スイカかクレジットカードだけあればいい――消費増税で損しない「たった3つのルール」

消費増税で損しない『3つのルール』 交通系ICカードかクレジットカードを専門家推奨

記事まとめ

  • 消費増税が始まったが、P還元制度によりキャッシュレス決済すれば最大5%が付与される
  • 消費増税で損しない『3つのルール』を、ファイナンシャルプランナーが伝授している
  • スイカは歴史が古い分、補償が充実しているが、スマホ決済は注意が必要と語っている

スイカかクレジットカードだけあればいい――消費増税で損しない「たった3つのルール」

スイカかクレジットカードだけあればいい――消費増税で損しない「たった3つのルール」

アピールする世耕弘成前経産相 ©共同通信社

 8%から10%へ――。消費増税が10月1日、ついに始まった。同時に飲食料品などが8%となる軽減税率が導入され、キャッシュレス決済でポイント還元される制度も実施。実質税率は10%、8%、6%、5%、3%と複雑だが、3つのルールさえ守れば、大丈夫だ。

◆◆◆

「総務省の家計調査から私が試算したところ、一般的な世帯は今回の消費増税によって1カ月あたり約4000円支出が増えますが、食料品、交際費などで5%のポイント還元をしっかり利用すると約8600円分、負担額の倍以上戻ってきます」(ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏)

 ポイント還元制度は、現金を使わず、クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済で買い物をした場合、最大5%のポイントが付与されるというもの。つまり現金払いだと損をするのだ。この事業は政府が、2798億円の関連予算を計上。来年6月末までの期間限定だが、「万一、補填ができなくなれば、早期終了する場合がある」(経済産業省キャッシュレス・ポイント還元事業担当者)という。

 何から始めるとよいのか。

「現金や銀行口座からあらかじめチャージしておくプリペイドカードや電子マネーがよいでしょう。スイカなど交通系ICカードなら交通機関を利用する際、現金より安くなり、お得です」

 こう話すのは決済サービスコンサルティングの宮居雅宣社長だ。

「審査は不要で、窓口などですぐに作れます。チャージした金額分しか使えないので使い過ぎの心配はありませんし、ワンタッチで精算され、サインなどのわずらわしい作業もいりません」

 スイカは一度にチャージできるのが2万円まで。高額の買い物なら、クレジットカードが安心だ。

「歴史が古い分、セーフティネットなどセキュリティや補償が充実しています。本人より先に紛失や盗難に気づいて確認の連絡が来るなど不正な使用を防ぐことが出来ます」(同前)

 前出の風呂内氏は、年会費無料のカードを勧める。

「楽天カードは普段から1%ポイント還元があり、楽天市場利用なら3%還元です。NTTドコモのdカードはポイント還元が1%、さらにローソンで5%など特約店ごとに上乗せされます。これらに加えて還元事業があるので、ポイントの二重、三重取りが可能です」

■QRコードを読み取るスマホ決済は注意が必要

 他のキャッシュレス手段に、QRコードを読み取るスマホ決済がある。PayPayなど各社がさらにポイント還元するキャンペーンを実施しているが、前出の宮居氏が注意を促す。

「スマホ決済は、店側は決済端末が不要のため導入が簡単で、これから増えていくでしょう。特典が魅力で各社の補償も向上しつつあるものの、セキュリティ面ではまだノウハウ習得中といえます。慣れれば簡単に利用できますが、混雑した店内でアプリを立ち上げる手間や、電池切れや通信障害時に使えない点には注意が必要です」

「交通系ICカードかクレジットカードで決済する」。これが、一つめのルールだ。

 気をつけなければならないのは、どこでも恩恵を受けられるわけではないという点。2つめのルールは、「5%還元が受けられる中小店舗で買い物すること」だ。

 5%還元は、個人事業主や中小企業が対象で、小売業なら資本金5000万円以下、もしくは従業員50人以下といった条件がある。大手企業でもコンビニエンスストア、レストラン、ガソリンスタンドなどのフランチャイズ店は2%還元だ。

 対象は全国で200万店に及ぶが、10月1日から開始できる店舗は4分の1の約50万店。店舗が経産省に申請し、登録審査を受けなければならないためだ。

「今後追加登録していきます」(前出・経産省担当者)

 こうした対象店をどう見つければいいのか。

「登録審査が完了した店舗にはポスターやステッカーなどの店頭用広報キットが届き、目立つ場所に掲示されます。店舗情報は、還元事業のホームページやアプリで確認できます」(同前)

 前出の風呂内氏が続ける。

「スーパーでも個人経営や中小規模なら対象ですが、イオンなど大手スーパーや三越伊勢丹といった百貨店は対象外。アマゾンや楽天市場など電子商取引サイトでも『5%還元』などのアイコンが付けられている事業者の商品なら、還元が受けられます」

 本来、コンビニの直営店は対象外だが、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンの三大コンビニの他、ミニストップなどでは2%のポイント補助分を本部が負担し即時還元を行う。

 飲食チェーンでは、マクドナルドは国内約2900店舗のうち、フランチャイズ約2000店舗で2%還元される。しかし、吉野家はフランチャイズ店を持つが、還元事業に参画しなかった。

「システム改修が間にあわなかったためです。ただ、10月15日まで、牛丼・牛皿の本体価格10%オフのキャンペーンを行っています」(吉野家広報担当)

 ポスターが貼ってあっても、まだ安心は出来ない。

「キャッシュレス決済は、決済サービスのブランドや電子マネーによってはポイント還元に対応していないこともあります。また、店舗が契約するカード会社全てに申請しなければならず、申請が漏れた発行会社によっては還元にならないこともあります」(飲食店経営者)

 どうすればよいのか。

「基本的には店頭ポスターの『対象決済手段』にマークがあれば還元されるので、ご自身の決済サービスのマークがあるか確認しましょう。稀にマークがあっても還元されないケースがあるので、念のためそのお店が還元対象かをご自身の決済事業者に確認すると安心です」(前出・宮居氏)

■スイカでポイント還元を受けるために必要なこと

 ところが、まだ落とし穴がある。交通系ICカードの場合、インターネットで事前登録が必要。

「スイカでポイント還元を受けるには、JR駅のみどりの窓口などで氏名、生年月日などを登録する『記名式』にした上、『JREポイントサイト』でウェブ登録しなければなりません」(前出・風呂内氏)

「還元方法をチェックする」のが、3つめのルールだ。

「還元事業は原則、次回以降の買い物で使えるポイントが付与されますが、ポイントの有効期限がいつまでかを確認しておくとよいでしょう」(同前)

 実は還元が楽なのがクレジットカードだ。

「UC、セゾン、JCBなどが発行するクレジットカードは、請求額の引落しの際に還元分が割引かれるので損することはありません」(同前)

 ただし、クレジットカード1枚につき還元額は月1万5000円(利用額で月30万円)と上限がある。

 やみくもにキャッシュレスにするのはトラブルの元。3つのルールを抑えて、賢く制度を利用したい。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年10月10日号)

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