きく左右に揺れるし、答えるのが難しい質問や突っ込んでくる質問には、口がどんどんへの字になっていく。またそういう質問をする相手、警戒した方がいいような相手は、話の途中で名前を聞いて牽制する。

 大臣ともなればこれまでと違い、会見も行えば国会答弁もしなければならない。それだけ批判され、攻撃される機会も出てくるだろう。これまで避けてきた話題や語りたがらなかったテーマと向き合わざるを得なくなったときにどうなるのか。正念場を迎えるのは間違いない。はたして、演じられた“政治家・小泉進次郎”ではない素の小泉進次郎が垣間見える機会はあるだろうか。

(岡村 美奈)

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