“12の不祥事を持つ男”が新大臣に……いま菅原一秀経産相から目が離せない!

“12の不祥事を持つ男”が新大臣に……いま菅原一秀経産相から目が離せない!

菅原一秀経済産業相 ©AFLO

 9月11日、第4次安倍第2次改造内閣が発足した。時事芸人のプチ鹿島氏は内閣の顔ぶれを見て「バーベキュー内閣」と評した(毎日新聞 9月12日)。安倍晋三首相と本当に親しい人たちが集まった内閣という意味だが(安倍首相、加計孝太郎氏、萩生田光一氏のバーベキュー写真を思い出す人もいるだろう)、その中でも初入閣を果たした菅原一秀氏の過去の発言を遡ってみたい。

菅原一秀 経済産業相
「女は25歳以下がいい。25歳以上は女じゃない」
「子供を産んだら女じゃない」
「嘘を申請したから大丈夫」
『週刊文春』2016年4月7日号

■「シングルマザー世帯の雇用拡充」を公約に掲げながら……

 新入閣を果たした菅原経済産業相は不祥事のデパートとして知られ、ウィキペディアにすら12もの不祥事が掲載されている。上記の発言はその中の一つ。

 報道によると、菅原氏は2012年の年末頃から27歳の女性と交際(ちなみに菅原氏は独身だったので、ここで「愛人」という表現を使うのはおかしい)。女性によると、菅原氏は何かというと怒り、彼女に対して「バカじゃないの」「親の教育が悪い」などと言ったり、物を投げつけたりしていた。また、彼女を含めた女性を見下した発言を再三行っており、「25歳以上は女じゃない」「子供を産んだら女じゃない」などと話していたという。

 菅原氏は「10の約束」として「子育て・教育無償化・不妊治療に財源確保!」「シングルマザー世帯(ひとり親世帯)の雇用拡充!」という公約を掲げているが、彼の目には子育てをする女性は「女じゃない」と映っているのだろうか。

■反論は「誤って消してしまいました」

 また、国会開会中だった2013年4月27日から5月1日にかけて、彼女を同伴してハワイ旅行に出かけていたことも判明した。菅原氏は衆院議員運営委員会に「政治経済事情視察」として請暇願いを出していたが旅行中は「ゴルフ三昧」で、心配する彼女に言い放った言葉が「嘘を申請したから大丈夫」だった。

 菅原氏は報道を受けてフェイスブックに反論を記したが、「誤って消してしまいました」とのことで現在は読むことができない。「週刊誌報道に関するご報告」と題されたブログ記事も削除されている。

■「出てきて下さい。そのA子さん」

 なお、記事中で菅原氏は「本人が公衆の前に出てくれば冷静に判明できます」「出てきて下さい。そのA子さん」と呼びかけていたが、これは財務省の福田淳一事務次官がセクハラ問題で辞任した際、財務省や麻生太郎財務相が被害者に名乗り出るよう呼びかけた事例とまったく同じだ。

菅原一秀 経済産業相
「五輪に反対で、『日本人に帰化をしたことが悔しくて悲しくて泣いた』と自らのブログに書いている。そのような方を選ぶ都民はいない」
朝日新聞デジタル 2016年6月17日

 菅原氏の発言をもう一つ。2016年6月、東京都知事選をめぐる党会合で、都知事選への出馬が取りざたされていた蓮舫民進党代表代行(当時)について、「五輪に反対で、『日本人に帰化をしたことが悔しくて悲しくて泣いた』と自らのブログに書いている。そのような方を選ぶ都民はいない」と発言していた。

■デマに踊らされる“自民党ネットメディア局長”

 しかし、実際にはそのような記述はなく、菅原氏は取材に対して「蓮舫氏のブログではなく、ネットで流れていた情報だった」と訂正した。蓮舫氏は「(帰化して泣いたというのは)SNSで拡散されているデマだ。国会議員がこのレベルの書き込みを真剣に受け取って発言するとは驚きだ」とコメントしている。

