振り込め詐欺で弘道会系幹部を逮捕 山口組トップを追い込む組対四課の“裏ワザ”とは

振り込め詐欺で弘道会系幹部を逮捕 山口組トップを追い込む組対四課の“裏ワザ”とは

10月18日、高山若頭との面会を終えた司組長

 弱きを助けて強きを挫くのが“任侠道”ではなかったか――。警視庁組織犯罪対策四課は11月12日までに、振り込め詐欺などの特殊詐欺に関与した容疑で指定暴力団山口組傘下の弘道会系組幹部、高松慶春容疑者(47)を逮捕した。弘道会は山口組の司忍(本名・篠田建市)組長(77)、高山清司若頭(72)のツートップの出身母体だ。

 警視庁担当記者の解説。

「マル暴とも呼ばれる組対四課は、10月に弘道会系の山口組四次団体西山組の組長を除く7人の組員全員を詐欺容疑で逮捕しました。埼玉の高齢女性に嘘の電話をかけ通帳とキャッシュカードを騙し取った上、現金50万円を引き出した疑いです。組対四課は西山組だけでなく、その上の野内組、さらに弘道会、そして山口組の本部を捜索。上層部まで突き上げていく方針を明確に示しました」

 高松容疑者は弘道会の竹内照明会長(59)の側近として知られる大物幹部だ。

「竹内会長は、弘道会の上部団体である山口組の若頭補佐という最高幹部の1人。山口組の次の次の組長とも目されており、組対4課はこの竹内も逮捕したがっています」(同前)

 弱いものいじめの典型である振り込め詐欺は、ヤクザの世界で御法度とされてきたが、その実、裏の資金源となっている。山口組ではナンバー2の高山若頭が10月に出所し、服役中に分裂を許した組員らに活を入れたばかり。出身母体が禁断の行為に関与していたとあっては、はらわたが煮えくり返っているだろう。

■山口組トップを追い込む組対四課の“裏技”とは

「組対四課は近年、専従部隊を立ち上げるなど、特殊詐欺事件の捜査を強化してきたが、ここまで暴力団の上層部に迫れそうなのは初めて。6月から警察の施設で通信事業者の立会人なしで、電話などの通信傍受(盗聴)が可能になったのも捜査上、威力を発揮しているとみられます」(同前)

 組対四課はさらに、別の“裏技”を使って山口組のトップを追い込もうとしている。民事裁判による損害賠償の請求。つまり、組員の不始末の“請求書”を組長にまで回すのだ。捜査関係者がその意義を語る。

「民事は刑事事件よりも暴力団トップの責任が広く認められる傾向がある。山口組組員による殺人事件では司組長の使用者責任を認め、1億円をもぎ取った。さらに住吉会のトップに組員の特殊詐欺の責任を問い、約7億円の賠償を求めて提訴した例もある。判例は積み上がっており、今後もこの手の損害賠償で金銭的にも暴力団を追い詰めていく」

 今回の事件の詐欺の被害額は現時点で数千万円。請求書の金額は、最終的にどこまで積み上げられるか。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年11月28日号)

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