【来年の「桜を見る会」は中止】 官邸もコントロールできなかった「桜を見る会」参加者のブログ発信

【来年の「桜を見る会」は中止】 官邸もコントロールできなかった「桜を見る会」参加者のブログ発信

「即位礼正殿の儀」に参列した安倍晋三首相夫妻

 面白いコラムがあった。「日本の政治家は潔い?」である。11月5日の産経新聞でソウル駐在の黒田勝弘記者が書いていた。

 韓国メディアが日本の政治家を珍しくほめているという。何を?

《夫人の公選法違反疑惑で引責辞任した河井克行前法相のことで、「任命責任」から国民にわびた安倍晋三首相もついでにほめられている。理由は韓国でも法相をめぐる“チョ・グク・スキャンダル”が大問題になっているからだ。そこで「日本人は潔い。それに比べるとわが国は何だ!」というわけだ。》

 読んでしみじみしてしまった。やはり、あのことわざは正しい。「隣の芝生は青く見える」。

 日本の法相は潔いのに韓国の法相は! というらしいけど、いえいえ、日本の河井前法相も辞めただけでまだ何も説明してませんから。国民にろくな説明をしていないという点では韓国も日本も同じ。それどころか河井氏の妻には新たにこんな報道が出てきた。

「河井案里氏、広島県議に現金か 春の選挙中、公選法違反指摘も」(中国新聞デジタル11月8日)

 韓国メディアがさらに感心するように夫婦揃って「潔い」説明を聞きたいものである。

■河井前法相も、菅原前経産相もなぜ「説明」しない?

 だがここまで書いて思った。

 河井前法相も、菅原前経産相も「辞めただけでまだ何も説明はしていない」とつい思ってしまう。でももしかしたら、

「会見させてもらえない」

 のではないか? 官邸のアンダーコントロールで。

 それが強烈に匂うのは萩生田氏の件でわかる。次の記事を紹介する。

■徹底した官邸の「コントロール」

「身の丈発言 火消し優先」(毎日新聞11月2日)

 例の英語民間試験延期の内幕を書いているのだが、「自民党文教族議員」の言葉が載っている。

「萩生田氏は安倍晋三首相の側近中の側近。野党は政権に最もダメージを与えられる萩生田氏を攻め、逆に官邸は萩生田氏が次のターゲットにされるのを嫌った」

 決断の背景に与野党攻防。つまり延期決定は生徒のためではなかった。

 読売新聞でもこう書かれている。

「『深手』回避 官邸動く」(11月2日)

 異例の決定の背景には《首相官邸が政権運営への危機感を強め、議論を主導したことがあった》。

 そして《英語民間試験を巡っては、多くの問題があるにもかかわらず、事実上放置してきた官邸の責任は否めない》と、政権と親和性が高い読売にも言われている。

 マズいと思ったら慌てて幕を引く。大臣2人はすぐに辞めさせて口を封じ、英語民間試験延期はあたかも萩生田大臣の英断のようにみせる。

 しかしそこまで徹底して見える官邸だが、ここにきて意外なところが注目され始めた。

「桜を見る会」である。

■菊の季節に注目が集まってしまった「桜を見る会」

 かつて「菊の季節にサクラが満開」という競馬実況があったが、今年も菊の季節に桜が突如注目され始めた。きっかけは国会だ。

「『税金の私物化では』と批判あふれる『桜を見る会』何が問題か 国会質疑で分かったこと」(毎日新聞デジタル版11月9日)

《毎年春に東京都心の新宿御苑で開かれている首相主催の「桜を見る会」について、8日行われた参院予算委での田村智子議員(共産)による追及が話題だ。ツイッターでは「税金の私物化ではないか」といった批判があふれている。》

■安倍首相の後援会による「前夜祭」から約850人

 最も問題視されているのは、税金で首相の後援会員を招待しているのでは? という点。招待の規模も大きい。

《今年の桜を見る会の前日、東京都内のホテルで、安倍首相の後援会による「前夜祭」が開かれていたことも指摘。そこには約850人が出席し、首相夫妻も姿を見せたという。そして前夜祭の参加者は翌日は貸し切りバスで桜を見る会会場の新宿御苑に移動したという。》

「桜を見る会」と言えば、年々ド派手になるのが気になっていた。さらにこの“イベント”の意味である。有名人と共に写真に収まるのは絶好の好感度アピールにもなるからだ。新元号を発表した菅官房長官には記念撮影を求める行列ができたと報じられた。

■「桜を見る会」に招かれる人は政権側が呼びたい人

 この“イベント”の意味について、私は当時次のように書いた。

《令和おじさん人気が証明された形だが、しかし「桜を見る会」に招かれる人は政権側が呼びたい人でもある。ネットで影響力があるインフルエンサーたちが狙い通りに首相や菅氏の“にこやかな顔”をSNSで発信すればこれ以上ないイメージ戦略になる。》(文春オンライン6月7日)

 この好感度キャンペーンを国民の税金でおこなう。どう考えてもおかしい。

■「桜を見る会を見る会」が必要だ

 だからこそ私は「桜を見る会を見る会」が必要だと思ったのだが、来年度の開催経費は本年度の3倍超の5700万円が盛り込まれたという(東京新聞9月29日)。

「桜を見る会は参加費無料。酒やオードブル、菓子などがふるまわれる。政治家が自分のお金でやったら明らかに公職選挙法違反なのに、総理は税金を使った公的行事でそれをやっているわけですよ。まさにモラルハザードを総理が起こしている」田村氏はそう質疑を締めくくった(毎日新聞デジタル版11月9日)。

 安倍首相は8日、立憲民主党の杉尾秀哉氏を指さしながら「共産党」とヤジを飛ばした。このあと共産党議員から桜を見る会の怪しさについて追及されるのだから、よほど共産党と縁があるのだろう。

 山口県の県議らが会に参加したことを ブログ に書いていた。先ほど私は官邸の情報統制の徹底ぶりについて書いたが、さすがに桜を見る会参加者のネット発信までは対応できていなかった。それが今どんどん見つかっている。なんだかアラブの春のマヌケ版のようだ。発信者は今になって削除しているがもう遅い。

 興味深いのは、ここまでいろいろ明らかになったことで来年の「桜を見る会」がどうなるかだ。

 後ろめたいものがなければ、来年も安倍首相の後援会の約850人は出席するはずだ。もし数が減っていたらマズいと思ったということになる。ここが来年の“桜”の見どころである。

 850人を乗せたバスが新宿御苑に向けて発車するのか。

「桜を見る会を見る会」盛り上がって参りました。

※来年度の「桜を見る会」を中止するとの政府の発表を受けて、記事の内容を一部変更しました。(11/13?16:55)

(プチ鹿島)

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