 だが、菅原氏はネットに疎かったわけではない。その真逆で、2015年10月には自民党ネットメディア局長に就任。2016年当時は自民党公認のボランティア組織、自民党ネットサポーターズクラブの代表も兼務していた。菅原氏が自民党ネットサポーターズクラブの書き込みを目にして、そのデマを利用しようとしたということも十分考えられる。

 菅原氏の嘘といえば、選挙公報に「甲子園出場4回」と記されていたが、実はアルプススタンドで3回応援していただけだった、というものがある。立派な経歴詐称だが、この嘘が可愛く見えるのだから困ったものだ。

■公約だった「脱原発」はちゃっかり破棄

菅原一秀 経済産業相
「原発ゼロは、今この瞬間、将来的に考えても現実的ではない」
ロイター 2019年9月12日

 これは経済産業相に就任してからの発言。菅原氏はこれまで一貫して「脱原発」を訴えてきた。菅原氏の公約である「10の約束」にも「原発依存低減へ、あらゆる取組みの強化!」とあり、「党内で脱原発政策を進め、全国の高速道路に太陽光パネルを設置したり、従来の2〜3倍の発電効率のある発電技術を実現します」と書かれている。

 しかし、省内で記者の質問に答えた菅原氏は、「原発のリスクや恐ろしさはある」としながらも「原発ゼロは、今この瞬間、将来的に考えても現実的ではない」と断言した。現在だけではなく、「将来的に」も現実的ではないというのだ。「脱原発」という公約は放棄したと考えていいだろう。

 菅原氏は、菅義偉官房長官と非常に親しい間柄だ。菅原氏の両親は菅氏と同郷の秋田県で出身高校も同じ。ツイッターには「菅官房長官は常に冷静沈着で、あらゆることに気を配られる天才です。衆議院議員初当選以来、無派閥を16年間貫いてきたのはこの方がいらしたからです」と記していた(4月30日)。

菅官房長官は常に冷静沈着で、あらゆることに気を配られる天才です。衆議院議員初当選以来、無派閥を16年間貫いてきたのはこの方がいらしたからです。拉致問題を解決すべく、いよいよ訪米の日も近づいてまいりました。全日本国民が刮目する初訪米となります。 https://t.co/7mtsFbxTQK

? 菅原一秀〈経産大臣〉(すがわらいっしゅう/自民党東京9区) (@sugawaraisshu) 2019年4月30日

■菅官房長官の主張が乗り移った?

 菅官房長官は、脱原発には一貫して否定的な立場をとっている。2013年には小泉純一郎元首相が脱原発を政府に求めたことに対して、「(政府は)責任あるエネルギー政策を推進していくことが極めて重要。その中で、できる限り原発依存度を低減させていく」と発言(日本経済新聞 2013年11月12日)。

 竹中平蔵氏との対談では「世界で最も厳しい安全基準をつくったので、これで規制委員会が認めるかどうか、だ」「当然、それで規制委員会が認めたものについては稼動という方向になっていく」と明言している(GLOBIS知見録 2014年1月16日)。

「今の原子力規制委員会の新規制基準は世界一厳しいと評価されている。そこに合致した場合、判断を尊重して、地元の理解を得ながら再稼動を進めるのが政府の一貫した考え」という菅原氏の発言は、菅氏の発言とまったく同じと言っていい。

 菅氏は今年1月、日立製作所が英国での原子力発電所新設計画の凍結を決めたことについて、「安全運転や東京電力福島第1原発事故の収束を実現するためにも人材、技術、産業基盤の維持・強化は不可欠だ」「どのような方策で維持、強化を実現するか経済産業省がしっかり検討している」と原発輸出を進めていく方針について語っている。菅原氏はもはや脱原発どころではないだろう。まさに「バーベキュー内閣」の面目躍如である。

(大山 くまお)

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