元KARAク・ハラを追い込んだSNSアプリの「流出デマ」画像

元KARAク・ハラを追い込んだSNSアプリの「流出デマ」画像

死亡が確認された元KARAのク・ハラ ©AFLO

「歌手ク・ハラ、自宅で遺体発見」――。

 ソウル・江南警察署が最初に発表したのは、11月24日夜。現地メディアは大きな衝撃とともに、その早すぎる死を一斉に繰り返し報じた。

 ク・ハラは今年1月末に韓国の所属事務所CONTENT Yとの契約が満了した後、6月に日本のプロダクション尾木との契約を発表。11月13日には日本で初のソロシングル「Midnight Queen」を発売し、翌14日から同月19日まで東京〜福岡計4カ所を回るコンサートツアーを開催した矢先のことだった。

 いったいその心中に何があったのか。ク・ハラは2016年1月にKARAが事実上の解散を迎えた後も、韓国の所属事務所を替えながらコンスタントに芸能活動を続けていた。だが2018年9月13日、当時の交際相手でヘアデザイナーのチェ・ジョンボムが「ク・ハラに暴行された」と通報したというスキャンダルが持ち上がる。一方のク・ハラも同月27日、チェ・ジョンボムを強要、脅迫、性暴力処罰法違反などの疑いで告訴。その過程で浮上したのが、リベンジポルノ問題だ。

■リベンジポルノを巡るSNSのデマ

 ク・ハラはチェ・ジョンボムについて、日頃はやさしいが嫉妬深く、他の男性の話になると豹変して激昂すると語っている。起訴内容によれば9月13日にも交友関係を巡って喧嘩となり、ク・ハラを暴行。さらに自ら撮影した「プライベートな動画」をク・ハラに送信して「芸能生活を終わらせてやる」と脅迫、ひざまずかせるなどしたという。動画は前月にク・ハラの「太もも、足、背中などを撮影した」ものだそうだ。

 チェ・ジョンボムは、この喧嘩の際にク・ハラから「暴行された」と主張。検察もチェ・ジョンボムが軽傷を負ったことは認めたが、ク・ハラは今年1月に起訴猶予となっている。

 一方のチェ・ジョンボムは、傷害、脅迫、器物損壊、さらに不法な撮影行為に対する性暴力処罰法違反の罪で、同月に在宅起訴された。今年8月にソウル中央地裁が下した判決は、懲役1年6カ月、執行猶予3年。ただし性暴力処罰法違反については、無罪となった。双方がこの量刑を不服としており、現在も被害者不在のまま控訴審が続く。

 リベンジポルノ問題はその後、「流出デマ」も生み出した。動画はメディアで「性関係の映像」として報じられ、匿名性の高いSNSアプリ「テレグラム」ではこれを販売するという投稿が散見されるという。動画が流出していないことは捜査と裁判で確認済みだが、「ク・ハラ」「性関係」「映像」のワードはGoogleで盛んに検索されている。

 一連のトラブルの最中、今年5月26日にク・ハラが自殺未遂を起こしたことも記憶に新しい。同日の深夜、ク・ハラはソウル市江南区の自宅で意識を失っているところをマネージャーに発見され、病院に運ばれた。ク・ハラは前日、インスタグラムに「さよなら」とだけコメントした後、これを削除している。この自殺未遂を巡っては、ク・ハラがうつ病を患っていたことも大きく報じられた。

■ソルリの死後にもバッシング

 現地報道によると、ク・ハラは心理療法を受けていたという。そこで心の支えとなったのが、同じ女性K-POPアイドルグループ f(x)出身で親友のソルリだ。2人はともにうつ病の治療を受け、互いを頼りにしていたと伝えられている。

 だがそのソルリは今年10月14日、ソウル近郊の自宅で自ら命を絶った。原因は、ネットでの執拗な中傷と伝えられている。ソルリに限らず、ネットでの中傷は韓国芸能人を心理的に疲弊させる大きな要因だ。2008年に亡くなったチェ・ジンシルを始め、多くの芸能人の自殺に関わっている。ク・ハラも例に漏れず、さまざまなネットでの中傷に晒され続けてきた。ク・ハラが仕事の都合でソルリの出棺に参列できなかった時も、SNSなどでバッシングが殺到したという。

 現地メディアは2人と親しかった某芸能人の話として、「ソルリの死後ク・ハラのうつ病が悪化し、周囲を心配させていた」という証言を伝えた。最悪の結果となった自殺の連鎖に、韓国中が悲痛な空気に包まれている。

(高月 靖/週刊文春デジタル)

関連記事(外部サイト)